荒川高原道路(岩手県)
写真1 緑豊かな丘陵地帯の中を、緩やかなカーブが続いている

荒川高原道路(岩手県)。数少ない放牧風景が広がる景勝ルート

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

柳田國男の『遠野物語』の舞台としても知られる遠野市の、広大な牧草地帯を貫く荒川高原道路(岩手県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

目次

放牧された馬に出会える牧草地

岩手県の遠野市は柳田國男の『遠野物語』の舞台としても知られ、河童や座敷童子などの民話が伝わる地域である。この遠野市の北にあるのが荒川高原で、標高700mから1,000mの草原が広がる。早池峰山(はやちねさん)の南麓に位置し、約2,500haの広さがある。毎年6月頃から約100頭の馬が放牧され、馬たちが草原を駆け巡る光景は一枚の絵のようで、いつまで見続けても見飽きない。

写真2 森の中から抜けると、一面に牧草地が広がっている

写真2 森の中から抜けると、一面に牧草地が広がっている

こんな荒川高原を南北に走り抜けるのが今回紹介するルートである。荒川高原へ向かう前に遠野ではカッパ淵や伝承園などの観光スポットを見てみよう。遠野市の市街地から、県道160号を北へ進み遠野ふるさと村を過ぎ駒形神社を目指す。駒形神社からは荒川に沿って進むだけだ。なだらかなカーブが続く森の中を進むと、目の前が少しずつ開けてくる。やがて一面に広がる牧草地帯が現れる。

四季折々の景色を楽しめる高原道路

写真3 放牧されているため、いたるところに馬や牛を眺めることができる

写真3 放牧されているため、いたるところに馬や牛を眺めることができる

青い空に白い雲。そしてなだらかな牧場がどこまでも続く。そんな景色の中を走るのは、ドライバーにとって至福の時間だろう。そんな景色の中に放牧された馬を見つけることができたら最高だ。道は緩やかに上りながら進むので、周りの景色も少しずつ変化していく。この荒川高原は四季折々の風景を楽しめるが、秋には美しい紅葉も楽しむことができる。


荒川高原道路データ

荒川高原道路までのアクセスは、東北横断自動車道釜石秋田線の遠野ICから、国道283号、340号を経由し、県道160号を北上する。遠野市附馬牛町から駒形神社方面に向かうことでアクセスできる。冬季閉鎖のため、通行止めになる期間があるので注意しよう。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

荒川高原道路近くの日本遺産は、こちらをチェック!

日本遺産 とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
荒川高原道路が走る岩手県にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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