西吾妻スカイバレー(福島県・山形県)。桧原湖から白布温泉へと、紅葉と絶景を駆け抜ける
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
西吾妻スカイバレーは、福島県裏磐梯の桧原湖(ひばらこ)北岸から山形県米沢市の白布(しらぶ)温泉を結ぶ、全長約17.8kmの山岳観光道路です。標高差と急カーブが連続するワインディングロード、四季折々の絶景が楽しめる西吾妻スカイバレーを走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
湖畔と峠を巡る四季の絶景ルート
写真2 西吾妻スカイバレーから望む桧原湖の秋景色。紅葉に染まる山々と澄んだ湖面が広がる絶景は、福島県の人気ドライブ&撮影スポットとして知られている
西吾妻スカイバレーは福島県の裏磐梯に位置する桧原湖と山形県米沢市の名湯白布温泉を結ぶ山岳道路。桧原湖は磐梯山の噴火によりできた、美しい島々が浮かぶ裏磐梯最大の湖で、白布温泉は鎌倉末期開湯という歴史ある温泉である。県境にある白布峠を越えるこの道は、昔は有料道路だったためとても走りやすく、変化に富んだ眺めが楽しめる。
桧原湖から白布温泉へ──自然と歴史の旅路を描く山岳ルート
写真3 西吾妻スカイバレーの岩壁沿いを走る山道。色鮮やかな紅葉に包まれた急カーブの絶景ルートは、福島県と山形県の秋の人気ドライブスポットだ
裏磐梯を走る国道459号から米沢方面へ向かうと、道はすぐに桧原湖畔に出る。桧原湖を眺めながらの緩やかなカーブの連続は気持ちの良いドライブとなる。湖を過ぎると道は上りはじめ、今度はヘアピンカーブが連続する。少しずつ高度が上がっていくと眺望が開け、磐梯山が見えてくる。「東鉢(とうばち)七曲り」と呼ばれる代表的なビュースポットに駐車場があるのでクルマを止めると、下には今走ってきた桧原湖とその向こうに磐梯山のパノラマが広がる。
さらに走ると白布峠になるが、ここにも広い駐車場があり、裏磐梯の眺めが楽しめる。紅葉の時期にはナナカマドやヤマウルシなどの深紅とダケカンバの黄色が鮮やかに色づき、楽しませてくれる。峠を越えると山形県になり、下りの山岳道路となる。小さな滝や沢がたくさんあるが、この周辺は最上川の源流になり、途中には最上川源流の案内板もある。さらに下っていくと白布温泉に着く。
ドライブルート・西吾妻スカイバレー(福島県・山形県)
西吾妻スカイバレーは、福島県裏磐梯の桧原湖北岸から山形県米沢市の白布高湯温泉を結ぶ山岳観光道路。福島県側からのアクセスは、磐越自動車道・猪苗代磐梯高原ICから国道115号、459号を経由して約1時間。山形県側は、東北中央自動車道・米沢八幡原ICから国道13号、県道151号などを経由して約30分のドライブとなる。冬季閉鎖のため、通行止めになる期間があるので注意しよう。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
西吾妻スカイバレー近くの日本遺産は、こちらをチェック!
日本遺産
とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
西吾妻スカイバレーが走る福島県・山形県にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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