指宿スカイライン(鹿児島県)。「東洋のハワイ」と呼ばれた南薩の歴史を感じる眺望ルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
「東洋のハワイ」と呼ばれた南薩の歴史を感じる眺望ルート、指宿スカイライン(鹿児島県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
鹿児島観光にもってこいの指宿スカイライン
指宿(いぶすき)市は九州の南、薩摩半島の最南端にある。九州一の大きさを誇る池田湖や、薩摩富士の別名で呼ばれる開聞(かいもん)岳、南国ムード漂う長崎鼻など観光名所も多い。なかでも有名なのが、世界的にも珍しい「砂むし温泉」の指宿温泉だ。
写真2 道幅も広く、信号もないためドライブにはもってこいの道だ
こんな指宿へ鹿児島から向かうのが指宿スカイラインである。約37kmもある観光道路で、山の上を走るために桜島や鹿児島市街などを見渡すことができる。
鹿児島からは九州自動車道を走ると行きやすく、鹿児島ICを越えるとそのまま指宿スカイラインに入る。または国道225号を知覧方面へ走れば、川辺ICから指宿スカイラインに入ることもできる。
写真3 標高が高いため、遠くに桜島を望むこともできる
川辺ICを越えるとすぐに「錦江台展望公園」があり、鹿児島湾(錦江湾)の向こうに噴煙を上げる桜島や鹿児島市街を見ることができる。道はアップダウンの繰り返しでコーナーが続くが、とても走りやすく気持ちの良いドライブが楽しめる。
展望スポットからは鹿児島湾の眺望を楽しめる
写真4 指宿スカイラインでは、錦江台展望公園から指宿方面へ向かうと長渕剛さんの「乾杯」が聞こえるメロディーロード(音響道路)が設置されている
途中には錦江台展望公園をはじめ、6か所の展望台が設けられていて、どこからでも鹿児島湾の眺めを楽しめる。南へ走るとやがて遠くに開聞岳が見えてくる。
写真5 池田湖は幻の怪獣「イッシー」の湖としても有名だ。周囲が15kmほどあり、水深は最大233mと深い
開聞岳は富士山のようなシルエットなのですぐにわかる。この山を目指して道は続き池田湖の湖畔へと下りていく。池田湖は九州最大のカルデラ湖で、ここを越えてから国道226号を東へ向かえば指宿温泉に着く。
指宿スカイライン(鹿児島県)データ
九州自動車道の鹿児島ICから、指宿スカイラインへアクセス可能だ。現在では車種区分ごとに通行料金が設定されている。ETCが利用可能な区間は鹿児島ICから山田IC間のみ。谷山ICから頴娃(えい)IC間は現金のみなので注意が必要だ。料金の詳細は指宿有料道路ウェブサイトへ。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
指宿スカイライン近くの日本遺産は、こちらをチェック!
日本遺産
とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
指宿スカイラインが走る鹿児島県にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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