天草パールライン
写真1 九州本土側から進むとすぐに現れる橋が天城橋だ。古くからある天門橋も 並んで生活道として活用されている

天草パールライン(熊本県)。島々をつなぐ5つの橋を渡るルート

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

島々をつなぐ5つの橋を渡る、天草パールライン(熊本県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

目次

南蛮文化とキリシタンの歴史が残る島を巡る

天草は天草諸島と呼ばれるように、大小120余の島々からなる地域だ。九州本土とは「天草五橋」と呼ばれる5つの橋で結ばれているが、この5つの橋を走るルートが今回紹介する国道266号上にある天草パールラインである。

天草五橋は三角(みすみ)地域側から天門橋、大矢野橋、中の橋、前島橋、松島橋で昭和41(1966)年に開通した。三角町の1号橋である天門橋の隣には三角大矢野道路の天城橋(てんじょうきょう)ができたため、2本の橋となっている。また、天門橋の手前には三角西港がある。ここは日本で唯一残る明治時代の石積み港湾都市であり、多くの文化財が存在し世界遺産に登録されている。車を止めて、ゆっくりと散策できる。

写真3 2つめの橋である大矢野橋は大矢野島と永浦島を結ぶ橋だ。ランガートラス式で支間(しかん)の長さ150mを超えたのはこの橋が国内初

写真3 2つめの橋である大矢野橋は大矢野島と永浦島を結ぶ橋だ。ランガートラス式で支間(しかん)の長さ150mを超えたのはこの橋が国内初

海と美しい島々の絶景が広がる

写真3 前島と天草上島を結ぶ松島橋。日本で初めて作られたパイプアーチ構造の橋だ

写真3 前島と天草上島を結ぶ松島橋。日本で初めて作られたパイプアーチ構造の橋だ

大矢野島を南へ走ると永浦島へ向かう2号橋である大矢野橋があり、ここからは連続して橋が続く。ルートの途中には、パーキングもあり休憩はできる。そして中の橋、前島橋と続くがこのあたりが、天草松島と呼ばれる日本三大松島の一つになる。海と島々の美しいコントラストが望める絶景が目の前に広がる。そして松島橋を越えたところで今回紹介するルートは終わる。天草松島をゆっくりと眺めたいならクルマで10分ほどの高舞登山展望台へ行くとその全景を眺めることができる。


天草パールライン(熊本県)データ

天草パールラインへのアクセスは、熊本市から向かうと国道266号がそのままパールラインへとつながる。熊本県宇城市の三角港周辺には、アクセスの標識もあるのでわかりやすい。三角大矢野道路を利用するとスムーズだ。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

天草パールライン近くの日本遺産は、こちらをチェック!

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日本遺産 とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
天草パールラインが走る熊本県の近くにも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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