国道156号御母衣(みぼろ)湖
写真1 御母衣湖の貯水容量はロックフィル式ダムでは日本2位の量だ

国道156号御母衣(みぼろ)湖(岐阜県)。自然の中にたたずむ巨大なダム湖を巡るルート

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

自然の中にたたずむ巨大なダム湖、国道156号御母衣湖(岐阜県)を巡るルートを走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

目次

御母衣湖の湖面と色とりどりの木々が楽しめる

御母衣湖は、岐阜県北西部にある人造湖で、御母衣ダムによって庄川をせき止めてできた。御母衣ダムは日本屈指の規模のロックフィル式ダムで岩石や土砂を積み上げて造られている。

写真2 湖面に沿うように南北に走っている道路はドライブに最適だ

写真2 湖面に沿うように南北に走っている道路はドライブに最適だ

高さ131m、長さ405mの巨大なダムは昭和36年に完成し、当時は東洋一の規模を誇っていた。山間部に水がたまるように位置するため、ダムとはわからない見た目になっている。湖畔にはキャンプ場もオープンするほどだ。

写真3 発電を行うための設備も近くで見られる

写真3 発電を行うための設備も近くで見られる

ダム建設当時、水底に沈むことになった荘川村には、かつてエドヒガン桜の老大木があった。この桜を救いたいと、これまでに例のない巨木の桜の大移植が実現した。湖底に沈む予定の2本の桜は50m上の山腹に引き上げ、約600m移動させるという前例のない事業であった。

樹齢450年を超える天然記念物「荘川桜」も有名だ

写真4 御母衣湖畔の展望台に立っている2本の巨木の桜は、現在は湖底に沈む照蓮寺と光輪寺の境内にあったものだ

写真4 御母衣湖畔の展望台に立っている2本の巨木の桜は、現在は湖底に沈む照蓮寺と光輪寺の境内にあったものだ

移植に成功した2本の桜は荘川桜と呼ばれ、樹齢450年たった今も故郷のシンボルとして湖畔に毎年美しく咲く。

写真5 夜にはライトアップされ、多くの旅行者が訪れる

写真5 夜にはライトアップされ、多くの旅行者が訪れる

今回のルートはこの御母衣湖の西側を走る国道156号で、静かな湖面を眺めながら絶景の中を快走する。4月下旬から5月初旬には荘川桜が壮大に咲き誇り、10月下旬から11月上旬には紅葉が豊かな彩りを見せ、エメラルドグリーンの神秘的な湖面との対比を楽しませてくれる。ダムの北側にある「MIBOROダムサイドパーク」は「御母衣電力館」「荘川桜記念館」「30周年記念公園」から成り、御母衣ダムと荘川桜について知ることができる。


国道156号御母衣湖(岐阜県)データ

国道156号御母衣湖へのアクセスは、東海北陸自動車道・荘川ICから国道158号で白川方面へ進む。途中から国道156号を経由し、御母衣湖方面へ。白川郷からも国道156号を利用し、約20分でアクセスできる。桜の開花時期(4月下旬〜5月初旬)には多くの観光客が訪れるので、時間に余裕をもった移動が必要だ。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

国道156号御母衣湖(岐阜県)近くの日本遺産は、こちらをチェック!

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日本遺産 とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
国道156号が走る岐阜県にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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