福山グリーンライン(広島県)。歴史ある町並みと島々を望む景勝ロード
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け歴史ある町並みと島々を望む景勝ロード、福山グリーンラインを走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
瀬戸内海を代表する港町が広がる
広島県福山市の沼隈(ぬまくま)半島先端にある鞆の浦(とものうら)は、潮待ちの港として古くから栄えた港町。万葉集にも詠まれていた、瀬戸内海を代表する景勝地。江戸時代には北前船(きたまえぶね)の寄港地としても栄え、現在では映画のロケ地にも使われている。ここの町並みは重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて、昔から残る常夜燈や寺社そして町家が大切に保存されている。歴史的な旧跡や遺構も多く残っている
写真2 眼下に港町や仙酔島など、のどかな風景が広がる
この鞆の浦へ沼隈半島の尾根を縦断して向かうのが県道251号福山グリーンライン。1974年に有料道路として開通し1980年に無料化されて一般県道になった。全長約14kmのルートで北側はほぼ森の中を走るワインディングロードになる。中間点にはファミリーパークがあり展望台から周囲の山や瀬戸内海が望める。さらに南へ走ると後山(うしろやま)園地があり第一展望台からは瀬戸内海の大パノラマが楽しめる。
映画にも使われるロケーションが残る港町
写真3 鞆の浦の町には、昔ながらの家並みが残る
ここを越えると道は瀬戸内海へ向かって下り始める。前方に瀬戸内海の島々を見ながら道は右へ左へと曲がる。途中には後地(うしろじ)朝陽展望台や能登原夕陽展望台などいくつものパーキングがあり、眼下の鞆の浦をはじめ笠岡諸島や晴れの日には遠くに瀬戸大橋も見ることができる。もちろん朝日や夕日も美しい。グリーンラインは県道47号に出たところで終わりになるが、ここを左折すると鞆の浦までは5分ほど。
福山グリーンライン(広島県)データ
広島県福山市の水呑町(みずのみまち)から、鞆町後地(ともちょううしろじ)までの14kmほどをつなぐルートが福山グリーンラインだ。県道22号から芦田川を渡り、県道72号へ入る。少し進むと県道251号のある交差点からアクセス可能だ。道中は登山道が多数あるため、歩行者に気を付ける必要がある。展望台なども複数あるので、瀬戸内海の景色をゆっくり味わいながら進むのもいいだろう。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
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日本遺産
とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
福山グリーンラインが走る広島県にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?
須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape