牡鹿コバルトライン(宮城県)。半島に広がるコバルトブルーの海を望むルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
半島に広がるコバルトブルーの海を望む牡鹿(おしか)コバルトライン(宮城県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
牡鹿半島の尾根に沿って道が続く
牡鹿半島は宮城県北東部にあり、太平洋に向かって突き出した長さ約25kmの半島。リアス海岸特有の変化に富んだ海岸線に縁取られている、雄大な地形美と太平洋との鮮やかなコントラストが美しい。この牡鹿半島の稜線(りょうせん)に沿って走るのが牡鹿コバルトラインで、1971年に有料道路として開通し、1996年には無料開放された。今回紹介するのは30kmほどのルートで、名前のとおりコバルトブルーの太平洋を一望しながらのドライブとなる。
写真2 標高の高い尾根沿いの道から望む漁村は、牡蠣やワカメ、ホヤやホタテの養殖が盛んだ
女川(おながわ)町の国道398号から県道41号へと進むとすぐ、牡鹿コバルトラインの入り口がある。開けた山間部を走ると最初の絶景ポイントの大六天展望所がある。遠くに太平洋を望みリアス海岸の形がよくわかる。稜線を南へとノンストップで快適なドライブを続けていくと、やがてリアス海岸の向こうに金華山が見えてきた。金華山は牡鹿半島の先に浮かぶ信仰の島で、島全体が黄金山神社の神域となっている。
写真3 尾根から少し外れた道では、海沿いの景色を楽しむことができる
御番所公園からの絶景に酔いしれる
写真4 牡鹿コバルトライン沿いはサイクリングスポットとして休日は自転車も多い
牡鹿コバルトラインの南側は、所々で太平洋の眺めが一望できるルートになる。小さな駐車場も用意されているのでゆっくりとコバルトブルーの太平洋を楽しめる。
写真5 御番所公園は半島の先端に位置し、パノラマビューを楽しめる場所だ
南端でちょっと道を外れると、御番所公園展望棟がある。江戸時代に仙台藩が「唐船」の襲来に備えて設置した見張り所で、今は眺めの良い公園となっており、六角形の展望棟から大パノラマを見ることができる。
牡鹿コバルトライン(宮城県)データ
宮城県女川町から牡鹿半島の先端までをつなぐ、牡鹿コバルトライン(県道220号)。三陸沿岸道路の石巻女川ICから、国道398号と県道234号を経由し女川町まで15kmほど進むと、牡鹿コバルトラインへアクセスできる。半島の先端からは県道2号へと切り替わり、南部を経由して女川町方面まで一周することも可能だ。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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