北長門コバルトライン(山口県)。コバルトブルーの海に変化に富んだ海岸線ルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
コバルトブルーの海と次々に景色が変わる北長門コバルトライン(山口県)をドライブします。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
日本海の美しい海と荒波から生まれたリアス海岸
山口県萩(はぎ)市は江戸時代の城下町の面影を色濃く残し、吉田松陰や高杉晋作など明治維新を支えた人物たちのゆかりの地としても知られている。さらに「明治日本の産業革命遺産」として、歴史的な建造物や文化遺産はもちろん、世界遺産などが多く残っている場所だ。そんな萩市から島根県益田(ますだ)市までの海岸沿いを通る国道191号は、「北長門(きたながと)コバルトライン」と呼ばれるシーサイドルートだ。日本海を眺めながら走ると、変化に富んだ海岸線など美しい風景が楽しめる。
写真2 コバルトブルーの海の景観美はドライブコースとしても有名だ(撮影エリアは地図2を参照)
益田市方面から向かうと萩市須佐(すさ)を越えて道は一度山の中に入り、惣郷(そうごう)トンネルを抜けると海岸沿いを走るシーサイドラインとなる。ここから萩市までが今回のルートで、北長門海岸国定公園に属しコバルトブルーの美しい日本海を眺めるルートになる。少しだけルートから外れるが惣郷には鉄道ファンに人気のJR 山陰本線にかかる全長189mの鉄道橋「惣郷川橋梁」がある。県道343号から見えるので立ち寄っても面白い。
手つかずの自然と、別世界のような海岸線
写真3 清ヶ浜海水浴場は夏場には人気のスポット。歩くとキュッキュッと砂が鳴く砂浜としても有名だ(撮影エリアは地図3を参照)
宇田郷を過ぎると、沖に浮かぶ姫島を眺めながら気持ちのよいドライブが続く。JR木与駅の先に広い駐車場があるのでここに車を停めると、コバルトブルーの日本海に感動するだろう。近くには清ヶ浜海水浴場があるが、このルートでは数少ないビーチだ。やがて萩の町に近づくが、町の手前にある笠山山頂展望台は日本海から萩まで360度の大パノラマが望める。
北長門コバルトライン(山口県)データ
山口県萩市から島根県益田市までの国道191号の区間で、総距離63kmほどの路線。今回紹介している、北長門コバルトラインの区間は惣郷トンネルから萩市までの23kmほどの区間である。
笠山山頂展望台は萩市側から県道294号で2kmほどの場所にあり、駐車場も完備する。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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