日塩もみじライン(栃木県)。鬼怒川温泉と塩原温泉をつなぐ景勝ルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け鬼怒川温泉と塩原温泉をつなぐ景勝ルート。日塩もみじライン(栃木県)をドライブします。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
江戸時代から続く源泉が湧き出る日光エリア
日塩(にちえん)もみじラインは鬼怒川温泉と塩原温泉をつなぐ28kmの観光道路で2020年12月11日から無料になった。鬼怒川温泉といえば開湯(かいとう)は古く江戸時代にまでさかのぼるような由緒ある温泉。また塩原温泉は古くから塩原十一湯(じゅういちとう)と呼ばれる11のエリアそれぞれに湯が湧き出しており、多彩な泉質の源泉を誇る。この2つの温泉地を結び標高1,000mを超える高原のドライブを堪能するルートだ。
写真2 標高が1,000mを超えるため、沿線にはスキー場なども点在する(撮影エリアは地図2を参照)
例年紅葉の色づき始めは10月初旬で、10月下旬から11月上旬にかけて見事な紅葉を見せてくれるために「もみじライン」と呼ばれている。その圧倒的な紅葉の美しさは道路沿いを埋め尽くしていて、鮮やかな赤や黄色に染まった木々のトンネルをくぐり抜けるような区間もあり、全線にわたって紅葉が楽しめる。道はカーブの連続だが、森の中を走り抜ける爽快感は格別だ。
山々の四季で変化する景色を堪能できる
南側の龍王峡から行くとすぐに力強い「太閤下ろしの滝」がある。さらにカーブの連続を上っていくと「富士見台」の展望台がある。ここからは女峰山や霧降高原など日光の秋の風景を一望できる。その先にある白滝には峠の茶屋やトイレがある。ハンターマウンテン塩原では、紅葉シーズンにゴンドラを営業しているため、これに乗ると上から紅葉とともに日光連山・関東平野を一望できる。
日塩もみじライン(栃木県)データ
栃木県那須塩原市から日光市をつなぐ、全長約28kmの県道19号が「日塩もみじライン」だ。東北自動車道・西那須野塩原ICから国道400号を福島県会津若松市方面に約18km進むと、日塩もみじラインの入り口が見える。観光スポットやスキー場も多く、景勝スポットには駐車エリアも用意されている。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape