但馬漁火ライン(兵庫県)。日本海の荒波が削り出した海岸線ルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
日本海の荒波が削り出した海岸線が続く但馬漁火ライン(兵庫県)をドライブします。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
日本風景街道に選ばれたリアス海岸が続く
兵庫県の日本海側の海岸線を走るルートを但馬漁火(たじまいさりび)ラインと呼ぶ。兵庫県豊岡市から新温泉町居組(いぐみ)まで続く約67kmの海岸線道路だが、今回紹介するのは日和山(ひよりやま)海岸から香美町香住(かみちょうかすみ)までの約26kmで兵庫県道11号になる。山陰海岸国立公園にも重なっていて奇岩や洞門、美しい海岸線など変化に富んだ景観が続く。道はカーブやアップダウンも多く快走とはいかないが、点在する観光スポットを眺めながら走る楽しいルートだ。
写真2 イカ釣り漁船は夜が主だが、遊漁船で海釣りなども楽しめる(撮影エリアは地図2を参照)
但馬漁火ラインでは6月から10月にかけてイカ釣り漁船がともすランプの明かり「漁火(いさりび)」が見られる。日本海を幻想的に照らす漁火がこの道の名前の由来。城崎(きのさき)温泉方面から走ると道は一気に上りはじめ断崖の上を進む。上から見下ろす日本海を眺めながら、いくつもの小さな漁港やビーチを走り抜けると、美しい海岸線など変化に富んだ景観が楽しめる。
波により荒々しく削られた断崖群を間近に感じる
写真3 奇岩だけでなく、波により荒々しく削られた地形が魅力的だ(撮影エリアは地図3を参照)
途中の道路脇にある展望台やパーキングにクルマを止めると、左右に広がる日本海の眺めに感動する。また小さな漁港にはノスタルジックな風景が見られる。日本の渚百選に選ばれている「竹野浜」や洞門、洞窟、奇岩などを見ながら走ると、日本の夕陽百選に選ばれた「今子浦(いまごうら)」に着く。
但馬漁火ライン(兵庫県)データ
兵庫県香美町から豊岡市までの海岸沿いを進む県道11号が「但馬漁火ライン」と呼ばれている。海沿いの奇岩の景勝地や海水浴場などは香美町から竹野町までの約17kmの区間だ。山陰近畿自動車道の香住ICからすぐ県道11号に合流し、京丹後方面へ向かう。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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