国道102号奥入瀬
写真1  道を覆うように広がる木々が紅葉シーズンには美しく映える(撮影エリアは地図1を参照)

国道102号奥入瀬(青森県)。季節ごとに移り変わる木々のトンネルが続くルート

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

季節ごとに移り変わる木々のトンネルが続く国道102号奥入瀬(青森県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

目次

渓流の流れに沿った自然豊かな道

青森県にある奥入瀬(おいらせ)渓流は、十和田八幡平(とわだはちまんたい)国立公園にある豊かな自然に恵まれた渓流で、森の中にあるために新緑や紅葉が美しい。十和田湖から流れ出る唯一の河川である奥入瀬川は、約14kmにわたり自然が織りなす美しさを見せてくれる。特別名勝、天然記念物として国の指定を受けていてミシュラン・グリーンガイドで二つ星に選ばれている。特に5月中旬からの新緑の季節や、10月中旬から下旬の紅葉の季節は最も人気がある。

写真2 川とほぼ同じ高さにある道路は、昔からの生活道路のなごりだ(撮影エリアは地図2を参照)

写真2 川とほぼ同じ高さにある道路は、昔からの生活道路のなごりだ(撮影エリアは地図2を参照)

ここを走るのが国道102号で常に渓流を見ながら走ることができ、道を覆うように続く木々のトンネルがとても魅力的なドライブルートになっている。しかし道幅は狭く駐車スペースも少ないために観光シーズンは渋滞することもあるので注意。八甲田山方面から向かうと奥入瀬に入ってすぐに奥入瀬渓流館があるので、ここでいろいろな情報を集めるといい。そして十和田湖へ向かって渓流沿いを走っていくと石ヶ戸(いしげど)休憩所があり、ここにクルマを止めて渓流の散策路を歩く人も多い。

写真3 銚子大滝の高さは7mと短いが、幅は20mもありダイナミックで人気の観光スポットだ(撮影エリアは地図3を参照)

写真2 銚子大滝の高さは7mと短いが、幅は20mもありダイナミックで人気の観光スポットだ(撮影エリアは地図3を参照)

東北屈指の渓谷美を堪能できる奥入瀬渓谷の大自然

石ヶ戸休憩所から進むと道幅も狭くなり川の流れも激しくなる。途中には見どころがたくさんあり、少しだけ駐車スペースもあるので車を止めてすぐに散策できる。車で走っても歩いても身近に滝や清流の美しさを感じることができるのが奥入瀬の魅力だろう。阿修羅の流れ、雲井の滝、九段の滝、などを見て最後にあるのが奥入瀬渓流で最大の滝である銚子大滝となり、ここを過ぎると十和田湖に出る。


国道102号奥入瀬(青森県)データ

青森県十和田市から、弘前市まで山中を経て十和田湖湖岸を抜ける国道102号。十和田市からは、起点の国道102号を約34km進むと奥瀬(おくせ)に入る。道中は渓流散策路や登山者用の駐車スペースが点在しており、渓流沿いの滝などを楽しむエリアがある。紅葉シーズンには交通規制が実施されるので、ウェブサイトなどで確認が必要だ。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。

日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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