秋田県道121号入道崎(秋田県)。空と海、草原だけの雄大な風景を味わい北緯40度の岬を目指す
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
空と海、草原だけの雄大な風景を味わい北緯40度の岬を目指す秋田県道121号入道崎(秋田県)をドライブします。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
白黒縞模様が印象的な入道埼灯台
入道崎(にゅうどうざき)は秋田県男鹿(おが)半島最北端にあり、日本海を一望できる絶景の地で、落差30mもある荒々しい海岸の上には穏やかな草原が広がっている。岬にはシンボルでもある白黒の縞模様が印象的な入道埼(にゅうどうさき)灯台がある。この灯台は「日本の灯台50選」に選ばれていて、登ることもできる。またここには北緯40度線が通っているために、そのモニュメントもある。
写真2 手前に見えるのがニノ目潟、さらに奥には戸賀(とが)湾、そして日本海が広がる(撮影エリアは地図2を参照)
ここへ向かうには男鹿半島の北側を走る県道55号よりも県道121号がおすすめ。「なまはげライン」から121号に入るとすぐに八望台(はちぼうだい)がある。この展望台からは火山活動に伴う水蒸気やガス爆発によってできた爆裂火山湖の一ノ目潟、二ノ目潟までが眺望でき、その向こうには戸賀湾や日本海を見ることができる。360度のパノラマで見える景色は感動的で、朝日や夕日のスポットとしても知られている。
写真3「日本の灯台50選」のひとつ、入道埼灯台(撮影エリアは地図3を参照)
空と海が織りなす豪快なパノラマ風景
さらに北へと走ると、日本海の大海原が目の前に広がってくる。道は緩やかなカーブで海へと下っていき、断崖の上の平坦な草原を進む。空と海が織りなす豪快なパノラマ風景の中を走る直線路は、まるで海へ飛び込むようにも感じる。最後のコーナーを右に曲がると、正面に白黒の縞模様の灯台が見えてくる。車を停めて潮風に吹かれながら散策すれば、一面に広がる緑の草原と青い海や空の絶妙なコントラストを楽しむことができる。
秋田県道121号入道崎(秋田県)データ
秋田県道55号入道崎寒風山(かんぶうざん)線から分岐して、秋田県の男鹿市をL字に貫く一般県道。八望台の展望台から爆裂火山湖の一ノ目潟、二ノ目潟を望み、戸賀湾や日本海の眺めを堪能したのち、日本海岸の岩礁とゆるやかな丘陵地帯に挟まれながら日本海沿岸を北上する(沿岸を走る道は別名「おが潮風街道」とも呼ばれている)。秋田自動車道・昭和男鹿半島ICから今回の起点(入道崎八望台北浦線となまはげラインの交差点)までは国道101号となまはげライン経由で約34km。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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