国道121号日光杉並木(栃木県)。木漏れ日を浴びながら辿る、ギネスブック認定・世界最長の並木道
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
木漏れ日を浴びながら辿る、世界最長の並木道・国道121号日光杉並木を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
世界に誇る約1万2000本の杉並木
栃木県の日光は、日光東照宮・日光山輪王寺・日光二荒山(ふたらさん)神社など「日光の社寺」として世界遺産に登録されている、外国人にも人気の観光地だ。ここへとつながる道が日光杉並木街道で、徳川家康の近臣であった松平正綱が1625(寛永2)年頃から整備を始めたといわれている。20年以上の歳月をかけて約20万本の杉が植えられたとされているが、現存するのは約1万2000本、特別史跡と特別天然記念物の二重指定を受けている。また、ギネスブックにも世界最長の並木道として登録されている。巨木が連なる壮大な並木道は一見の価値ありだ。
写真2 歴史の足跡をたどるように日光杉並木街道を進む(撮影エリアは地図2を参照)
日光杉並木街道は日光街道、日光例幣使街道(にっこうれいへいしかいどう)、会津西街道の3街道からなるが、今回紹介するのは鹿沼方面から今市へ向かう「国道121号日光例幣使街道」だ。JR日光線・文挟(ふばさみ)駅の手前に並木寄進碑があり、この付近から杉並木が始まる。江戸時代に造られたため道幅は狭いが、時代とともに巨木に育った杉には圧倒される。
写真3 立ち並ぶ巨木に光がさえぎられ、いつもほの暗い(撮影エリアは地図3を参照)
杉の巨木を間近に走り、江戸時代に思いを馳せる
道はほぼ直線で一部通行止めのため、迂回路になっている部分もある。杉の巨木が道の両側に立ち並んでおり、昼間でもライトを点灯して走る車も多く見られる。道幅が狭いという以外は走りやすく、生活道路のために交通量も多いが、パーキングがないので車を止めることはできない。しかしここを走ると道路脇に立ち並ぶ巨大な杉の木々に風格と歴史を感じ、まるで時空を超えた感動で江戸時代に思いを馳せることができるだろう。
日光杉並木街道(栃木県)データ
日光杉並木街道は、神橋を基点に日光街道、日光例幣使街道(国道121号)、会津西街道(国道121号)にわたり全長37kmもの道の両側に約1万2000本の杉の木がうっそうとそびえ立つ並木道。徳川家の忠臣・松平正綱が20年余りの年月をかけて20万本以上もの杉を植樹し、家康公の33回忌の年に日光東照宮の参道並木として寄進した。現在日本で唯一、国の特別史跡と特別天然記念物の二重指定を受けており、世界一長い並木道としてギネスブックにも認定されている。日光宇都宮道路・土沢(どさわ)ICから文挟駅手前の並木寄進碑までは国道121号経由で約7km。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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