写真1 エメラルドグリーンの海、そこからのぞくゴツゴツとした岩礁、なめらかな海岸線の対比が美しい(撮影エリアは地図1を参照)

岩手県道268号小袖海岸(岩手県)。自然の造形美が楽しめる朝ドラロケ地、別名「あまちゃん街道」

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

岩手県道268号小袖海岸(岩手県)。自然の造形美が楽しめる朝ドラロケ地、別名「あまちゃん街道」周辺をドライブします。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

目次

岩礁の自然美が堪能できる海岸線

岩手県の久慈(くじ)市にある小袖(こそで)海岸は、その美しい景観と独特な地形で知られており、三陸復興国立公園および久慈平庭県立自然公園にも指定されている。海岸には大小さまざまな岩が点在し、その形や大きさの多様性が自然の造形美となっている。荒々しい太平洋の波が打ち寄せる岩礁域の海岸線からは迫力満点の景観が楽しめ、波が打ち寄せる音や海風の匂いも心地よい。

写真2 海岸線を走りながら岩礁のワイルドな景観が楽しめる小袖海岸(撮影エリアは地図2を参照)

写真2 海岸線を走りながら岩礁のワイルドな景観が楽しめる小袖海岸(撮影エリアは地図2を参照)

この海岸が有名になったのは、NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台になったのがきっかけだ。そのため「あまちゃん街道」とも呼ばれ、地元住民や観光客に親しまれている。南側には小袖海女(あま)センターがあり、夏には「北限の海女(小袖海岸で活躍する海女たちの総称)」の素潜り漁の実演を見ることができる。施設は東日本大震災後、平成27年4月にリニューアルされた。

写真3 かつて洞穴の天井部分から釣り鐘の形をした岩がぶらさがっていたことからその名がついた「つりがね洞」(撮影エリアは地図3を参照)

写真3 かつて洞穴の天井部分から釣り鐘の形をした岩がぶらさがっていたことからその名がついた「つりがね洞」(撮影エリアは地図3を参照)

いろいろな奇岩を見るのも楽しい

道は海岸線を縫うように走る。車のすれ違いが困難な場所もあるが、ゆっくり走れば青く澄んだ海と自然の力強さ、美しさを存分に感じられるだろう。途中にはパーキングもあるので、車を止めてのんびり景色を堪能するのもいい。代表的な奇岩に「つりがね洞」と呼ばれるものがある。大きな穴の開いた海食洞で、夏至の時期には洞穴の向こうに朝日が見える幻想的な風景となる。その他に「夫婦岩(めおといわ)」「兜岩(かぶといわ)」などと呼ばれる岩もある。


岩手県道268号小袖海岸(岩手県)データ

岩手県道268号野田長内線、通称「あまちゃん街道」。その名のとおり「北限の海女」で有名な小袖海岸を通る。久慈市から海沿いを南へ走ると、左には海に屹立する岩礁と大海原、右は覆いかぶさるような高い崖が迫り、沿線には赤浜展望台があり、兜岩、つりがね洞など三陸海岸の奇岩が続く。景勝地が点在しているのでドライブコースとして適しているが、幅員狭小や急カーブ・急勾配が多く注意が必要。三陸沿岸道路・久慈南ICから玉の脇簡易郵便局までは国道45号経由で約3km。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。

日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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