日本の絶景ドライブルート

奥多摩湖(東京都・山梨県)。豊かな自然に囲まれた水源地は都心から2時間の桃源郷

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け

須藤英一
2024.04.06

写真1 山々に囲まれた穏やかな湖。3月から4月にかけては、美しい桜の花に彩られる(撮影エリアは地図1を参照)

2024.04.06

写真1 山々に囲まれた穏やかな湖。3月から4月にかけては、美しい桜の花に彩られる(撮影エリアは地図1を参照)

豊かな自然に囲まれた水源地・奥多摩湖周辺をドライブします。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

豊かな自然に囲まれた大都会東京の水源地・奥多摩湖

奥多摩湖は東京都と山梨県にまたがる人造湖。小河内(おごうち)ダムによって多摩川を堰き止め、つくられたものだ。正式名称を「小河内貯水池」という。大都会東京の貴重な水源となっており、都民が利用する水の約2割がこちらから送られている。周辺は豊かな自然に囲まれ、春の桜、夏の緑、秋の紅葉と四季折々の美しい景色が楽しめる。

写真2 走って気持ちいいくらいの緩いカーブを描く、湖岸沿いのワインディング(撮影エリアは地図2を参照)

写真2 走って気持ちいいくらいの緩いカーブを描く、湖岸沿いのワインディング(撮影エリアは地図2を参照)

湖は東西に伸びており、その北側を国道411号の青梅街道が走っている。青梅街道は新宿から奥多摩湖を経由し、甲府へと続く道。この道を走ると、奥多摩湖へは都心から2時間ほど。湖畔には東京都水道局の広報施設「奥多摩 水と緑のふれあい館」があり、人々の生活に役立つ水についての資料や迫力満点のダムの映像などを見ることができる。

写真3 華やかな桜の花の彩りと静謐な奥多摩湖のコントラストが素晴らしい(撮影エリアは地図3を参照)

写真3 華やかな桜の花の彩りと静謐な奥多摩湖のコントラストが素晴らしい(撮影エリアは地図3を参照)

奥多摩湖畔で楽しめる、さまざまな桜の風景

春になると奥多摩湖周辺では4,000本もの桜が咲き、山肌がピンク色に染まる。湖畔を走る国道411号を流しながら楽しむこともできるが、駐車場に車を止めて散策しながら雄大なダムの景色とともにゆっくりと桜を眺めるのもいい。湖面に浮かぶ浮き橋から楽しむのも、また一興だ。北側の斜面には散策コースが整えられ、少し登ると八方岩(はっぽういわ)展望台がある。桜と湖を上から眺められるのはここだけだ。


奥多摩湖(東京都・山梨県)データ

秩父多摩甲斐国立公園の中央に位置し、四季折々の景観が素晴らしい奥多摩湖は、東京都西多摩郡奥多摩町と山梨県北都留郡丹波山村(きたつるぐんたばやまむら)・小菅村(こすげむら)にまたがる人造湖。正式名称は小河内貯水池。東京都水道局が保有・管理する小河内ダムで多摩川上流部を堰き止め、1957(昭和32)年に完成した。東西に広がる奥多摩湖を南北に結ぶ手段として歩行者専用の浮き橋が2つ架けられている。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)青梅ICからは約30km。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。

日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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