秋吉台スカイライン(山口県)。日本最大級のカルスト台地を行く
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。今回は、日本最大級のカルスト台地と呼ばれている山口県の秋吉台にある、秋吉台スカイラインを走ります。
石灰岩がごろごろと並ぶ不思議な景色の中を、秋吉台スカイラインは進む
秋吉台というと鍾乳洞の秋芳洞(あきよしどう)が有名だが、その上には日本最大のカルスト台地が広がっている。ここを走るのが秋吉台スカイラインだ。日本でも数少ない異様な風景の中を走る道路で他の道とはまた違う気分が味わえる。このカルストとは石灰岩が浸食されてできた地形で、1964年には特別天然記念物に指定されている。
写真2 長者ヶ森付近。石灰岩がごろごろと並ぶ中を秋吉台スカイラインが走る(地図2)。
カルスト台地は秋芳洞入り口の先にある展望台からその全貌を眺めることができる。ここから道を北へ走るとやがて視界が開け、目の前にカルスト平原が広がる。広々とした石灰岩の原野の中を道はどこまでも続く。このような不思議な風景は日本では数少なく、他には四国と九州にあるだけだ。
写真3 地下には秋芳洞(地図4)もある。秋吉台をドライブするならぜひ立ち寄りたい観光スポットだ(地図3)。
駐車場に車を止め、遊歩道で草原の散策も楽しめる
途中にある長者ヶ森駐車場(地図5)では車を止めて遊歩道で草原を散策できる。ただし雨水によって浸食された穴が多数散在して大変危険なので、遊歩道以外には入り込まないように。さらに北へ進むと石灰岩の数はだんだんと減っていく。展望も狭くなり、秋吉台の中でも北と南ではかなり印象が変わってくる。大正洞に着くころには広々とした風景も影をひそめ、そこから2kmほどで丁字路にぶつかり、秋吉台スカイラインは終わる。
毎年春先には日本一の規模を誇る秋吉台の山焼きが行われる。これも一見の価値あり。
ドライブルート 秋吉台スカイライン(山口県)
日本最大級のカルスト台地が広がる秋吉台。約3億5000万年前の温かい海で生まれたサンゴ礁が長い時間をかけて石灰岩へ変化し、台地となって堆積。その後雨によって石灰石が浸食され、現在の地形に変わったという。そこを貫くのが秋吉台スカイラインで、カルストロードとも呼ばれる約13kmの観光道路だ。秋吉台カルストロードへは、国道490号・小郡萩道路の秋吉台ICから8分。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
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須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape