本州最北東端の岬に広がる津軽海峡は圧巻! 青森県・尻屋崎道路

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。 今回は、青森県の尻屋埼(しりやざき)灯台を中心とした景勝ルートのひとつである、尻屋崎道路を走ります。

海の男を見守ってきた近代化産業遺産「尻屋埼灯台」

青森県下北(しもきた)半島の北東端にあたる尻屋崎は、北は津軽海峡、東は太平洋となっている。寒立馬(かんだちめ)と呼ばれる馬の放牧地としても知られている。むつ市から県道6号で津軽海峡を見ながら走ると、途中には風力発電所・岩屋ウィンドパークがあり20基の大型風車が回っている。

尻屋埼灯台までの区間は開放された牧草地が広がる。

尻屋埼灯台までの区間は開放された牧草地が広がる。

県道6号から尻屋崎の岬へ向かうには寒立馬を守るためのゲートを開けて進む。台地状の岬に向かう一本道を走ると、遠く岬の先端に真っ白な姿の灯台が見えてくる。観光地ではあるが最果ての旅情を強く感じさせてくれる光景だ。広々とした岬は視界が開けていて太平洋や津軽海峡が目の前に見える。潮流が激しく、濃霧も発生しやすいため、昔から多くの船舶が座礁・遭難した難所で、それを140年以上も守り続けてきたレンガ造りの灯台としては日本一の高さを誇る。

寒立馬は品種改良によって、厳しい冬にも耐えられる。

寒立馬は品種改良によって、厳しい冬にも耐えられる。

周辺の牧草地には寒立馬が放牧され、あちこち移動しながらマイペースで草を食(は)む姿が、訪れる観光客の目を楽しませてくれる。寒立馬の出産シーズンはだいたい4月から6月なので、運が良ければ生まれたばかりの子馬に出会えるかもしれない。


尻屋埼灯台の入門ゲートの開閉時間

4月1日から4月30日までは8:00~15:45
5月1日から11月30日までは7:00~16:45
12月1日から3月31日までは冬期間ゲート閉鎖

ドライブルート尻屋崎道路(青森県)

尻屋崎道路までは青森自動車道の青森東ICから尻屋崎道路入り口まで117kmほどの距離がある。有料道路などが近辺にないため、県道44号から国道4号を経由し、野辺地町からむつ市までは下北半島縦貫道路を走る。むつ市から国道279号から県道6号を進むルートだ。道中は左手に陸奥湾を望むこともできる。尻屋崎道路の入り口ゲートの開閉時間もあるので注意しておこう。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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