広大な茶畑はまるで北海道!? 一本道が続く南薩パノラマライン
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。 今回は、お茶の生産で有名な鹿児島県の知覧(ちらん)地区より、広大な茶畑の中を抜ける南薩(なんさつ)パノラマラインを走ります。
九州の富士山「開聞岳」のまわりに広がる茶畑を進む
鹿児島県の知覧茶はお茶の生産量日本一を静岡と争うブランド緑茶。この知覧茶を生産している南九州市は、桜島の火山灰によってつくられた条件の良い土壌や一年を通して温暖な気候によって緑茶の一大生産地となっている。こんな知覧茶の茶畑の中を走る爽快なルートが南薩パノラマライン。丘陵地帯に広がる茶畑の中を真っすぐ延びていて、小さなアップダウンを繰り返す眺めはちょっと北海道的な感じもする。
左右を見渡すと茶畑が広がり、車幅も十分確保された道だ。
東側の入り口は国道226号の瀬平公園から北に1kmほどの交差点になる。ピンク色の知覧茶の看板を曲がると南薩パノラマラインになる。とても走りやすい道で、そのまま進むとやがて茶畑が見えてくる。さらに走ると道は北向きから西向きとなり、左右に茶畑が広がる。
南薩パノラマラインへの道は知覧茶の看板が目印だ。
走っても走っても茶畑が広がる直線はどこまでも続き、枕崎市の瀬戸公園までおよそ23kmのドライブが楽しめる。逆に枕崎方面から開聞岳(かいもんだけ)へ向かうと前方に開聞岳を見ながら走れる。遠く富士山のように見える開聞岳は南九州のランドマークとなっている。
データ
鹿児島県の南薩と呼ばれる地域は枕崎市、指宿(いぶすき)市、南さつま市、南九州市の4つの市を指す。市内の知覧地区では台風の影響が少ないことから明治初期より茶葉の栽培が開始され、現在も約1,300haもの広大な土地で生産されている。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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