四国全体を見渡す尾根をドライブ
四国カルスト公園線
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け

四国カルストは山口県の秋吉台、福岡県の平尾台とともに日本三大カルストの一つに数えられる。カルストとは石灰岩台地のことで、まるでのこぎりの歯のような白い岩が露出していたり、ドリーネと呼ばれるすり鉢状の窪地(くぼち)などが見られ、独特の風景を形作っている。
のこぎりの歯のようなカルストが沿道に広がり、独特の風景が楽しめる。
この四国カルストは高知県と愛媛県の県境にあり地芳(じよし)峠を中心として標高約1,000~1,500mの高原であり、カルスト地形としては日本で最も標高が高い。カルスト台地は東から天狗高原、五段高原、姫鶴平と続き、この台地の上には一本の道が走っている。道は全面舗装されていて、まるで四国すべてが見えるかのような展望が楽しめる。石鎚山(いしづちさん)をはじめとする四国南西部の山並みから、晴れた日には豊後(ぶんご)水道やキラキラ光る太平洋までも眺めることができる。周囲の牧草地には里から登ってきた牛たちが放牧され、のどかに草を食んでいる。
四国すべてが見えるかのような景観が、四国カルスト公園線の魅力。
地芳峠から西は大野ヶ原まで展望のよい四国カルストは続いている。大野ヶ原には展望台のような眺めが楽しめる源氏ヶ駄馬がある。天狗高原には宿泊ができる「星ふるヴィレッジTENGU」があり、姫鶴平には食事ができる「姫鶴荘(めづるそう)」がある。
データ
四国カルスト公園線の正式名称は、愛媛県道・高知県道383号四国カルスト公園縦断線。高知県津野町芳生野乙から愛媛県西予市野村町大野が原まで、約15kmにわたって景観のいいドライブが楽しめるルートだ。例年、12月~3月頃は冬季閉鎖となる。アクセスは、松山市から国道33・440号などを経由して約74km、高知市からは高知道や国道197号を経由して約85km。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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