忌野清志郎との出会いと「歌手・間 寛平」の野望〈間 寛平 / ジャングル・ジム〉
間寛平さんが語る、クルマと音楽と芸人人生
今月選曲を担当するのは、お笑い芸人の間寛平さん。第2回は、1970年代から現代に至るまで活動が続き、複数の有名フェス出演の経験もある「歌手・間寛平」のキャリアについて、そして「ドライブに合う間寛平の楽曲」についてお聞きしました。
音楽好きの著名人たちが、月替わりで自動車やドライブにまつわる音楽との思い出とともに至高のドライブミュージックを4曲紹介します。
2. 間 寛平 / ジャングル・ジム
シンプルなロックンロールはドライブにもバッチリ
僕は39歳のときに二度目の上京をしたんです。当時はまだ「関西芸人は箱根の山は越せない、絶対に失敗する」なんて言われてました。吉本の社長からも「あかん! 東京には行かせん!」って言われましたけど、借金だらけだったから東京で一発当てないとどうにもならんかったんですよ。
東北沢に住むことになって、下北沢の「ペーパームーン」というバーによく飲みに行ってたんです。そこには忌野清志郎さんもよく来てて、紹介してもらったんです。僕が東京でも売れることができて、ユーミン(松任谷由実)のラジオに呼んでもらったりもするなかで、ミュージシャンの知り合いが増えましたね。大阪にいた頃は、飲みに行ってもかかってるのは演歌ばっかりでしたから。聴く音楽の幅がガラッと変わりました。
それからイノマー(ロックバンド、オナニーマシーンのボーカル兼ベース担当。元オリコン編集長)とも知り合って、彼の顔が広いこともあり、またどんどん知り合いを増やしてくれたんです。「曲もらいにいこうよ!」と企画してくれて、『曲頂戴』というアルバムを2000年に出すことになって。ロリータ18号とか、KENZI & THE TRIPS、AGGRESSIVE DOGSといったパンク、ハードコアのバンドに曲を書いてもらって、僕が歌詞を書いて。これがきっかけで2000年のフジロックにも出たんですよ。実はサマーソニックに出たこともあります。
そのあたりから音楽活動も増えていって、06年にはエイベックスからレゲエのアルバム『TALKIN' BLUES』を出したりもしました。
話はちょっと戻りますけど、『曲頂戴』の後にもう一枚CDを作ろうとなって、清志郎さんに「曲を作ってくれませんか?」とお願いしたんです。「寛ちゃんのためなら作ってやるよ」とすぐOKしてくれましたね。それが2001年にリリースした『ジャングル野郎』に入っている「ジャングル・ジム」で、同じCDにはTHE HIGH-LOWSが作ってくれた曲も入ってます。
この『ジャングル野郎』というCDはノリノリのロックなんで、ドライブにも合うと思いますよ。今、僕はクルマを4台持ってて、スカイラインGT-R R34、初代NSX、S220系クラウン、あと嫁が乗ってる初代アクアです。GT-RとNSXは高額になりすぎちゃって盗まれそうで、家には置いておけません(笑)。
音楽活動は今でも続けてます。今年もAGGRESSIVE DOGSと一緒に恵比寿リキッドルームでライブをやりました。マネージャーが歌詞を書いて、「雑草の叫び」という新曲も披露しまして。僕も75歳ですし、同世代のおっさんとおばはんが無料で入れるライブをやって、「死ぬまで生きるぞ!」って盛り上がりたいんですよね。バンドは息子でミュージシャンの慎太郎にやらせて。はやりの音楽は難しいけど、単純なロックが一番いいです。
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- ※オークションサイト、フリマアプリなどでの転売を禁止します。

間 寛平
はざま・かんぺい 1949年7月20日生まれ。高知県出身。本名・間重美(しげみ)。1970年、吉本新喜劇の研究生になり、1974年に座長に就任する。1978年に新喜劇の座員だった光代さんと結婚。89年に東京進出し島田洋七とのコンビ結成などでも話題になる。35歳頃からマラソンを本格的にはじめ、2008年12月から2011年1月にかけてヨットとランだけで地球一周する「アースマラソン」を完遂する。「ア~メマ!」「かい~の」などヒットギャグ多数。吉本興業からの強い要請を受け、吉本新喜劇のGMに就任した。
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