プロディジーを聴く古坂大魔王
聞き手・構成=張江浩司 / 編集=中野藍人 / イラスト=本 秀康

古坂大魔王は「キックの音」が聴きたくてクルマに乗っている〈The Prodigy / Omen〉

古坂大魔王さんが語る、ドライブ中の音楽の楽しみ方
古坂大魔王

今月選曲を担当するのは、お笑い芸人、音楽プロデューサーの古坂大魔王さん。第3回は、昔から大ファンだというイギリスのバンドThe Prodigyの魅力と、音楽における「キック(バスドラムがドン・ドン・ドン・ドンと鳴る音)」を感じるのが気持ちいいという、古坂さんおすすめの「ドライブ中の音楽の楽しみ方」を伺いました。

音楽好きの著名人たちが、月替わりで自動車やドライブにまつわる音楽との思い出とともに至高のドライブミュージックを4曲紹介します。

目次

3. The Prodigy / Omen

古坂大魔王のドライブミュージック論

The Prodigyは僕にとって最上位の神様! これを外すわけにはいかないですね。来日公演はほぼ全部行ってます。今年のサマソニでの来日は予定が合わなくて現地に行けなかったんですが、配信で観ました。自宅のスタジオに大音量で再生できる環境を整えたのも、The Prodigyを聴くためかもしれない(笑)。この曲をかけてドライブしたら最高ですよ。

子供の頃は、音楽は何かの付属品だと思ってたんですよ。映画のサントラとか、プロレスの入場曲とか。そういうインスト曲ばっかり聴いてて。バンドなんてチャラチャラしたやつがやるものだと思っていたし。青森から上京した後も、レコードショップでそういうインストのCDを探してたんですけど、ある日、The Prodigyの『Music for the Jilted Generation』(1994年発表の2ndアルバム)を試聴したんです! ジャンルはよくわからなかったけど、ボリュームの大きさとリズムの激しさに衝撃を受けて。ほとんどドラムしか聞こえないという(笑)。「お笑い以外にやりたいのはこれかも!」と思って、すぐ打ち込みの機材を買いに行きました。

曲を作りながら「これがブレイクビーツっていうジャンルか」みたいに学んでいって、ケミカル・ブラザーズとかアンダーワールドとかいろいろ聴くようになっていきましたね。ロック色の強いダンスミュージックが好きなんですけど、ロックには興味がないんです。でも、テクノだけじゃ物足りない。やっぱりThe Prodigyみたいに混ざってるのがツボなんですよね。

ピコ太郎さんが今「Tottemo Release 80.8」というプロジェクトをやっていて、「PPAP」を2016年8月25日にYouTubeにアップしてから来年で10周年なのを記念して、1年で80.8曲リリースするんですけど、もう自分の好きなことだけやろうと思ってこうしたスタイルのサウンドをどんどん取り入れてます。

ドライブに合う音楽は、基本的にダンスミュージック一択だと思うんです。強いキックが入ってる曲は最高のBGMになりますよね。キックを聴くためにクルマに乗っていると言っても過言ではないくらい(笑)。でもカーステレオの構成としては、あえてウーハーを効かせず、フラットなチューニングにしてるんですけど、それでも響くような太いキックが気持ちいいんです。サビ前からどんどん煽っていってドーンと盛り上がるような、音楽の用語で言うところのいわゆる「ビルドイン→ドロップ」といったEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)で定番の流れがある曲もドライブに最適だと思いますよ。

逆に、安藤裕子さんとか吉澤嘉代子ちゃんのがっつり悲しいバラードもいいですね。夕方に走りながら聴いたりして、ズーンと落ち込むのもいい。めちゃくちゃ盛り上がるか下がるか、両極端なのが好きなのかもしれません。その中間の、落ち着いた大人の音楽みたいなものはほとんど聴かないですね。僕が大人じゃないんで(笑)。

JAF会員限定 古坂大魔王さんの直筆サインをプレゼント

古坂大魔王サイン色紙

古坂大魔王さん直筆の「わたしのドライブミュージック」特製サイン色紙を、抽選で3名様にプレゼントします。

  • 応募締切:2025年11月4日(火)
  • オークションサイト、フリマアプリなどでの転売を禁止します。

古坂大魔王

こさか・だいまおう 1992年お笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」 でデビュー。ピコ太郎プロデューサー。文部科学省・CCC大使、UNEP(国連環境計画)サステナビリティアクションアドバイザー。現在は、バラエティ番組をはじめ、コメンテーターとして情報番組への出演、世界のトップランナーと音楽、エンターテインメント等についてトークセッションを行うなど、幅広い分野で活躍中。

この記事はいかがでしたか?
この記事のキーワード
あなたのSNSでこの記事をシェア!