愛車を運転するハマ・オカモトさんのイメージイラスト
聞き手・構成=白石倖介 / 編集=赤井大祐 / イラスト=本 秀康

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)が選ぶ、走り出しの速度にピッタリと合う一曲〈トーキング・ヘッズ / This Must Be The Place〉

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)のドライブミュージックプレイリストから選ぶ4曲
ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

今月の選曲を担当するのは、ロックバンド・OKAMOTO'Sのベーシストであるハマ・オカモトさん。クルマだけが持つ「空間」としての魅力や、音楽を聴く場所としての魅力を交えながら、1980年代に活躍したバンド、トーキング・ヘッズの楽曲について語ってもらいました。

音楽好きの著名人たちが、月替わりで自動車やドライブにまつわる音楽との思い出とともに至高のドライブミュージックを4曲紹介します。

目次

1. トーキング・ヘッズ / This Must Be The Place

クルマがアルバムを聴くのに適した空間である理由

この曲はデヴィッド・バーンが初めて書いたラブソングだと言われていて、とはいえ相変わらず少し斜に構えた歌詞なんですけど、結婚したことで書けた曲だそう。自分の気持ちのあるべきところへの愛情を歌っていて、歌詞を素直に読むと「家、最高!」っていう詩です(笑)。

クルマに乗ってドライブをすることには、クルマの中にいるのが好きっていう気持ちが少なからず含まれていると思うんだけど、僕もそう。スピードを出して走ることよりも空間としてのクルマが好きなので、クルマにちなんだプレイリストを作るにあたり1曲目に選びました。テーマも重なるところがあるし、曲もゆったりしていて、クルマで走り出すときってこのぐらいのテンポのほうが好みっていうのもある。不思議ですよね、クルマって。到底人間には出せない速度で移動しているのに、なんだか落ち着きをもらえる場所で、この落ち着きは他の乗り物には一切感じないんですよね。

1枚通してアルバムを聴いたり、コンピレーションを聴く空間としてクルマの中はとても適していると思います。運転しているから頻繁に曲を替えたりもしないし、流れていると必然的に聴くことになる。しかも不思議なことにそれは助手席に乗って聴く体験ともまた違うんですよね。自分でハンドルを握って、アクセル踏んだりする一連の行為と聴く体験がかなり連動している。運転しない人が感じる車内での音楽体験とドライバー当事者の体験って、ちょっと感覚が違うと思う。

免許を取ったのは24歳の頃で、バンド5周年のライブを日比谷野音でやって、デビュー以来初めて長期休暇をもらったとき。僕以外のメンバーはもう逃げるように海外へと散り(笑)、僕は当時、ラジオのレギュラーがあったので国外には行けなくて、だけどその番組以外のスケジュールは何もないっていう状態になって。その制約のなかで時間をどう使うかといったらこれはもう、免許しかないだろうということで。合宿ではなく、教習所に通い狂いました。毎日朝から晩まで教習をギチギチに入れて、週末のラジオでは自分がいかに理不尽な指導を受けたのかを語る……というのを繰り返して1か月で取りました。合宿で取ったほうが絶対楽だと思いますが、とはいえ周りの話を聞くと、東京って世界でも有数の運転が難しい街で、合宿免許で取っても東京に帰ってきたら運転が怖くて乗らなくなっちゃう、なんていう話も結構聞いてたんですよね。だから今考えれば都内で取れたのは良かったのかな。

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  • オークションサイト、フリマアプリなどでの転売を禁止します。

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

1991年3月12日、東京生まれ。OKAMOTO’Sのベーシスト。ベーシストとしてさまざまなミュージシャンのサポートも行い、2013年に日本人ベーシストで初めて米国フェンダー社とエンドースメント契約を結ぶ。ラジオやテレビ・雑誌など各方面でレギュラー番組を担当し、あらゆるフィールドで活躍する。2020年5月には自身のムック本『2009-2019“ハマ・オカモト”とはなんだったのか?』を発売。TOKYO FM『THE TRAD』のパーソナリティーを担当中。音楽ナタリーで細野晴臣とnever young beachの安部勇磨との鼎談連載「細野ゼミ」開講中。雑誌GINZA「私的なオノマトペ」連載中。レギュラー番組『ハマスカ放送部』(テレビ朝日)、『沼にハマってきいてみた』(NHK)放送中。

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