ハワイでドライブを楽しむ曽我部恵一のイラスト
聞き手・構成=張江浩司 / 編集=赤井大祐 / イラスト=本 秀康

曽我部恵一が語る「海のドライブ」の魅力と、70年代の海を歌った名曲〈平山みき / 真夏の出来事〉

バンド、サニーデイ・サービスの曽我部恵一が語るクルマと音楽の関係

今月選曲を担当するのは曽我部恵一さん。バンド、サニーデイ・サービスでフロントマンを務める他、ソロプロジェクトでも活躍するミュージシャンです。今回はクルマを運転する「場所」と音楽の関わりについて、筒美京平作曲による70年代の名曲とともに、ミュージシャンならではの視点を交えながら語ります。

音楽好きの著名人たちが、月替わりで自動車やドライブにまつわる音楽との思い出とともに至高のドライブミュージックを4曲紹介します。

目次

2. 平山みき / 真夏の出来事

ハワイのレンタカーで音響の違いに驚愕

これは「恋人の車に乗って真夏の海にドライブに行く」という曲で、まさに夏のロマンチックでドキドキする気持ちになるというか、女の子を誘って海に行きたくなるような感じなんですよね。

海って、大きなテーマだと思うんですよ。ずっと運転して行くと、最後は海にたどり着くので。もうこの先に行けない、突き当たりまで来たという感覚だと思うんです。バカンスの場所でありながら、ロードムービーの最終地点でもある。この世の果てみたいな、空っぽな魅力がありますよね。

特に日本はすぐに海に出られる国ですから。海の表情も場所によって違いますしね。千葉の海はちょっとくすんでて寂しいけど深い、鎌倉とか江ノ島は若くて軽い。どっちもすごく好きです。平山みきさんのこの曲はどこの海なんだろうって考えるのも楽しいですよね。

僕は山を運転するのも好きなんです。山並みを見ながら高速を走っていく感じはたまらないです。日光のくねくねしたいろは坂をひたすら上がっていった先に、ポーンと湖があったりして、そういう景色も最高。

同じ音楽を聴くのでも、海と山だと少し変わりますね。海に行くときは、音楽はBGMになると思うんです。海に行くこと自体がメインだから。山間を走るときは、すごく音楽に集中できます。

レコーディングした曲を車で聴いてチェックするんですけど、周りの景色によって聴こえ方も変わるんですよ。ただ耳で音を拾ってるんじゃなくて、心で聴いてるわけだから。どんなところに自分がいるか、どんな気持ちでいるのかが音楽にとって一番重要なんですよ。だから、いろんな場所を走ってみないとわからない。街で聴くとバッチリだけど、山ではイマイチ、ということもあるので。「この曲は海が見える場所でよく聴こえるならOKだな」とか、いろいろ考えて聴いてます。どこで鳴らしてもいいのが一番ですけどね。

15年くらい前にハワイでレンタカーを運転したとき、カーステの音がめちゃくちゃ良くてびっくりして。普通のフォードの車だったんですけど、アメ車ってすごいなと。アメリカと日本のヒップホップを比べて、なんでこんなに低音の鳴り方が違うんだろうと不思議に思ってたんですけど、ハード面が違うからなんだなと思いました。カルチャーショックでしたね。それがあったから、自分で車を買うときはジープのレネゲードにしたんです。

JAF会員限定 曽我部恵一さんの直筆サインをプレゼント

曽我部恵一さん直筆の「わたしのドライブミュージック」特製サイン色紙を、抽選で3名様にプレゼントします。

  • 応募締切:2025年2月6日(木)
  • オークションサイト、フリマアプリなどでの転売を禁止します。

曽我部恵一さんがドライブ中に愛聴するアーティストの楽曲を紹介!

1曲目 免許を取ったのは数年前。都心の運転に一気に慣れた曽我部恵一とバンドのクルマ事情〈はちみつぱい / 月夜のドライブ〉


2曲目 1月12日(日)9:00公開予定!


3曲目 1月19日(日)9:00公開予定!


4曲目 1月26日(日)9:00公開予定!

曽我部恵一

そかべ・けいいち 1971年8月26日生まれ。乙女座、AB型。香川県出身。90年代初頭よりサニーデイ・サービスのヴォーカリスト、ギタリストとして活動を始める。1995年に1stアルバム『若者たち』を発表。'70年代の日本のフォーク、ロックを'90年代のスタイルで解釈・再構築したまったく新しいサウンドは、聴く者に強烈な印象をあたえた。2001年のクリスマスに、NY同時多発テロに触発され制作されたシングル「ギター」でソロデビュー。2004年、自主レーベルROSE RECORDSを設立し、インディペンデント、DIYを基軸とした活動を開始する。以後、サニーデイ・サービス、ソロと並行し、プロデュース・楽曲提供・映画音楽・CM音楽・執筆・俳優など、形態にとらわれない表現を続ける。
http://www.sokabekeiichi.com

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