4代目「サニー」のクーペのイメージ
若者をターゲットにしたクーペも先代から継続。ファッション性を狙ったリアのオペラウインドウが特徴だった(写真は上級グレードの1400SGX)
文=津島 孝

厳しい53年度規制を克服! なぜ“最後のFRサニー”は今も高く評価されるのか?

安全性、燃費、快適性を高次元で達成。多くのユーザーに支持された4代目サニー

乗用車全車で厳しい昭和53年度排ガス規制に適合した大衆車として注目された4代目サニーは、直線基調の原点回帰デザイン、安全性を高めた視界設計、4リンク式リアサスペンションなど、時代の要請に応えた“成熟したサニー”だった。

【1977年10月25日】
原点回帰でヒットした4代目「サニー」発表!

4代目サニークーペ1400SGXの運転席まわり

クーペ1400SGXのインパネは、6連式メーターと透過照明方式を採用した上級仕様。3本スポークのスポーティーなステアリング、センターコンソールの充実した操作系が“成熟したサニー”らしさを示す

4代目サニー(B310型)は、日産が「新しい時代の要請にマッチしたファミリーカーの本命車」と位置づけて開発したモデルである。

注目するべきポイントは、乗用車全車が当時世界でも最も厳しい水準とされた昭和53年度排出ガス規制に適合したことで、環境対策が本格化した時代において大きな意味を持った。

排ガス対策の中心となったのは、燃焼速度を高めた新燃焼室と大量EGR(排出ガス再循環)を組み合わせたNAPSシステムである。急速燃焼によって大量EGRでも安定した燃焼を維持し、NOx(窒素酸化物)低減と燃費向上を両立。結果として、A12A型・A14型という従来型のOHVエンジンを継続しながら厳しい規制をクリアした点は、当時の大衆車として大きな技術的成果だった。

スタイルは先代の曲線基調から一転し、直線基調の“原点回帰”へ。当時の広報資料では「シャープな線とシンプルな面の構成による格調の高さと落ち着き」と表現されており、普遍性と品格を重視したデザイン思想がうかがえる。

視界向上のためにガラス面積を拡大し、低いウエストラインや改良されたピラーを採用するなど、安全性と扱いやすさを高めた点も特徴である。

シャシーでは、セダン/クーペのリアサスペンションを従来のリーフ式から4リンク+コイルリジッド式へ刷新し、乗り心地と操縦安定性を大きく向上。装備面でも集中警報装置、透過照明式メーター、デジタル時計、エコノモニターなど、当時の大衆車としては先進的な機能を多数採用していた。

B310型サニーは、環境性能・安全性・燃費・装備のすべてを時代の要請に合わせて進化させた“成熟したサニー”であり、初代から続いたFRレイアウトの集大成となったモデルである。最後のFRサニーとして、その完成度は今なお高く評価されている。

【KHB310XFLA型 日産サニー クーペ1400SGX(5MT)】
●全長×全幅×全高:3995×1595×1340mm ●ホイールベース:2340mm ●車両重量: 865 kg ●搭載エンジン:A14型(1397cc 水冷直列4気筒OHV)

4代目サニー4ドアセダン1400SGL

ボディタイプはセダン(2ドア/4ドア)、クーペ、バンがあり、排気量は1.2Lと1.4Lが設定された(写真は4ドアセダンの1400SGL)

4ドアセダン1400SGLの運転席まわり

木目調パネルと大径ステアリング、落ち着いたブラウン系の内装が上級グレードらしい質感を演出している(写真は4ドアセダンの1400SGL)

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