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ノスタルジック2daysで出会った胸キュン車たち企画のキービジュアル
2月21、22日の2日間にわたり、多くの来場者が訪れたノスタルジック2days。昭和世代の国産車を中心に、懐かしのクルマたちが集結。当時モノのミニカーやプラモデル、カタログなどを揃えた物販コーナーも終日大賑わい!
文・写真=高橋陽介

眺めているだけでほっこり気分♡ 忘れられない、昔、近所で見かけた国産大衆車たち

ノスタルジック2daysで出会った胸キュン車

国産車メインの旧車イベントとして国内最大級のスケールを誇る「ノスタルジック2days」が、今年もパシフィコ横浜で開催されました。会場で人気を集めていたのはトヨタ2000GTやスカイラインGT-R、117クーペなどの花形モデルですが、ここではあえて昭和から平成初期の時代に街角や隣近所でごく普通に見かけることができた、大衆車クラスの面々にスポットを当ててみました。

目次

カーマニアではなくても没入できる世界観
旧車は遠い昔の思い出を蘇らせてくれるタイムマシンのような存在

ホンダ・シティの写真

トールボーイと名付けられた背の高いキャビンや、荷室部分に搭載可能な50ccバイク「モトコンポ」を同時発売させるなど、ユニークなアイディアでヒットを飛ばしたホンダ・シティ。こちらもひと昔前には街角のあちこちで見かけられた一台

2026年2月21、22日の2日間にわたり、みなとみらいのパシフィコ横浜において行われたノスタルジック2days。今年で開催17回目と、旧車ファンにはすっかりおなじみとなっているイベントで、今回も開場前から入場口周辺には長蛇の列が。

特に近年は旧車を題材としたTV番組や漫画などの影響もあり、その人気は中高年層のみならず幅広い世代へと広がりを見せているようです。数々の展示車両がひしめく会場内で、主役級の存在感を放っていたのはやはりトヨタ2000GTやスカイラインGT-R(通称ハコスカR)などの希少スポーツモデルですが、一方では高性能とは無縁のファミリーセダンや軽自動車にじっと見入る来場者の姿も。

そこで今回はマニアックな名車的なキャラクターとは一線を画しながらも、心の中に幼少期の思い出や、当時の街角の風景を思い起こさせてくれるような、ちょっと“胸キュン”なクルマたちをセレクトしてみました。

胴長のアンバランス感がチャームポイント
スバル・レオーネ1400GSR

スバルレオーネのフロント全景

「ガンガン走りまっせー!」という鼻息の荒さが伝わって来るような押しの強いフロントマスク。後のマイナーチェンジでは、国産乗用車クラス初となる4WDグレードも追加された。素晴らしいレストア作業は群馬県のオートサークルによるもの

スバル初の小型乗用車、ff-1の後継モデルとして1971年に登場したレオーネ。ff-1の特色とされていたデュアルラジエターやインボードタイプのフロントブレーキなどの機構はなくなり、スタンダードなメカニズムへと刷新。FFの駆動方式には不相応に長いノーズが与えられたスタイルも市場では賛否が分かれた。とはいえ、それは遠い昔の話。現代の目線から改めて見直すと、この微妙なアンバランス感が独特の味わい深さを醸し出している。

スバルレオーネのリアカット

展示車両のGSRはRXに次ぐ2番目のグレード。子供向けの特撮TV番組「緊急指令10-4・10-10(テンフォー・テンテン)」では主人公たちが所属する特捜チームの車両としても活躍した

水中メガネの愛称を持つ、スタイリッシュな軽自動車
ホンダ・Z

ホンダZのフロント全景

当初はホンダNIIIと共通の空冷2気筒エンジンを搭載していたZだが、1971年12月のマイナーチェンジでライフ用の水冷エンジンに変更。ホイールベースも80mm延長された

同時期に販売されていたライフがファミリー向けの4ドアや実用的なワゴンボディを備えていたのに対し、スポーティーな2ドアパーソナルカーとしての性格が与えられたZ。後期型は実用性を重視した31PSのエンジンのゴールデンシリーズと、ツインキャブの36PSのエンジンを持つダイナミックシリーズというラインアップで、最終モデルではドアのサッシとセンターピラーを取り除いたハードトップボディとなった。展示車両は元々サビだらけでスクラップ寸前という状態だったが、横浜テクノオート専門学校の学生たちの手により見事なコンディションに復元されている。

ホンダZのリア写真

分厚いモールで縁取られた開閉式リアウインドーの形状から、付いた愛称が“水中メガネ”(メーカーでの呼称はエアロビジョン)。ちなみにブラックのモールはダイナミックシリーズ用で、ゴールデンシリーズはボディと同色仕上げとなっていた

一見、地味キャラながら、エンジンは“走りのツインカム”を搭載
トヨタ・カリーナ

カリーナのフロント全景

車格面ではカローラとコロナとの中間に位置付けられていたカリーナ。初期モデルのマイナーチェンジ後は「足のいいヤツ」の広告コピーで、スポーツセダンとしての活発な性格をアピールしていた

流麗なフォルムを持つスペシャルティクーペ、セリカとシャシーを共用しながらも、見た目はまったく別物に仕立てられていたカリーナ。115PSを発生する1.6リッター2T-Gツインカムエンジンを搭載するGTは標準モデルから1年遅れで登場。それまでのトップグレードだったSTは2ドア/4ドアが選択できたが、GTは2ドアのみの設定。2000年代前後には軽自動車からファミリーワゴンまで、広く普及することとなったツインカム(DOHC)エンジンだが、1970年代初頭はごく限られたスポーツモデルだけに与えられていた(特に当時1.6リッタークラスではトヨタといすゞの2社のみ)憧れのパワーユニットだった。

カリーナのリア全景

オーソドックスなフロントマスクに対し、初代カリーナの大きな特徴とされていたのが縦長のテールランプ。この車両は30年近く不動状態だったものを、山形トヨタの旧車部門「CRG」によって整備、復元されたもの

ターセル、コルサに続く三男坊。“タコII三兄弟”と呼ばれた時代も
トヨタ・カローラII

カローラIIのフロント全景

陸(おか)サーファー(ルーフキャリアにサーフボードを積んだ、カッコだけのサーファールック)なる流行を生み出すほどの人気を博したマツダ・ファミリアの2年後に発売されたカローラII

トヨタ初のFF車として1978年に発売されたターセル/コルサ(両車は兄弟車)のフルモデルチェンジ時に、同じコンポーネンツを持つ第3のモデルとして登場したカローラII。スタイルは当時の若者世代を中心に、FF2BOX市場においてヒット街道を爆進していた5代目BD型マツダ・ファミリアを大いに意識したもの。ターセル/コルサには独立したトランクを備えた3BOXの4ドアセダンも用意されていたが、カローラIIは3ドア/5ドアハッチバックのみの展開で、SRグレードにはセリカXX譲りの多彩な調整機構を備えた8ウェイスポーツシートも採用された。

カローラIIのリア全景

オシャレなツートーンカラーはメーカー純正色。発売当初のイメージキャラクターは、プロテニスプレーヤーのジョン・マッケンローだった。展示車両は走行50万km超えの個体をベースに、現代の交通事情下でも問題なく使えるように出品者のTMワークスによる徹底した整備が行われている

ガチ路線のスポーツカーにはない爽やかさ
トヨタ・サイノスコンバーチブル

サイノスのフロント全景

展示車はスーパーブライトイエローと名付けられた専用ボディカラーで彩られた特別限定車「イエローバージョン」。こちらの車両は普段、愛知県のトヨタ博物館に所蔵されている

「友だち以上、恋人未満。」、「二人のアーバンシルエット」と、いかにもバブル絶頂期らしいスカした(現代の感覚では気恥ずかしくも思えるが)広告コピーで好評を博したコンパクトクーペ、サイノスの2代目モデルに設定されたコンバーチブル。オープンボディへの架装はセリカコンバーチブル(1987年)の製作で実績を持つ、アメリカのASC社が担当。ベースとなったクーペ型では4名乗車のキャビンだが、コンバーチブルではトップの格納スペースを確保するため、リアシートは荷物置き程度のサイズへと縮小された。価格はクーペに対し50〜60万円アップ、月販目標は150台となっていた(イエローバーションは150台限定)。

サイノスのリア全景

トップの開閉は手動式で、リアウインドーには熱線入りのガラスを採用。90年代にはサイノスの他、日産・NXクーペ、いすゞ・ジェミニクーペ、ユーノス・プレッソ(オートザム・AZ-3)など、動力性能重視のスポーツクーペとは性格が異なる、ファッション志向のクーペモデルが複数存在した

番外編

半世紀以上にわたり受け継がれて来た歴史の重みに胸キュン!
今なお現役のご長寿モデルのご先祖様たち

風格タップリのフロントマスク
プリンス・スカイライン

スカイラインのフロント全景

初めてスカイラインの名を冠したクルマが生まれたのは1957年のこと。こちらは1961年の改良でヘッドライトが2灯から4灯へとマイナーチェンジされた後期型モデル

現行型スカイラインのフロント全景

こちらは13代目となる現行のV37型スカイライン。エンジンはV6ツインターボのVR30DDTTを搭載。トップモデルの400Rはターボの過給圧設定が高められ、405PSを発生。2014年の発売開始から12年目を迎えている

初めてスカイラインの名を冠したクルマが生まれたのは1957年のこと。こちらは1961年の改良でヘッドライトが2灯から4灯へとマイナーチェンジされた後期型モデル

こちらは13代目となる現行のV37型スカイライン。エンジンはV6ツインターボのVR30DDTTを搭載。トップモデルの400Rはターボの過給圧設定が高められ、405PSを発生。2014年の発売開始から12年目を迎えている

航空機メーカー立川飛行機に端を発し、日産リーフの祖先である「たま電気自動車」を作った東京電気自動車会社を経たのちに誕生したプリンス自動車。その主力モデルとして登場したのがスカイライン。車体は4ドアのみで、後期型モデルは91PSを発生する1900cc4気筒OHVエンジンを搭載。展示車両はモータースポーツシーンでもおなじみのパーツメーカー、エンドレスの旧車部門によるレストア作業が行われたもの。

史上初の純粋な国産乗用車
トヨペット・クラウン

クラウンのフロント全景

こちらの車両もエンドレスによるレストアが行われたもので、サスペンションやブレーキは同社製品に変更されている他、ホワイト/シルバーのカラーリングは現行クラウンの発売70周年記念モデル用がモチーフとなっている

現行クラウンのフロント全景

数えて16代目、2022年に登場した現行クラウン。車高を高めた「クロスオーバー」を先行して発売させる大胆なアプローチで「オーソドックスなセダンスタイルこそが、クラウンのあるべき姿だ!」とする熱烈なファンたちを大いにザワつかせたが、そこから1年と2か月遅れでのクラウンセダン(写真)の導入を受け、“騒動”は沈静化された

こちらの車両もエンドレスによるレストアが行われたもので、サスペンションやブレーキは同社製品に変更されている他、ホワイト/シルバーのカラーリングは現行クラウンの発売70周年記念モデル用がモチーフとなっている

数えて16代目、2022年に登場した現行クラウン。車高を高めた「クロスオーバー」を先行して発売させる大胆なアプローチで「オーソドックスなセダンスタイルこそが、クラウンのあるべき姿だ!」とする熱烈なファンたちを大いにザワつかせたが、そこから1年と2か月遅れでのクラウンセダン(写真)の導入を受け、“騒動”は沈静化された

戦後、技術的なノウハウの乏しさから海外メーカー車を規範としたノックダウン車が多く見受けられたなか、エンジンや車体周りなど国内向けの専用設計が行われた初めての純粋な国産車として1955年に発売されたトヨペット・クラウン。とはいえ、当時の個人オーナーはごく限られた富裕層で、主に社用車やタクシー用として普及が図られた。

ファミリーカーの定番として大ヒット
トヨタ・カローラ

カローラのフロント全景

1966年に2ドアセダンのみで発売されたカローラ。翌年5月には4ドアセダンに加え、2速のオートマチックモデルも追加された。車両は愛知県長久手市のトヨタ博物館に所蔵されていたもので、今回のショーのイメージ車として会場入り口に展示されていた

カローラコンセプトの全景

現行型カローラの登場は2019年と、時期的にそろそろモデルチェンジの噂が聞こえてきてもおかしくない状況。そんななか、昨年10月のジャパンモビリティショーでお披露目され話題となったのがカローラコンセプト。車名の通り、まだまだコンセプトカー的な印象が強いようにも思えるが、果たしてどこまでが市販モデルに反映されるのか? 今後の動向が注目される

1966年に2ドアセダンのみで発売されたカローラ。翌年5月には4ドアセダンに加え、2速のオートマチックモデルも追加された。車両は愛知県長久手市のトヨタ博物館に所蔵されていたもので、今回のショーのイメージ車として会場入り口に展示されていた

現行型カローラの登場は2019年と、時期的にそろそろモデルチェンジの噂が聞こえてきてもおかしくない状況。そんななか、昨年10月のジャパンモビリティショーでお披露目され話題となったのがカローラコンセプト。車名の通り、まだまだコンセプトカー的な印象が強いようにも思えるが、果たしてどこまでが市販モデルに反映されるのか? 今後の動向が注目される

1966年4月にひと足先にデビューしたダットサン・サニー1000をターゲットに、同年11月、60PSの1100ccエンジンを搭載し「プラス100ccの余裕」をキーワードに登場したカローラ。スタンダードモデルの車両価格は41万円のサニーに対し43万2000円と若干高めながら(いずれも東京店頭渡し価格)、4速フロアシフト(サニーは3速)のトランスミッションや2スピードワイパー、ひとまわり広めな車内空間など、価格差以上のお買い得感で大ヒットを飛ばした。

ノスタルジック2daysにおける胸キュン車特集、いかがでしたか? いずれも現役時代には際立った存在とは言えなかったものの、こうして見返してみると、どのクルマにも独自の個性がしっかり秘められていたことが再認識できたのではないでしょうか。一方、外観や性能面、安全性など、国際的な競争力を備えるほどの進化を遂げた近年の国産各車ですが、果たしてこの中から将来どれだけ“胸キュン”なクルマが出て来るのか? その答えはまだまだ先、次の世代の皆さんに委ねたいと思います。

高橋陽介

たかはし・ようすけ 幼少期からのクルマ好きが高じ、九州ローカルの自動車雑誌出版社の編集を経てフリーランスに。雑誌やウェブを中心に、4輪・2輪関連の記事を執筆中。クルマにまつわる映画にも目がない。自身の愛車遍歴はもっぱらマニュアルのスポーツカーだが、後輪駆動とアナログメーターが必須条件のため、購入候補車が年々減っていくのが悩みとなっている様子。

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