法改正でペダル踏み間違い時加速抑制装置の基準強化のほか、クルマ購入時の書類作成方法も変更!
【第1回】知っておきたい2026年の法改正「ペダル踏み間違い時加速装置の基準強化」と「行政書士法の一部改正」クルマの運転をする際に、知っておきたいのが「道路交通法」。1960年に施行された道路交通法は、道路における危険を防止し交通の安全と円滑を図るため、歩行者や車両の通行法などを定めた法律だ。
2026年はこの道路交通法をはじめ、クルマに関する法律が数多く改正される予定(一部はすでに施行されている)。ここでは、2026年1月に改正された「ペダル踏み間違い時加速抑制装置の基準強化」と「行政書士法改正」について、詳しく紹介しよう。
【1月11日施行】ペダル踏み間違い時加速抑制装置の基準強化
貨物自動車にもペダル踏み間違い時加速抑制装置を義務化
ペダル踏み間違い時加速抑制装置は、当初検知対象が車両と壁だけだったが、現在では歩行者も加わり安全性の向上が図られている。新型車(貨物自動車)には2030年9月以降に標準装備を義務付け、継続生産車には2032年9月以降にこの機能の装備を義務付けることになる
国土交通省は2026年1月9日、高齢者などによるペダルの踏み間違い事故を防止するため、ペダル踏み間違い時加速抑制装置の基準を強化する道路運送車両の保安基準等を改正した。この改正により、「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」の性能要件の強化及び対象車種が拡大されている。変更点は大きく3つで、「義務付け対象車種の拡大」、「検知対象の障害物の追加」、「急加速を抑制するための要件追加」となっている。
●「義務付け対象車種の拡大」
改正前は、義務付け対象となる車種は乗用車(乗車定員10人未満のAT車)のみだったが、貨物自動車(車両総重量3.5t以下のAT車)が追加された。
●「検知対象の障害物の追加」
これまでは車両と壁だったが、改正後は歩行者が追加されている。
●「急加速を抑制するための要件追加」
従来は停止状態からの急加速抑制だけだったが、改正後は停止状態に加えて、「クリープ走行状態」からの急加速抑制も追加されている。
改正の適用時期は新型車が2030年9月、継続生産車では2032年9月。それ以降はこの変更を追加した機能を標準装備することになるため、ペダル踏み間違いによる事故の減少が期待されている。
【1月1日施行】行政書士法の一部改正
車庫証明書などは購入者本人もしくは行政書士が作成しないと罰則に!?
警察署に提出する車庫証明などの作成は申請する本人もしくは行政書士が行わなければならない
2026年1月1日には、改正行政書士法が施行された。その改正ポイントは以下の5点となる。
●「行政書士の使命」の明記
●「職責」の新設とデジタル社会への対応
●特定行政書士の業務範囲の拡大
●業務の制限規定の趣旨の明確化
●両罰規定の整備・強化
注目は、行政書士または行政書士法人でない者による業務の制限規定に、「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が加えられたこと。さらに、行政書士または行政書士法人ではない者による法第19条第1項の業務の制限違反に対する罰則が加えられ、違反行為者が罰せられることはもとより、その者が所属する法人に対しても100万円以下の罰金刑が科せられることとなった。
クルマの購入者本人が車庫証明の申請書や自動車の登録申請書を作成し、それを用いて申請することは問題ないが、資格を持たない自動車販売店などのスタッフが申請書類作成をする行為は違法になる。改正後、販売店はユーザーに販売したクルマの登録を適法に行うためには、行政書士に書類作成を外注して報酬を支払わなければならないため、購入者が自動車販売店に依頼する一般的なケースでは負担が増えることになる。
また、販売店は仕事の対価(報酬)としてユーザーから金銭を受け取っていることから、納車費用や書類作成費用の名目で金銭を受け取らずに申請書類を作成したとしても違法行為となり得るので要注意。
ユーザーはクルマを購入する場合、見積書の中に書類作成費として行政書士への報酬が項目に入っているかどうかをしっかりと確認する必要がある。もちろん自分で行う場合は発生しないので覚えておこう。
後藤 寛(弁護士)
ごとう・ひろし 1971年福岡市生まれ。早稲田大学法学部卒。自動車雑誌編集者を経て弁護士に(鹿児島県弁護士会所属)。民事・刑事から企業の顧問業務まで幅広く活動している。JAF会員歴は今年で35年目。現在の愛車はポルシェ・ボクスターとトヨタC-HR。
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