年末年始の帰省ドライブ前に、車内を整理整頓しませんか?
整理収納コンサルタント・本多さおりの車内スッキリ術クルマの中に爽やかな風、吹いてますか? ライター矢島の愛車はこもったような、よどんだ空気が流れがちで、子どもたちから大不評。帰省では普段2時間、年末年始に渋滞すれば6時間かかることもあり、ドライブ中の車内の居心地改善は長年の課題でした。今回は、整理収納コンサルタントとして数々の書籍、講座、コンサルティングを手掛ける本多さおりさんに、そんな車内をよみがえらせてもらいます!
車の中は、家と同じように快適にしよう! まずは「ものの把握」から
わが家は夫婦と子ども3人の5人家族で、愛車は12年前に購入したコンパクトミニバンです。小回りが利いてとても運転しやすいのですが、3列目のシートまで使うと荷物スペースがほとんどなく、座席の間もウォークスルー仕様のため車内の収納も少なめな印象。
このように物理的な制約があるなか、どうすれば快適な車内空間がつくれるのかを本多さんにお聞きしました。
整理収納コンサルタントの本多さおりさん
本多:「家族がそこで長時間過ごすという点で、クルマの中は家の中と同じように快適にしておきたい場所ですね。ごちゃごちゃしているよりはスッキリしていたほうが気持ちがいいし、必要なものがちゃんと備えてあって、なおかつ必要なときにサッと取れるのが理想です。まず、今収納されている“ものの把握”から始めましょう。限られたスペースに不要なものが入っていたらスッキリはかないません。収納の中身をすべて出してみてください」
【BEFOREの惨状】
ぎゅうぎゅうのグローブボックス
ものが適当に放り込まれた足元のポケット
前座席ドアポケットは2つ、上はゴミとガムが同居中……
すべての収納からものを出してみました。思ったより入ってた
本多:「そもそも車内にいらないものは処分するとして、運転席の前にはなくていいものもありますね。ドライバーが停車中などにサッと取れる場所は、収納の特等席です。そこには“すぐに使いたいもの”だけを入れるようにしましょう」
本多さんに指摘された、「車の中にさえあればよい」もの2点。ブースターケーブルと車検書類。特に書類関係はグローブボックスに置きがちですが、これらは収納の特等席になくてもよい。目から鱗です!
「これは取りやすいところに」と選ばれたものたち。しかしウェットティッシュの中身、乾いちゃってるんだよな……。ポケットティッシュ5個もどうなんだろうと自問。
快適を左右するのは清潔さ! なによりも車内をきちんと掃除しよう
車内の収納からものを出したところで本多さん、12年乗っているわが家の愛車で1度しか洗われたことのない床マットを取り外し始めました。
「あのう、そこまでしなくていいですよ……」と言いかけたところ、
本多:「快適の絶対条件は“清潔”であることです。本当は今すぐガソリンスタンドに走ってマットクリーナーに突っ込みたいくらい(にっこり)」
「はいっ、わかりました!」と即座にマットをはたきました。どれだけ叩いても永遠にホコリが出続けて驚愕。次の洗車では絶対にマットも洗います! 確かに、家だと思えば毎日床を掃除しますもんね……。
マットの下までハンディ掃除機で吸ってくれる本多さん
空にした収納もきれいに拭き上げます。さっぱり!
汚れやごみ問題もこれでスッキリ! 本多さおりさんおすすめの車内便利グッズ
本多:「大きなスペースが取れない車内の収納に、おすすめのグッズがあります」
左上:卓上用ティッシュ、左下:アルコールスプレーとマイクロファイバー布、中:衣類クリーナー、フタ付きウェットティッシュ
本多:「無印良品の『卓上用ティシューペーパー』は、小ぶりで収納しやすい。カインズの『フタ付きウェットティシュー』も小ぶりなうえにフタがしっかりしているので、中身が乾燥しにくくて助かります。どれも、シンプルで情報量の少ないデザインであることも、車内のビジュアル的なごちゃごちゃ感を減らしてくれます。
無印良品の『衣類クリーナー』は、服に限らず、シートのホコリや食べかすなどを取るために。スポッと挿すだけのケースなのが便利です。取り出しやすくしまいやすい掃除道具は、使う機会を自然と増やしてくれます。マイクロファイバーとアルコールは、窓の汚れが気になったときにサッと拭けるのであると便利」
どれも小ぶりで場所も取らず、車内の清潔を保つのによさそうです!
本多:「気になったのが、車内にごみ箱がないこと。これだと、そのあたりの収納にお菓子やジュースのごみを置きっぱなしにしてしまいませんか?」
(してしまいますとも!)
「そんなときは、家で余っているようなマチのあるトートバッグがごみ箱になります」
何かの景品に付いてくるようなメッシュのトートバッグ。間口が広いのでごみを放り込みやすい
もし子どもが車酔いをしてもこれでパッと対応できる。バッグの底に替えのビニール袋を入れておけば、袋の取り換えもラク
とくに車の中のものの定位置は、「取りやすく」が大切
本多:「すべてのものが上から見渡せて、パッと取れることが大切。サングラスはケースに立てることで、ものに埋もれる心配もなく定位置管理できます」
【ドアポケットのAFTERは…】
左から、ドアポケット用ごみ箱、アクリルケースにサングラス、予備用マスク、衣類クリーナー、ウェットティッシュ、日焼け防止腕カバーがきれいに収まりました!
【ダッシュボード下ポケットのAFTERは…】
ダッシュボード下のポケットには卓上用ティシューと、ルームスプレー。これまでポケットティッシュを何個も入れていたため雑然と見えていたのが、スッキリです。
【グローブボックスのAFTERは…】
グローブボックスには左から撥水剤、マイクロファイバー布とアルコールスプレー、その奥に霜取りヘラ、CDケースと、停車中の運転席からも取り出したいものが収まりました。
後ろのラゲッジスペースは…
【BEFORE】
クッションやボール、レジャーシート、ひざ掛けなどが床に転がっています。年に1度使うか使わないかの木炭もずっとここに。
【AFTER】
ラゲッジスペースのAFTER
本多さんが大きめのかご(無印良品の『梱包用バンド手編みバスケット 大』)にまとめてくれました。前座席に置いておく必要はないと判断されたケーブルと車検証もバスケットの中に。木炭は当然ながら家に持ち帰り、玄関収納に入れました。木炭に限らず、車内に不要な荷物を置きっぱなしにしないことは燃費削減にも役立ちます。
そして天井部には荷物置き用のネット(スリーコインズ)を張って、冬のかさばる脱いだ上着の定位置に。ネットはフックで簡単に着脱できます。
本多さんのおかげで車内全体がスッキリと整い、ホコリも払われて快適に! 必要なものがさっと取れて、汚れを見つけたらすぐに拭える準備もばっちりです。
スッキリ片付いていて、荷物も積みやすいね!
快適な車内でくつろぎながら、帰省ドライブにしゅっぱーつ! おばあちゃんたちが待ってるよ!
本多さおり
ほんだ・さおり 生活重視ラク優先の整理収納コンサルタント。オンライン収納相談室、暮らし快適片付け部主催。主な著書に『片付けたくなる部屋づくり』(ワニブックス)、『暮らしは今日も実験です』(大和書房)、近著は『無印良品と365日』(同)。Voicy「暮らしの茶飲みラジオ」やYoutube「暮らしをラクにする」などの発信活動も盛ん。ドライブが大好きで、車内の居心地のよさ追求にも余念がない。
▶︎YouTube/暮らしがラクになる(毎金18時)
▶︎instagram/本多さおり《生活重視ラク優先》整理収納コンサルタント