これって違反なの!? 道路交通法クイズ

左折時に、右側にふくらんでから曲がったら、違反?

あなたの行動、ひょっとしたら違反かも

2024.01.24

監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき

2024.01.24

監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき

この記事のキーワード
この記事をシェア
1年点検を受けると、だれにでもチャンス

今回は、左折時にいったん右にハンドルを切ってから曲がる運転が違反にあたるかどうかのクイズをお届け。運転歴が長くなると、違反かどうかを気にしないまま運転してしまいがち。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。

市街地の道路を走っていて、交差点で左折します。ウインカーをつけて車を左に寄せましたが、今度は後輪が縁石に接触するのではないかと気になりました。そこで、交差点の手前でいったんハンドルを右に切って進路を変え、右にふくらむようにして徐行のまま左折しました。
この運転行為は、以下の選択肢のうち、どれに該当するでしょうか?

答え:2. できるだけ道路の左側端に沿うことなく左折したので違反

交差点での左折方法について、道路交通法第34条1項は「あらかじめできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿って(略)徐行しなければならない」と定めています。これは、後続車や歩行者に対してその自動車が左折しようとしていることをわからせることにより、巻き込み事故などが発生しないようにするための規定です。

交差点での左折では、内輪差によって左側の後輪を縁石などにこすってしまう可能性があるため、それを恐れてハンドルをいったん右に切ってから左折する、いわゆる「あおりハンドル」をするドライバーも見られますが、右にふくらんでの左折は道路交通法の定める左折方法に従っていないことになります。

従って正解は、2の「できるだけ道路の左側端に沿うことなく左折したので違反」です。

いわゆるあおりハンドルは、対向車や自車を追い抜こうとする後続車と接触する危険が高まるなど、周囲の交通に危険を与える運転です。気づかないうちにあおりハンドルが癖になっているというドライバーは、自分の運転を振り返って、ふくらんで曲がらないようにする習慣をつけましょう。

また、内輪差による縁石などへの接触を避けるために、道路の左側端に寄せないまま左折をする人も少なくありませんが、そのような左折では、自転車やバイクが自車の左側に入り込みやすくなり、巻き込み事故の原因にもつながります。

なお、道交法第34条1項にいう「できる限り左側端」とは、道路や交通の状況等に鑑みて支障がない範囲で、路肩部分(路肩がないときはその相当部分0.5m)を除いて可能な限り端に寄ることとされており、縁石に接触するほど寄れということではありません。巻き込み事故防止のためにも、左折時にはあらかじめ道路の左端に車を寄せる習慣をつけておくことが必要です。


道路交通法
(左折又は右折)
第34条 車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。
(以下略)

狭い道での左折方法は、運転レッスンでも紹介中。詳しくは下のリンクをチェック!

PR

「JAFトレ」ことJAF交通安全トレーニングでは、交通安全教育の教材をeラーニング形式で提供します。
従業員の皆様の学習結果を蓄積・管理することで、企業・団体の安全運転管理をお手伝いいたします。

松居英二

まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。

この記事のキーワード
この記事をシェア

この記事はいかがでしたか?

関連する記事Related Articles