これって違反なの!? 道路交通法クイズ

信号待ちのため、消防署前のゼブラゾーンのような区分に入った…。これって違反なの?

あなたの運転、ひょっとしたら違反かも

2023.04.10

監修=松居英二(弁護士) /イラスト=どいまき

2023.04.10

監修=松居英二(弁護士) /イラスト=どいまき

この記事のキーワード
この記事をシェア
世界が認める「ネクセンタイヤ」、その高い技術力は“価格以上”!

運転歴が長くなると、違反行為かどうかを気にせずハンドルを握ることも多くなりがち。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。今回は、消防署や警察署の前の道路にあるゼブラゾーンのような部分に入る際のクイズです。

●信号機のある交差点に近づきました。交差点手前にある消防署の前には「白線で囲まれ、斜線が引かれた区分」があり、前方の信号は赤で信号待ちをしている車が1台います。そのうち信号が青になると考え、そのままその区分に入りました。
この行為は、以下の選択肢の中のどれに該当するでしょうか?

答え:1

車両等は、進路の前方にある横断歩道や踏切、道路標示によって区画された部分で停止することになるおそれがあるときは、その部分に入ることができません(道路交通法第50条2項)。ここでいう「道路標示によって区画された部分」は、規制標示である「停止禁止部分」のことをいいます。

上の消防署の前の道路にある白線で囲まれた斜め線の区画は「停止禁止部分」の規制標示(道路標識、区画線及び道路標示に関する命令第10条別表第6・107)ですから、この部分に入って停止することが予想される場合には、たとえ信号待ちというわずかな時間であっても、進入してはならないのです。
従って1が正解です。

以前にこのクイズで、交差点の右折レーンの手前などにあるゼブラゾーンは「導流帯」なので進入しても道交法違反にはならない、という解説をしました(下記リンク参照)。しかし、消防署や警察署の前に設置された白線で囲まれた斜め線の区画は、ゼブラゾーンに似ていますが、それとは法律上の位置付けが異なるのです。

消防署や警察署の前に停止禁止部分があるのは、緊急車両が出動しようとするときに、停止車両によって行く手を阻まれないようにするためのものです。たとえ緊急車両が道路に進入しようとしているのでなくても、停止禁止部分で止まりそうな場合は、進入してはいけないのです。


道路交通法
第50条(1項略)
2 車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、横断歩道、自転車横断帯、踏切又は道路標示によつて区画された部分に入つた場合においてはその部分で停止することとなるおそれがあるときは、これらの部分に入つてはならない。

松居英二

まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。

この記事のキーワード
この記事をシェア

この記事はいかがでしたか?

関連する記事Related Articles