大ピンチ! 狭いパーキング、一番奥までバックできますか? 長いバック走行のコツを大解説
ふらつかない長い距離のバックについて解説モータージャーナリスト菰田潔さんが提唱する「スムースドライビング」について、動画でお伝えする運転レッスン。今回は、バック走行について解説します。切り返しをする幅がない狭いパーキングで、ようやく見つけた一番奥の駐車スペース。冷や汗をかきつつ、祈る気持ちでギアを「R」に……。そんなシチュエーションで焦らないよう、今回はベテランドライバーでも難しい、長い距離をふらつかずに真っすぐバックするコツについて解説します。講師は菰田潔さん、生徒は土屋怜果さんです。
「ふらつかない長距離バック」のコツを動画で解説
「バック走行って難しい!」
それは後ろになったフロントタイヤが動くため
前進でもバックでも、行きたい方向にハンドルを切ることには変わりません。ですが、後ろを向いて操作するために混乱してしまうという方が多いようです。前進の際にはフロントタイヤが進行方向に向くため運転席と向きのズレが少なく、感覚的に曲がることができます。一方バックの場合は、当然フロントタイヤが後ろに来ます。つまり、バック時はハンドルを切ると後ろのタイヤが曲がることになります。このため、直進時と異なり車の後方の向きが先に変わるので感覚がつかみにくく、後ろを向いたまま少しのハンドル操作で大きく曲がることも難度が高いと感じる理由のひとつです。
ふらつくと感じる場合はしっかりとスピードを落として微調整を。
小さな修正もバックでは大きく影響。
スタート前の準備が肝心
まずはミラー調整を
バック走行が必要となった場合、まずはドライビングポジションを整え、ルームミラーを確認しましょう。適切なドライビングポジションは「久しぶりの運転、できるかなぁ…」。走り出す前の基本を確認しよう!で確認を。ハンドルは基本の「9時3時」の位置を持った状態に。「片手12時ハンドル」のように、ハンドルが動かないように保持するのが難しい状態では、ふらつく原因になります。ルームミラーは、中央にバック走行先の目標物が映るように調整しましょう。
走り出す前の準備が重要!
バックのハンドル操作は
前進時の1/10のイメージで
バック走行をする際は、ルームミラー、ドアミラー、バックモニターで確認するのはもちろん、必ず目視でも車や歩行者がいないか、安全確認を忘れずに。バック走行中はわずかなハンドル操作で大きく車が曲がるので、前進時の1/10のイメージで操舵を。ハンドル操作は、右手は3時の位置、左手は9時の位置を基本として微調整するとふらつきにくくなります。もちろん、速度を抑えることも忘れずに。
バックモニターを有効に利用しましょう。
バックでふらつく原因は
ほとんどが修正のしすぎ
バック走行でフラフラしてしまう人は、私の見る限りほとんどの人が「修正のしすぎ」という印象です。「前進のときよりも大きく曲がる」ことを念頭に置いて、ハンドル操作は腕ではなく指の力で調整するイメージで、前進のときよりも慎重に行いましょう。もし修正が追い付かなくなったらいったん止まって前進し、元の位置に戻って再挑戦を。バック走行で解決しようと無理をしないようにしましょう。
- ※この企画で紹介しているのは、菰田潔さんの運転メソッドです。JAFの見解とは異なる場合があります。
JAFでは、交通安全とエコドライブの普及・啓発のためにさまざまな講習会を行っています。また、ウェブを活用した交通安全トレーニングや調査・実験データなど情報を提供しています。ぜひご覧ください。
菰田 潔
こもだ・きよし モータージャーナリスト、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長、BOSCH認定CDRアナリスト、JAF交通安全・環境委員会委員など。ドライビングインストラクターとしても、理論的でわかりやすい教え方に定評がある。