「20代の頃は、車検を待たずに乗り替えることも」釈由美子が選ぶ今年の一台は?
「今日の撮影に、納車が間に合ってよかったです」と、新車のプリウスPHEVで取材現場に現れた、女優・タレントの釈由美子さん。20代の頃からずっと、仕事の合間を縫っては温泉旅行に山登りにと、ドライブを楽しんできたそうです。「車は運転するのも、見るもの大好きなんです」という釈さんに、愛車遍歴とエコロジカルなカーライフについて伺いました。
――釈さんはいつ、免許を取得されましたか?
20歳のときにAT限定の普通免許を取りました。免許が欲しいなぁと思い始めた理由は、東京郊外にある実家に暮らしていたので、都心から遠かったこと。そして、いつでも一人で、パッと旅に出られるようになりたかったからです。
――フットワークが軽いんですね。
そうですね。昔から外出することが好きで、休日に家でジッとしている日はほとんどありません。独身時代は温泉地に行くのが好きで、スケジュールが空くと「今から行こう!」と、友達を誘っては、よく行きました。
教習所に通い始めたのも、山奥の温泉地に行ったことがきっかけです。その日は仕事終わりで宿に向かい、翌日も都内で仕事だったので、マネージャーさんが送り迎えをしてくれていたんです。宿が山奥だったので、さすがに申し訳ない気持ちになり、東京・目黒の日の丸自動車学校に仕事の合間を縫って通いました。
――スムーズに取れましたか?
はい、試験は一次も二次も一発合格。私、運転に向いているな~と思いました(笑)。でも、縦列駐車はずっと苦手。今もバックモニターのない車を運転するときは、急に不安になります。
――初めて購入した車は?
フィガロを中古で買いました。車体は薄いペールブルーで、幌が白。バブルの頃に発売されたモデルで、確かインターネットで探したと思います。
――初愛車のお気に入りポイントを教えてください。
なんといってもクラシックなデザインですね。アンティークっぽい雰囲気とおもちゃみたいな感じがかわいくて、一目惚れしちゃいました! 名前の通り、パリのシャンゼリゼ通りが似合いそうな、日本車なのに欧州車みたいな雰囲気がお気に入りでした。インテリアもボタンのスイッチやハンドルがいちいちかわいくて女性ウケするんです。
――その車はどのくらい乗られたんですか?
実は……一冬越せませんでした(笑)。手に入れたときには、すでに結構な年数が経っていたので、故障も多く、ちょっと維持するのが大変だったんです。真冬の寒い日になると、エンジンも「ヴーン」とうなるだけでなかなかかからなくて、「がんばれ~!!」って励ましたのもいい思い出です(笑)。初心者には小回りのきくコンパクトカーで乗りやすくて良かったのですが、高速道路で不安を感じたりしたので、1年たたずに手放してしまいました。次に購入した車も1年程度でしたね。
――またもや1年ですか! 思い切りがいいですね。
20代の頃はとにかくいろんな車に乗りたくて、車検を待たずに乗り替えることもありました。仕事で多忙だったこともあり、貯まったお金はほとんど車につぎ込んでいましたね。
――ということは、その後もいろんな車に乗られたんですね。
そうですね。初代レクサスRX(国内)でSUVデビューしたときは、「何て乗りやすいんだ!」と感動しましたが、やっぱりワタシには大きすぎると思い、新車でコンパクトカーのミニに乗り替えました。
ボディカラーがゴールドがかったブラウンで当時は見たことない色だったので、とても気に入っていました。ただ、これも1年ぐらいで乗り替えてしまいましたね。次に購入したのがジュリエッタでした。
――小型車を連続で買われたんですね。
ミニが3ドアだったので、5ドアが良かったのと、少しゆとりのある大きさにしたかったから選びました。ラグジュアリーなエクステリアやスポーティーな乗り心地が気に入っていましたが、ジュリエッタは初代ということもあるのか、ブレーキの感覚がどうしても合わなくて……。父や家族と、山登りやオートキャンプによく行くようになったこともあって、「やっぱりSUVがいいな」と、次はイヴォークを選びました。
――購入の決め手は毎回、異なりますか?
フィガロの頃からずっと、デザイン重視です。車好きですが、機能面は燃費以外、あまり気にならないんです。ただ、昔からガソリン代は気にするタイプで、1円でも安いガソリンスタンドを見つけては給油していました。サービスエリアでガソリンを入れたら負けだと思っていたので(笑)。ドライブに行くときはちゃんとガソリンの量も目的地から逆算し、チェックしていましたね。
――車は頻繁に買い替えるのに、日々のガソリン代は気になるタイプなんですね(笑)。
そうなんです。もったいないと思うなら、頻繁に乗り替えるな! という感じですよね(笑)。
――小型車、SUVとさまざまな車に乗られていますが、それぞれの魅力はどういった点でしょうか。
首都圏は狭い道が多いので、小型車の小回りの良さは助かります。どんなパーキングにも停められる安心感もありますね。息子の送り迎えや普段の買い物などの街乗りにはとっても乗りやすいです。
SUVは車高が高いため目線が高く、広々としたスペースでドライブの楽しさが広がります。長距離運転も疲れません。大好きな山登りやスキーにも四駆のSUVだと安心です。だけど、機械式の立体駐車場には停められないことも多いので、駐車場を探すとき焦ります(笑)。
――釈さんは20代の頃からモーターショーにも通われていたそうですね。
コロナ禍前までは、毎回行っていました。スポーツカー見たさに、連日通い詰めた年もあります。私、スーパーカーのフォルムがすごく好きで、見ているだけでウットリしちゃうんです。ランボルギーニにアストンマーティンに……。テンションが上がっちゃって、コンパニオンさんの写真もたくさん撮っていました。
――乗るだけでなく、車を見ることもとても好きなんですね。
見る、といえば、去年、開業した富士スピードウェイホテルもすっごくよかったですよ。部屋の窓から、隣接する富士スピードウェイのサーキットを一望できますし、車の走る音も聞こえるんです。加えて、併設されているミュージアムには、クラシックカーから、スポーツカーまで一堂に会していて……もう、最高です!
――今も、頻繁に乗り替える方でしょうか?
いえいえ、30代に入って落ち着きました。今は、夫と私で、プリウスPHEVとレクサスNXの2台を使い分けています。わが家は、アウトドアで遊ぶ機会が多いので、やっぱりSUVは1台欲しいですし、普段、主人や私が街乗りをするのには、小型で燃費がいい車があると便利なので。
――今回、プリウスPHEVを選ばれましたが、その理由を教えてください。
まずはハイブリッドカーであることです。これは、持続可能な社会作りや再生可能エネルギーについて、議論される時代になった影響が大きいです。ただ、日本はEVのインフラがまだまだ整っていないため、ガソリンも使えたほうが安心感があります。それで、ハイブリッド車を選びました。
また、オプションでソーラーパネルを付けたことで、太陽光で年間約1,200㎞分の走行距離に相当する電力を生み出せる点も魅力です。わが家は青空駐車。子供の送り迎えやスーパーに行く程度の街乗りでしたら、太陽光だけで走れます。無給電のエコの力で走れるなんて、夢の車だと思いました。
それに、太陽光さえあれば最低限の電気を確保できるので、災害などの非常時も安心ですよね。携帯電話などを外部充電できますから、家族のお守りとしても頼りがいがあります。
――今回が電動車デビューですか?
いえ、以前にオール電気自動車に乗っていたこともありました。当時はまだ、国内の充電スポットが少なかったり、充電に時間がかかったりと不便ではありましたが、初めてのフル電動の車に乗ったときは感動しましたね。
――ではその当時から、環境問題や再生可能エネルギーに興味を持たれていたのでしょうか?
そうですね。元々、SDGsへの取り組みに関心はありました。ただ、気持ちに大きな変化が生じたのは息子の出産後です。子供の未来と環境を守るためには、一人の力ではどうにもなりません。やはり、一人ひとりの意識の持ちようが大切だと気づき、車選びも変えていこう、と考えるようになったんです。
――息子さんの影響も大きいのですね。
息子は今、小学1年生ですが、学校で環境問題やSDGsについて話し合う機会があるようです。ですから「今はガソリンで走る車が多いけれど、このままでは地球がどんどん熱くなっちゃうよね、みんなで気持ちを変えていかないとね」など、親子間で車と環境についての話をする機会が増えました。
プリウスPHEVについても前もって、お日様が出ているときは、車にたくさんエネルギーが入るんだよ、などと息子に伝えています。
――息子さんも車好きですか?
好きですよ! プリウスを購入するにあたり前の車を手放しましたが、彼にとっては生まれたときから乗っていた車。お別れする日は、「イヤだ!」と言って、ペットとの別れのように、泣いてしまって……。また新しい家族(車)ができるから、一緒にたくさんの楽しい思い出を作ろうね、と、ずっとなだめていました。
――切ないですね……。
でも、納品されたばかりの新車でお迎えに行くと、「カッコいい!」と、喜んでくれましたよ。特にPHEV専用のホイールがツボにはまったようです。
――これから、新車で旅したい場所はどこですか?
息子が日本の地図を見ながら都道府県名をチェックするようになったので、47都道府県を制覇したいと思っています。北は北海道から、南は沖縄まで日本全国一周回ってみたいですね。
――ドライブ中の車内ではどのように過ごされていますか。
車の中で聞く音楽は、その時々ではまっているアーティストの音楽をひたすら聴いているタイプです。独身時代は愛犬を連れて一人で横浜にドライブに行くときは、ずっとゆずさんを聞いてました。
子供が生まれてからはゆっくり本を読む時間が取れないので、主にオーディオブックを聞いています。子供が一緒のときは、子供の英会話など教育系のポッドキャストをよく流していますね。
――頻繁に遠出されるようですが、JAFには加入していますか?
わが家は加入していませんが、非常時に頼りになる存在、というイメージがあります。やはり、いざというときのために、加入しておくと安心ですよね。あと、会員になるとあちこちのショップで割引が使えるのがうらやましい!
――よく、ご存じですね。
もちろんです。日帰り温泉施設やアウトドア関係の施設でよく、JAFさんのシールを見かけるので、「あ~入っていればよかった!」と思ったこと、結構あるんですよ。つい先日も伊豆の釣り堀で見かけました。本当は土肥(とい)でとびうおの夜釣りに出かけたのですが台風で中止になって……。仕方なく、息子と近くの釣り堀に立ち寄ったのですが、そこでも割引できることを知って、残念な気持ちになりました(笑)。
――これまで、いろんな車に乗られてきた釈さんですが、カーライフでの一番の思い出を教えてください。
イヴォークに乗っていた頃、休みを見つけては父と北アルプスや中央アルプス、八ヶ岳や富士山など、いつも山登りに行きました。SUVだったのでキャンプ用品などの荷物もたくさん積めるし、アウトドアに最適でした。
そんな父に突如がんが見つかり、「こんなに元気に山歩きできているのになんで!!」と、信じられない気持ちでした。当時、両親のために箱根に別荘を買ってあげてそこで暮らしていたので、病気が判明してからはお休みのたびに箱根まで車を走らせ、父に会いに行き、沼津の病院まで送迎を繰り返していました。末期がんで進行も早かったため、すぐに自力で歩けなくなり、紅葉の景色を見せようと、父を助手席に乗せて美ヶ原高原のビーナスラインを2人でドライブしたことが今でも忘れられません。美しい景色を眺めながら、無口な父がこれまでの山の思い出を穏やかな表情で話してくれました。
今振り返ると当時大きめのSUVに乗っていたからこそ、ゆったりとリラックスして親子の会話を楽しめたのだと思います。イヴォークでのドライブは父と過ごした最後の素晴らしい思い出です。
――車も家族の一員なんだなと思わせてくれる素敵なお話ですね。最後に、釈さんにとって車とはどんな存在ですか?
私にとって車は、ただの乗り物ではありません。日々の生活を充実させてくれるものであり、よりハッピーに暮らしていくための大切な存在。本当に家族の一員も同然です。
独身時代は雲ひとつなくスコーンとよく晴れた日に、愛犬と一緒に横浜の港の見える丘公園まで行き、コーヒーを飲んで帰る時間がすごく好きでした。今は家族と一緒に、湘南や箱根、時にはちょっと遠出して山梨までサッとドライブしたり、山登りやスキー、釣りに行くのが楽しみです。
最近、若い子たちの車離れが進んでいると聞きますが、ぜひ、若い世代の方たちにも、カーライフを楽しんでもらえたらいいなと思います。
釈由美子さんがドライブで聴きたい5曲
- ゆず「夏色」…この曲を歌いながら、横浜のベイブリッジをよくドライブしてました。
- エド・シーラン「Shape Of You」…独身時代から大好きなエド・シーランは、一人ドライブのチルタイムによく聴きます。メロウな歌声が最高です。
- ファレル・ウィリアムス「Happy」…ウキウキしてめっちゃテンション上がります!
- BTS「Permission to Dance」…息子が大好きでよく聴いてます。助手席でノリノリな息子が微笑ましいです。
- エルヴィス・コステロ「She」…夫が結婚式で歌った曲です(笑)。曲調とコステロさんの声が心に響きます。
(クリックすると、音楽配信サービスSpotifyで楽曲の一部を試聴できます。)
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釈由美子
しゃく・ゆみこ 1978年6月12日、東京都出身。1997年に『週刊ヤングマガジン』ミスキャンパスグランプリに選ばれ、芸能界デビュー。映画『修羅雪姫』、『ゴジラ×メカゴジラ』、『KIRI職業・殺し屋』、TVドラマ『スカイハイ』、『7人の女弁護士』など出演作品は累計100作を超える。また、舞台やナレーションなど多方面で活躍。登山愛好家であり、温泉ソムリエや古武道二段の資格を持つ。