インタビュー「ドライブしない?」

【後編】滝藤賢一、広末涼子さんと“激レア”クラシックカーでドライブの思い出

滝藤賢一 インタビュー 後編

2023.03.17

取材・文=鴨居理子/撮影=鈴木大喜/ヘアメイク=那須野詞

2023.03.17

取材・文=鴨居理子/撮影=鈴木大喜/ヘアメイク=那須野詞

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名バイプレーヤーとして多くの映画やドラマに出演し、幅広い活躍で知られる滝藤賢一さん(46)。私生活では3男1女の父でもあり、またファッションへのこだわりが強い「オシャレ俳優」としても注目されています。

免許取得から現在のカーライフについて伺った前編に引き続き、後編では滝藤さんのファッションへの思いや、家族とのドライブなどプライベートの思い出、そして“激レア”なクラシックカーを運転したというドラマ撮影の裏話など、素顔の滝藤さんに迫りました。

滝藤流、服と車の哲学「ガンガン着て、ガンガン乗る」

質問に答える滝藤さん

ーーハイセンスな私服の着こなしで知られている滝藤さんですが、たとえばこれまで何もしてこなかった人がオシャレに一歩踏み出すなら、何から始めたらいいと思いますか?

滝藤賢一(以下、滝藤):どんな服だって、年を重ねたらかっこよく着こなせるようになってきますよ。オシャレをする上で、年を重ねることは全然ネガティブなことではないと思っています。ただ一つ言うとするなら、体を鍛えるといいと思います。見た目もそうですが、やっぱり運動をすると気持ちがいいし、アドレナリンが出て元気になってきますし、自信がつきますから。同じ服でもそのほうがかっこよく着こなせるんじゃないかなと思います。

ーー今回の撮影もすべて私服とのことで驚きです。車は「トヨタ ハイエース」に乗られているとのことですが、服と車の共通点って何かありますか?

滝藤:「ガンガン着て、ガンガン乗るのがいい」ということじゃないでしょうか。大切にしないわけではもちろんないけど、僕は服も車も、汚れないように気にしながら着たり乗ったりするものではないと思っています。

前にイタリアのシチリアに行ったとき、きれいな車が1台も走ってなかったんです。みんな泥だらけで、僕もベンツのデカいので移動していたけど、窓が砂埃だらけで外が見えなかったもん。あまりに汚いから、僕が外から拭いていたら、筋肉マッチョなドライバーが「ごめんごめん、きれいにするね」って。服も車も、そんな感じで神経質になり過ぎず付き合えたらいいですね。

ーーたしかに、日本人は車をきれいにしている人が多いかも……。滝藤さんは洗車はどうしていますか?

滝藤:僕はガソリンスタンドの洗車機でパパッとするだけで、あまり細かいところまではしていません。休日に念入りに洗車をしているお父さんもいるけど、僕はせっかくの休日は、やっぱり車に子供と奥さんを乗っけてどこかに出かけたいです。

ーー家族旅行はどこに行くことが多いですか?

滝藤:静岡が多いです。あとは奥さんも僕も名古屋出身なので、名古屋と東京の往復は一番していると思います。

ーードライブ中のお子さんたちはどんなふうに過ごしているんですか?

滝藤:子供たちは『探偵が早すぎる』(滝藤さんが主演を務める日本テレビ系ドラマ)が好きで、ずっと見てます。車に乗るとすぐ「探偵つけて」って言われて、「はーい」って。

ーーお父さんの主演ドラマをみんなで見ているなんて素敵ですね。これまで車で行った一番遠いところはどこですか?

滝藤:奈良に秋篠寺というお寺があって、そこに伎芸天っていう芸能の神様がいらっしゃって、コロナ禍になる前は毎年のように車で行っていました。

その近くに母方の先祖のお墓もあるので、お墓参りもして。お墓参りは気持ちがスッキリするのでとても大事にしているんです。この前、撮影で京都へ行っていたんですけど、奈良まで1時間ぐらいだったので、3、4年ぶりに足を運びました。

井の頭通りと淡島通りが好き「上京したての頃から通っている」

ーー遠距離ドライブは疲れませんか?

滝藤:僕は短時間でも疲れます。車に乗るということは、事故を起こす可能性があるってことなので緊張します。運転が好きな人は疲れないのかもしれませんが、僕なんかは事故を起こすのもそうだし、現場に遅れちゃうのも困るし……と、いろいろと心配事のほうが多くて、どっと疲れてしまいます。

ーーサービスエリアやパーキングエリアで休憩されたり?

滝藤:そうですね。特に海老名のサービスエリア(EXPASA海老名)が好きです。あそこに行くと必ずPAOPAOの肉まんを買って食べます。

ーー都内のドライブで、好きな道やエリアはありますか?

滝藤:井の頭通りと淡島通りが好きです。今でも自転車はよく乗るんですが、上京したての頃から自転車で走ってきた道だからかな。代々木上原のあたりは特に。井の頭通りは今でも一番買い物をする通りかもしれません。

ーーどんなお店があるんですか?

滝藤:「上原ミート」っていうおいしいお肉屋さんだったり、「ルヴァン」っていうパン屋さんだったり……素敵なお店が多くて、本当にいい通りなんですよね。

ーー逆に、苦手な道はありますか?

滝藤:環八通りはとにかく混むので、「どう避けようかな」とばかり考えるし、目白通りになると、もう道が全然わからなくてドキドキしてしまいます。

クラシックカー「ホンダ S800」で広末涼子さんとドライブ

ストリートに立つ滝藤さん

ーーNHKプレミアムドラマ『グレースの履歴』では、妻を突然の事故で亡くし、その妻が遺(のこ)した愛車のカーナビ履歴に残された場所をたどる旅をする夫・希久夫役を演じています。希久夫とご自身の共通点などは何かありますか?

滝藤:希久夫は受け身で、多くを語らない、ちょっと僕とは違うタイプの人物です。家族構成も、子供がいなくて、奥さんがバリバリ働いている人なので、うちとは逆。それで言うと、あまり共通点はないかもしれません。

ただ、オファーをとても早くいただいたので準備はしっかりできました。原作ももう10回は読んでいます。僕って、他のドラマの印象からすると、すぐ“ちょける(ふざける)”みたいなことをしちゃうタイプの俳優だと思うんです。でも今回は、それを一切やらないという心づもりで臨みました。相手の俳優さんがすることをすべて受けていくスタイルでその場にいようと強く思っていました。

ーー劇中では「ホンダ S800」に乗られていますが、運転してみてどうでしたか?

滝藤:実はクランクインの3か月前と2か月前の2回、静岡へ練習をしに行きました。日本に数台しかないような貴重な車なので絶対に事故は起こせないし、左ハンドルは初めてだし、マニュアルなんて10年以上運転していなかったので。

山道をずっと走っていたので景色もよく、途中からはもっと走らせてほしいと思うくらい楽しめました。でも、いざ撮影で隣に女優さんが乗ると、やっぱり怖いんです。オープンカーで、おもちゃみたいに小さい車なので心許(もと)なくて。それに左ハンドルなので、女優さんは対向車線側の助手席に乗るわけです。僕も慣れていないから、どんどんセンターラインのほうに寄ってしまいそうになるんですよ。特に広末涼子さんとのシーンは運転に慣れてきていた頃だったので逆に恐ろしくて、気を引き締めて臨みました(笑)。

ーー女優さんを隣に乗せ、慣れない車で運転しながら演技をするなんて、想像しただけでも大変そうです。では、滝藤さんが今プライベートでドライブに行くとしたら、誰を誘いたいですか?

滝藤:小6の次男坊かな。彼は体調を崩して修学旅行も行けなかったし、いろんなことを我慢して勉強を頑張っているので。受験が終わったら、まずは修学旅行で行くはずだった日光にいち早く連れていってやりたいです。

<JAF会員から3つの質問>

Q.家族でのドライブでは、ご夫婦のどちらが運転しますか? それとも交代しながら?

A.ずっと僕です。奥さんは免許も持っているしお酒も飲まないけど、運転しないんです。昔は「交代してよ」とか言っていた気がしますが、もう諦めました。もうずっと運転していないので、ちょっと危ないですしね。あと、僕はデカい車ほど安全だと思うんだけど、奥さんは大きいと運転しにくいと感じるみたいです。だから、ハイエースを買うとなった時点で、「私は運転しない」って宣言していました。昔はランドクルーザーに乗りたいとか言ってたんですけどね(笑)。


Q.車に絶対載せているモノはなんですか?

A.ストレッチポールと、マッサージガン。撮影の空き時間とかに筋膜リリースをして背中をほぐしたり、凝ったところをマッサージしたりしています。車中泊仕様のハイエースだから、寝っ転がりながらストレッチができるんです。少し前だったら、乗馬用のブーツ、キックボクシングのミットとかいろいろ積んでいましたが、年末にほとんど整理してしまいました。


Q.乗ってみたい車はありますか?

A.クラシックカーには憧れます。東京の街をクラシックなオープンカーで走ったりしてみたいですけど、目立ってしょうがないですね。「滝藤賢一だ!」「車までこだわってんのかよ」「どこまでかっこつけんだよ」って言われそうなので、車種はかっこつけすぎないギリギリのラインを狙いたいです(笑)。

JAF会員限定 滝藤賢一さん直筆サインプレゼント

サイン色紙を持つ滝藤賢一さん

滝藤賢一さん直筆の「ドライブしない?」特製サイン色紙を、抽選で3名様にプレゼントします。
・プレゼント内容:滝藤賢一さん直筆特製サイン色紙

応募期間は終了しました。

※オークションサイト、フリマアプリなどでの転売を禁止します。

滝藤賢一

たきとう・けんいち 1976年11月2日、愛知県名古屋市出身。1998年、俳優・仲代達矢が主宰する劇団「無名塾」に入塾。2000年、『BULLET BALLET』で映画デビュー。その後、映画『クライマーズ・ハイ』、NHK大河ドラマ『龍馬伝』など話題作に多数出演。2013年には社会現象となったドラマ『半沢直樹』で注目を集める。2023年1月には映画『ひみつのなっちゃん。』で主演。2023年3月19日よりNHKプレミアムドラマ『グレースの履歴』(全8回・毎週日曜夜10時)が放送スタート。『グレースの履歴』番組HP

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