【後編】北乃きい、ドライブデートは助手席で「運転中の姿は見せたくない！」

2005年、13歳のときにティーン誌『Hana*chu→』のモデルとしてデビューし、同年には単発ドラマで女優としてのスタートを切った北乃きいさん（31）。

10代から映画『幸福な食卓』やドラマ『ライフ』での演技が高く評価され、その名が知れ渡った北乃さん。今日に至るまでも、女優業はもちろん、朝の情報番組のMCを務めた経験もあるなど、マルチに活躍しています。

大の車好きである北乃さんに、自身のカーライフや車選びについて語っていただいた前編に引き続き、後編では独特な（？）運転へのこだわりや、最近のお仕事やプライベートのことを伺いました。

前回よりもさらに深～くなっていく車のお話、どうぞお楽しみください。

ーーかなりのカーマニアである北乃さんですが、鉄道好きに乗り鉄・撮り鉄があるように、車の楽しみ方にもポイントがあったりするんですか？

北乃きい（以下、北乃）：私は乗るのも、見るのも好きです。車は必ずカスタマイズしているんですが、周りから言われるんです。「自分が乗ると外から見えないから、つまらないでしょ」って。

でも、私が好きな瞬間が2つあるんです。一つ目は、ディーラーさんが私の車を持って行くとき。「私が乗ってるとき、外からはこうやって見えているんだ。かっこいいわ～、私の車」って再確認する瞬間が好きです。もう一つは、サービスエリアで車に戻るとき。自分の車がひときわ輝いて見えるんです。他の車もたくさん並んでいるので、客観的に見られるじゃないですか。そういう瞬間は、乗っているときよりも幸せを感じるかもしれません。

ーー今まで乗ったことのある車種で、印象に残っているのは？

北乃：父が持っていた「ポルシェ 911 カレラ」。今は持ってないですが、一度運転させてもらったことがあって。かっこいいけど、私には左ハンドルは無理だと思いました。どんどん真ん中に寄っちゃうんですよね。前に外車に乗っていたことはあるけど、右ハンドルでした。「こんな車を運転しているなんて、お父さんすごいな」って思いました。

でも、なるべく多くの車種に乗りたいです。今までに3回くらい買い替えましたが、最後の2台は同じ車で色違いなので、面白みがないな～と思ったり。

ーー「多くの車種に乗る」は、車好きの永遠の課題なのかもしれませんね。運転時の好きな動作って何かありますか？

北乃：10代は、やっぱりアクセルでした。20代はカーブ。カーブを曲がるときにブレーキを踏むのではなく、事前にブレーキを踏んでから、いざカーブではブレーキを離せるような運転を志して20代を過ごしました。そして30代、今はブレーキです。誰も乗せていなくても「今、止まった……？」みたいなスムーズなブレーキングを理想としてます。完璧なブレーキを踏めるようになりたいです。

でも、友達に軽バンを借りたりして車種が変わると、勝手がまったく変わってくるので、どの車に乗っても最初から理想のブレーキングができるように、日々勉強、練習しています。

ーーなるほど……。では、運転しているときに「気持ちいい！」と感じるのはどんなときですか？

北乃：ブレーキと信号の逆算が合ったときです。「このあたりからブレーキを踏んだら、信号が赤になる瞬間に停止線でぴたっと止まれるかな？」という逆算が合ったときが快感です。初めてこんな話しました（笑）。

ーー走っていて楽しい道はありますか？

北乃：あります！ 第三京浜道路です。速度制限時速60㎞の首都高中央環状線よりも、断然、時速80㎞の第三京浜ですね。私、速度制限に合わせたプレイリストを作っているんですが、それを聴きながら走ると最高なんです。それに第三京浜は首都高と違って、とてもすいてるんです。練習をするなら第三京浜は本当におすすめですよ。

ーー北乃さんはドライブデートってどう思いますか?

北乃：どうなんでしょうね。デートでは相手に運転してもらいたいです。昔は交替で運転するのが夢だったんですが、友達と遊ぶときも運転できる私が全員を家まで送り届けたりしているので、30代になった今、恋人には女の子扱いしてもらいたいな～と思ったり……（笑）。それに、運転席に座ると男っぽくなってしまうので、恋人にはあまりそういう姿は見せたくないかな。

ーーやっぱり運転の上手な人がいいですよね。

北乃：自分よりも運転がうまい人がいいです。運転が下手な人だったらどうしよう……。私のほうがうまいって思った瞬間に、さーって引いちゃうかも（笑）。できれば、自分の車好きスイッチを切っておきたいですが、「私、運転しようか？」と言ってしまうかもしれません。

もっと言えば、JAF隊員の人みたいな男性が理想です。1～2時間悩んでいたことを一瞬で解決してくれて、「はい、できましたよ」みたいな。「そういう人が彼氏だったら、車で何かあったときにも頼れるなぁ」と思います。

前に一人で運転しているときに、バッテリーが上がってしまってYouTubeを見ながら自分で直そうとしたことがあるんですが、あの時、ものすごく感じました。独り身なので、「ここに車に詳しい彼氏がいたら」って。

ーー今「ドライブしない？」と誘うとしたら、誰を誘いたいですか？

北乃：2つ下の30歳の弟です。年が1歳半しか離れてないんですが、まだ一緒にドライブしたことがないので。ふだん話す機会が少ないので、気ままなドライブでゆっくり話せたらうれしいです。

ーー2023年1月28日から始まる舞台『ロミオ＆ジュリエット』にジュリエット役として出演されますが、今このタイミングで14歳の役をやることについてはどう受け止めていますか？

北乃：今の年でジュリエットを演じることに何か意味があるんじゃないかと感じています。これだけ実年齢と差がある役を演じるということは、等身大では演じられない難しさもあります。女優の仕事は18年くらいやっていますが、10代、20代の頃ではなく、今この役をいただけたことはとても感慨深いです。

ーー今後、勉強したいことやチャレンジしたいことはありますか？

北乃：語学の勉強はずっと続けていきたいです。10代から20代にかけて台湾やニューヨークに留学したり、26歳でチリに行ったりして、中国語や英語、スペイン語などいろいろと勉強してきました。でも語学って、永遠に学んでいかなきゃいけないもので、ゴールはありません。最近途切れていたので、また始めていきたいです。

もう一つは、資格勉強。最近は、アンガーマネジメントに関する資格と、チャイルドコーチングを学ぶ、保育士や教育現場の方がスキルアップの意味で取るような資格を取りました。まだ小さな兄弟たちもいるので、資格を生かせたら、と思っています。