【前編】滝藤賢一、車中泊仕様のカスタムハイエースを自分の空間に
滝藤賢一 インタビュー 前編俳優人生25年を迎える滝藤賢一さん(46)。1998年から名優・仲代達矢さんが主宰する「無名塾」で演技を学び、映画『クライマーズ・ハイ』など数々の話題作に出演。2013年には社会現象を巻き起こした大ヒットドラマ『半沢直樹』で主人公の親友役を演じ、一躍脚光を浴びました。
名バイプレイヤーとして名を馳(は)せる滝藤さんですが、2023年1月にはドラァグクイーンを演じ話題となった映画『ひみつのなっちゃん。』で主演するなど、活躍の幅をさらに広げています。
前編では、下積み時代の自動車免許を取得したての頃のエピソードや、現在のカーライフについて伺いました。
一人になれるタイミングは「トイレか車の中だけ」
ーー普段の移動手段はマイカーですか?
滝藤賢一(以下、滝藤):そうですね。仕事もプライベートも、自分で運転して移動することがほとんどです。
ーーお仕事の現場へは、マネージャーさんの運転で行く方も多いと聞きます。
滝藤:僕は6人家族なので、一人になれるタイミングがトイレか車の中しかないんです。仕事がきついときなんかは、一人でいる時間が心身のバランスをとるのに重要だったりするので、車という空間にはとても助かっています。トイレといったって、長時間いられるわけじゃないし、ドアの向こうには家族がたくさんいるし。一人になるとしたら、やっぱり車ですよね。
ーー撮影の合間に車で過ごすことも?
滝藤:長めの空き時間があると、よく車で過ごしています。車中泊仕様の「トヨタ ハイエース」なので、後部座席を倒すと簡単にベッドになるんです。そこでストレッチをしたり、セリフを覚えたり、仮眠をとったり。特にコロナ禍に入ってからは、待機場所で密集していてもよくないので、すごく重宝しています。
「実は、仮免の技能試験に1回落ちているんです」
ーー俳優ならではの用途ですね。普通自動車免許はいつ頃取得したんですか?
滝藤:上京してから、19歳か20歳くらいのときにマニュアル免許を取りました。当時バイトをしていたリサイクルショップで2tトラックを運転しなければならなかったので「この機会に取ってみるか」と。
でも僕、センスがなかったから、実は仮免の技能試験で1回落ちてるんですよ。「そんな奴いないだろ」って言われたけど、縦列駐車で乗り上げちゃって。当時僕はゲームもやらないし、運転自体が未知の世界で……。技能教習も「何が何だかわかんない」という感じでした。
ーーなんだか意外ですね。
滝藤:いや、僕、運転下手なんですよ(笑)。いまだに「どのくらいハンドルを切ったら曲がれるんだろう」「どのくらい車間距離をあけたらいいんだろう」みたいな。(車両感覚がつかみにくい)ボンネットの長い車は、ぶつかるんじゃないかってドキドキするので苦手です。その点、ハイエースはボンネットが短いから運転しやすいです。
ーー免許を取ってから、初めて運転した車は?
滝藤:バイト先のハイエースか2tトラックだったと思います。リサイクルショップなので、いろんな所へ不用品を回収しに行くんですけど、運転を誤ってドブに落ちたこともあります(笑)。そのときは周りの学生さんに助けてもらいました。22歳のときに入った無名塾(仲代達矢さんが主宰する劇団)にも車があったんですが、それも僕、ぶつけています……。
初めて車を買えたのは『半沢直樹』の出演後
ーー免許を取ってすぐに自分の車を持ちたいとは思わなかったんですか?
滝藤:車を持ったら、駐車場代、ガソリン代……と毎月お金がかかってくるじゃないですか。当時は東京で一人暮らしをしていて家賃も払えない状態でしたから、その発想すらなかったです。
ーー自分の車を所有するのは、もっと後のことですか?
滝藤:初めて自分の車を買ったのは9年ほど前、ドラマ『半沢直樹』の放送が終わって4人目の子供ができた頃です。37歳くらいまではずっと電車移動をしていました。
ーー今の愛車は何台目ですか?
滝藤:2台目です。初めて買ったのは、三菱の「デリカ」でした。
ーー選んだ決め手は?
滝藤:もう、家族が全員乗れることが第一条件でした。子供たちもまだ小さいので、その時点でかなり選択肢が限られてきますよね。
デリカを選んだときは、いかにもファミリーカーという感じがあまり好きじゃなかったので、4WDで、スポーティーで、アウトドアな車種を……と思ってデリカを購入しました。
愛車ハイエースは車中泊カスタムで自分の空間に
ーーでは、2台目にハイエースを選んだ理由は?
滝藤:今のハイエースはデリカに乗って5年たった頃、俳優の谷原章介さんにディーラーを紹介してもらって買いました。谷原さんもご家族が多いですからね。そしていろいろと好きにカスタムできるのがいいなと思いました。
ーーハイエースにはどんなカスタムを施しているんですか?
滝藤:車体はブラックなんですが、ルーフはベージュにして、もともとシルバーの部分はすべて黒にしています。なので、全体が真っ黒で、ルーフだけベージュですね。ヘッドライトカバーも付けています。
ーー内装はどんなカスタムを?
滝藤:後ろは車中泊仕様でフラットにできるようになっているのと、運転席と助手席のシートカバーを茶色いコーデュロイのファブリックに替えています。購入時にバーッと自分好みのカスタムをしてもらいましたが、その後は全然いじっていません。
ーー乗り心地はどうですか?
滝藤:普段の移動手段から、撮影の合間の休憩、家族でドライブと、いろいろなシーンで重宝しているし、運転が苦手な僕でも運転しやすいいい車だと思います。ただ、たびたび駐車場に高さ制限で入れないのが少々ネックです。ミドルルーフなので高さが2.1mなんですが、2mまでの駐車場が多くて……。あとほんの10cmなんですけどね。よくもどかしい思いをするので、次は高さ2mまでの車種にしようかなと思っています。
ーー買い替えるとしたら?
滝藤:子供が大きくなるまでは、ハイエースか、エルグランドか、アルファードか、メルセデス・ベンツのVクラスですかね。高さ2m以下で、6人乗れるとなると、そのくらいしか思いつかなくて。何かいい車ありますか? 車に詳しいみなさんに聞いてみたいです。
“滝藤家”がドライブで聞きたい5曲
滝藤:僕自身は中森明菜さん、THE BLUE HEARTSさん、中島みゆきさん、BOØWYさんが好きでよく聴いているのですが、ドライブ中は家族のリクエストで曲をかけることが多いです。なので今回は、ドライブ中に聞きたい曲を家族みんなに聞いてみました。
- 渋谷すばる「ないしょダンス」…1月13日に公開された主演映画『ひみつのなっちゃん。』の主題歌で、毎日聴いています。滝藤家ドライブで聞きたい曲として、家族が満場一致した一曲でした!
- 忌野清志郎「JUMP」…私がよく聴いているせいか、次男のイチ押しでした。やる気が出る曲らしいです。
- 中島みゆき「銀の龍の背に乗って」…ママがドハマリしている『Dr.コトー診療所』の主題歌です。よくかかっているので、子供たちの耳にも残っているみたいです。
- 水曜日のカンパネラ「桃太郎」…三男より、「昔話の桃太郎と比べてみたら、水曜日のカンパネラの桃太郎のほうが面白かったから」とのことです。
- 緑黄色社会「Mela!」…「さあ! 出かけるぞ!」という勢いが出るので、ドライブにぴったりです。聴いていると、この先にめちゃくちゃ楽しいことがありそうな気がしてきます。
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滝藤賢一
たきとう・けんいち 1976年11月2日、愛知県名古屋市出身。1998年、俳優・仲代達矢が主宰する劇団「無名塾」に入塾。2000年、『BULLET BALLET』で映画デビュー。その後、映画『クライマーズ・ハイ』、NHK大河ドラマ『龍馬伝』など話題作に多数出演。2013年には社会現象となったドラマ『半沢直樹』で注目を集める。2023年1月には映画『ひみつのなっちゃん。』で主演。2023年3月19日よりNHKプレミアムドラマ『グレースの履歴』(全8回・毎週日曜夜10時)が放送スタート。『グレースの履歴』番組HP