【前編】土屋アンナが「究極におもしろかった」過去最高のドライブデート
土屋アンナ インタビュー 前編歌手・モデル・女優・タレントと、マルチな活躍を続ける土屋アンナさん(38)。メディアではそのロックでワイルドな姿が印象的ですが、私生活では3歳から17歳までの4人の子供の母でもあります。
インタビュー前編では、車好きの家族に囲まれて育った幼少期のことや、ドライブデートへのこだわりについて伺いました。
運転免許はないけど、運転テクニックには敏感かも
ーー運転免許はお持ちではないそうですが、好きな車はありますか?
土屋アンナ(以下、土屋):2つあります。ひとつは『マンマ・ミーア!』っていう映画に出てくるオート三輪。錆びていてペンキを塗っちゃってるような、海のそばが似合うような感じが大好きです。あとは、エルカミーノ(シボレー)みたいな大きいアメリカ車が好き。
ーー愛車を持つならどんな車がいいですか?
土屋:私は芸能人がよく乗っているような高級車より、機材車が好きなんですよね。車は汚れや傷を気にしないで、革ジャンみたいに育てていきたいタイプ。自分らしくカスタムしていって、乗れば乗るほど愛着が湧くような車がいいですね。
ーー普段の移動は車が多いですか?
土屋:そうですね。マネージャーが運転したり、タクシー移動が多いです。昔はお母さんがマネージャーだったので、移動中の運転もしてくれていました。お母さんはスポーツカー派で、結構レアな車にも乗っていました。そして、運転がめちゃめちゃうまい。その影響もあって、私は運転をしないけど、運転テクニックにはすごく敏感かも(笑)。
ーーご家族には車好きが多いんですか?
土屋:そうなんです。おじちゃん(伯父)はF1レーサーのアイルトン・セナが大好きで、小学生の頃はセナのドキュメンタリーをよく見せられていました。「こういうのがかっこいいんだよ」っていう解説付きで。おじちゃんはハンドルを握ると、スイッチが入るのかちょっと姿勢が良くなって、セナっぽくなるんです(笑)。そういうのを見て助手席で楽しんでましたね。お姉ちゃんも、ハワイとか海外に住んでいたことがあったからなのか、車はいつもアメ車ですね。
ーー車好きの家族に囲まれて育ったんですね。小さい頃の車の思い出、他にもありますか?
土屋:子供の頃の長距離移動はほとんど車でした。お母さんは毎日学校の送り迎えをしてくれたし、おじいちゃんが八ヶ岳に別荘を持っていたので、おじいちゃんのグリーンのジャガーでよく連れて行ってもらっていました。あの革のシートの匂いをかぐと、「おじいちゃんの匂いだ」って今でも思い出します。
ーー子供の頃、お母さんが運転する車ではどんな曲がかかっていたか覚えていますか?
土屋:ほとんど英語のラジオか、お母さんのCDをかけてました。Chicagoだったり、今で言うオールディーズが常に流れていて。学校や仕事で車移動が多かったから、知らないうちにいろんな音楽を聴いてたんだと思います。だから洋楽は人よりたくさん知っているかも。
最高のドライブデートは「ノープランで、究極に自由」
ーー今までで一番良かったドライブデートは?
土屋:うーん、一番良かったドライブデートか……。あ、思い出した。その当時の彼に「遊ぼう」とだけ言われて誘われたので、「いいよ~」と合流したんです。それで彼の、確かフォードだったかな……デカい車で出発したんだけど「どこ行くの?」って聞くと「わかんない」って言うんです。高速に乗ったからまた行き先を聞くんだけど「まだわかんない」と。だんだん、「あれ? この人、本当にどこに行くか最後まで決めないつもりかも……」と思って、心配になってきました。やっと「友達のカフェがあるから行こう」と一応目的地が決まったけれど、行ってみたらそのカフェはお休み。「どうするの?」って言ったら、「じゃあ、マック買おっか」って彼に言われて、車の中でハンバーガー食べたの。結局、2時間くらいかけてマックに行って帰ってくるだけだったっていう(笑)。それは究極に自由でおもしろかったな。
ーーそれ、人によっては最悪なドライブデートだと思うこともありそうですが……(笑)。
土屋:ギャグですよね。でも私、そういうの好きなんです。ノープランで、ツッコミどころ満載で、キラキラもラブラブもなく、ただマックのポテトつまみながら帰るみたいな。そういうのがいいなって思っちゃう。
ーーでは、逆に最低なドライブデート体験は?
土屋:記憶にあるのは“運転うまいアピール”をやたらとしてきて、でも運転は雑だし、行き先も勝手に決めちゃうタイプの人。
ーーやっぱり安全運転は大事?
土屋:レースだったら「イケイケゴーゴー!」でいいんだけど、一般道は別ですよね。スピードを出したりされると、乗り心地が悪いなって思います。助手席に乗ると、その人の運動神経や人間性がわかりますよね。
ーーその“最低デート”の行き先はどこだったんですか?
土屋:夜景の見えるゴージャスなレストラン。人間的にもいい人で、一生懸命高級なところに連れて行ってくれたならうれしいけど、その人は高級店が当たり前っていうか、慣れている感じだったんですよね。それだったら身近な赤提灯(ちょうちん)で「これがうまいんだぞ! 食べてみな」とかのほうが、私は好きなんです。例の彼みたいな、マックをワリカンするデートのほうがいいです(笑)。
ーーでは、土屋さんの“理想のドライブデート”を教えてください。
土屋:私は海が好きだから、不意に「海に行かない?」って誘われて行くようなドライブデートがいいな。時間に追われずに「おなか空いたね。何買おうか?」みたいな会話を楽しむ、行き当たりばったりな旅がしたいです。
息子には車に乗ってほしい。「自由に旅をして」
ーー土屋さんは6月10日に公開された映画『ALIVE HOON(アライブフーン)』にも出演していますね。ドリフトキングと呼ばれる元レーシングドライバーの土屋圭市氏が監修を務めているとか。
土屋:トップレーサーの人たちが実走出演しているので、車好きにはたまらないですよね。ドリフトの撮影に本当に時間をかけた映画で、音と映像の迫力がすごいです。私も撮影が終わったあと、ちゃっかりプロのドリフトを体験させてもらったんですけど、全然怖くなくて、すっごく楽しかったです。主演の野村周平さんとか、俳優さんたちもめちゃめちゃ練習していましたよ。
ーー今後、土屋さん自身が運転免許を取る予定は?
土屋:最近ずっと「取りに行くか!」とは言ってるんですけどね。日本の自動車教習はけっこう時間がかかるし、迷ってます。あと学科試験のいわゆる“ひっかけ問題”に絶対ひっかかっちゃうタイプだから、正直に言うと、受かる自信がない(笑)。
ーー 一番上の息子さんはもうすぐ18歳ですよね。運転免許の話は出ていますか?
土屋:「取りな~」とは言いました。私が乗せてほしいというのもあるけど、やっぱり男の子だし、自由にどこへでも旅をしてほしいから。都内の移動手段というよりは、キャンピングカーで車中泊の旅をしたり、大自然の中にどんどん車で飛び込んで行ってほしいな。人生におけるそういう楽しい経験をするためにも、取っておいたほうが絶対いいと思うんです。
土屋アンナさんが「海に行くときに聞きたい5曲」
土屋:海に行くときはロックをかけるんですよね。そのためのプレイリストも作っています。激しい曲からスローな曲まで、そのときの気分次第でいろいろかけます。
- Maroon 5『Just a Feeling』……海に向かうときは気持ちを上げたいし、耳触りがいい曲を聞きたい。Maroon 5の声の高さが、優しい感じで心地いいんです。
- Jessie J『I Want Love』……Jessie Jはホイットニー・ヒューストン級に歌がうまくて、明るい曲が多いです。ポップな女性の明るさを表現しているから、会話がなくても楽しい雰囲気を作ってくれます。かっこよくて聴き入っちゃう。
- Nickelback『Burn It To The Ground』……車の中でテンションが上がる曲と言ったら、Nickelback! ロックの王道で、ビートを刻んでくれるからどんどん気分が上がっていきます。でも声は落ち着いたハスキーボイスで、全然うるさくない。大きい車に乗ってるときなんかは、特にアガります。
- Rag'n'Bone Man『Human』……結構現実的なことを歌うんだけど、声の低さがピカイチだから、会話のバックでかけていても邪魔にならない。ちょっとまったりドライブしたいときにちょうどいい感じかな。
- Emeli Sandé『Hurts』……深い歌詞が多くて、雨の日や曇りの日にかけるとその空気感を同じように表現してくれます。無理にテンション上げないし、しっとりした曲をかけたいときはこれかな。
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土屋アンナ
つちや・あんな 1984年、東京都出身。1998年にモデルとしてデビュー。主な出演作に、映画『下妻物語』『さくらん』など。2002年に歌手デビュー。国内外のライブに参加し、安室奈美恵、布袋寅泰など数々の著名アーティストとのコラボにも参加。近年ではブルーノート東京に出演。スキンケアブランド「aniina me」のプロデュース、子育て真っ最中のママを応援するチャリティーライブ参加などマルチに活動。6月10日より出演作『ALIVE HOON(アライブフーン)』が全国公開中。