インタビュー「ドライブしない?」

【後編】2男2女の母・土屋アンナ、子供とは「一緒に悩んで、対等に」

土屋アンナ インタビュー 後編

2022.06.18

取材・文=鴨居理子 撮影=鈴木大喜 ヘアメイク=baku スタイリスト=沢田由衣

2022.06.18

取材・文=鴨居理子 撮影=鈴木大喜 ヘアメイク=baku スタイリスト=沢田由衣

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歌手・モデル・女優・タレントと、マルチな活躍を続ける土屋アンナさん(38)。メディアではそのロックでワイルドな姿が印象的ですが、私生活では3歳から17歳までの男女4人の子供の母でもあります。

車の好みやドライブデートの思い出について聞いた前編に続き、後編では家事・育児のこと、忙しい日々でのリフレッシュの方法などを伺いました。

“一つのものに知識と熱量がハンパない人”が大好き

土屋インタビューカット

ーー4月放送のバラエティ番組『長野クンさかなクン 港はしご旅』では、ゲストで登場した土屋さんが素手で魚をどんどんつかんでいく姿や、さかなクンとの掛け合いが印象的でした。

土屋:さかなクン、最高ですよね。もう、親友になりたいくらい。私、何か一つのものに対して知識と熱量がハンパない人って大好きなんです。真剣に体を鍛えて筋肉ムキムキで、異常な熱量でタンパク質の話をする人とか(笑)。魚も筋肉も、学ばなきゃいけない生命としての知識だと思えるから、一緒にいるだけでワクワクします。さかなクンとは、カメラが回っていないところでもず~っと魚の話をしてました。学校で習わないことって楽しいですよね。

ーー学校の勉強はあまり好きじゃなかったんですか?

土屋:中学のときは「勉強しなくちゃ!」って頑張ってたけど、高校からは全然。でも、倫理の授業は好きでした。先生がおもしろくて、最初の授業で「このテーブルは何に見える?」って生徒に質問してきたんです。その瞬間にもうドキュンと来て(笑)。みんなは「えー、机じゃん」みたいな反応をするんだけど、先生は「なんで机だと思うんですか? 僕には椅子に見えますけど」「これを茶色だと思うのは、なんででしょうか?」とか、角度を変えた質問を重ねていって。私は「こういう人が大統領とかになったら、差別のない世の中になるかも」って思ったんです。人によって見え方は違うってことを学びました。もう、ナイスセンス!

日々の料理は質より量! 魚は丸ごとさばきます

自然の中で座る土屋

ーー私生活では4人の子供のお母さんで、Instagramでは手料理の写真もアップされています。お子さんたちから特に好評な手料理は何ですか?

土屋:みんな、なんでも食べますね。特に12歳の次男はわかりやすくて、毎日初めて食べたかのように「なんだこれ? うまい!」って言うタイプ。スペアリブを煮込んだり、肉を焼いて塩コショウをかけて出せば大満足(笑)。5歳の長女と3歳の次女はチキンの照り焼きが好きで、17歳の長男はモツや牛スジ煮込みとかのおつまみ系が好きです。

ーー食材や味付けへのこだわりは?

土屋:うちは“質より量”だから、オーガニックかどうかは気にしてない。白砂糖はあまり使わないようにしていますけど、私はおばあちゃん子で和食の甘辛い味付けが好き。だからみりんをうまく使うようにして、子供が好きな味になるように気を付けています。あと、魚は自分でさばくことが多いです。それはちょっとほかの家庭とは違うのかも。

ーー魚は丸々1匹、買ってくるんですか?

土屋:友人や知人が送ってくれるんです。釣りをやっている知り合いのドラマーから「ブリいる?」とかって連絡が来て、「いるー!」って言うと、4尾がドーンと届いたりする(笑)。「ここから1週間、このブリをどう使おう」って考えたりするの、楽しいですよ。ファンの人がプレゼントしてくれた刺身包丁でせっせとさばいています。

ーー魚は昔からさばけたんですか?

土屋:もちろん、若い頃はできなかったです。でも、やっぱり海が好きで、漁師さんとかいろんな人に出会って「もとは生きていたものをいただくんだから、無駄なくおいしく食べたいな。そのためには自分でさばけるようになりたい」って思うようになったんです。

ーー普段の食材の買い出しはどのように?

土屋:近所のスーパーマーケットで、普段からちょこちょことその日の分を買ったり、たまにバーンとまとめ買いするときは、2個のカートに載せた上下の買い物かごがパンパンになるくらい買うこともあります。

ーー行きつけのスーパーでお気に入りの商品はなんですか?

土屋:肉! 焼肉セット最高ですよ。あとモツも新鮮なので、それで鍋を作ったりしています。魚介はちょっとこだわって、近くの魚屋さんとかで買うことが多いです。マグロのカマ1500円とか。

ーー家事の分担はどのようにしていますか?

土屋:料理は基本的に私だけど、洗濯や掃除機がけは、私が忙しいときは子供たちも手伝います。あとは、気づいた人がやるというのはベースとしてありますね。風呂掃除は次男の仕事と決めているけど、部活とかで遅いときはできる人がやる。そんなにきっちりとした役割分担があるわけではないかな。

ーー猫たちのお世話も、お子さんたちと一緒に?

土屋:猫は6匹いて、今一番長くいる子は長男が小さかった頃のサンタさんのプレゼントなんです。命はかわいいだけじゃなくて、大変なこともたくさんあるということを学んでほしいから、今でも長男がトイレ掃除、次男が猫のご飯とお風呂係と、分担してやらせています。

子供たちとは「対等」。恋愛トークもオープンに

緑の中に立つ土屋

ーーお子さんとの接し方で気を付けていることはありますか?

土屋:何にもないかな。このまんまです。いつも難しいなと思うのが、私の性格上「勉強しなさい」とか言えないんです。だから、「どれぐらいの点数取ればいいんだろうね」って一緒に悩んだりしています。「40点はダメなんじゃない? どう思う? ギリいける? 60点は結構イイよね」って。

ーー子供たちに対して怒ることは?

土屋:普段はあまり怒らないけど、ウソとか、人のことをけなしたりすることに関してはブチギレます。たとえばウソをついていることに気づいて指摘したとき、その子の目が「はぁ?」って感じだったら、その瞬間にブチギレちゃう(笑)。

ーー最近はどんなことで?

土屋:この前、長男が付き合っている彼女に私のトランクを勝手に貸したんですよ。私も次の日、どうしても必要だったのに。でも長男には「貸そうっていう気持ちはいいと思う」って言いました。それは優しさだから。「でも、人のものを勝手に貸すのは盗(と)ったのと同じだからダメでしょ」って伝えました。

ーー年頃の息子さんとの関わりは難しいこともあるのでは?

土屋:子供たちとは対等でいたいと思っているから、「そっちが年頃なら、私の年代だっていろいろ大変なお年頃なのよ」みたいなスタンスで接します。彼女ができたりするから、性の話に関しては「こうしなよ」「こういうのは危ないよ」とか、オープンに話せるようにしています。

ーーお子さんにファッションのアドバイスをすることは?

土屋:全然ないですね。好きなものを着ればいいと思います。私がメンズっぽい服を着るので、息子2人は私の服を着たいっていうことも多いかな。娘2人も勝手に好きなものを着ているから、すごいことになってます。上はミニーちゃん、下はキティちゃん、靴はアディダスみたいな(笑)。

子供には何事も、まずは楽しいと思わせることが大事だと思っています。そのほうが人生を楽しめるから。おしゃれも、食べることも、初めから押し付けない。たとえば食べ物をこぼしちゃっても、すぐに怒るんじゃなくて「もったいないんだよ」って教えるとか。

イライラしたら「キンキンのビールを2杯飲んで、目をつぶる」

ーー仕事や家事で忙しくて余裕がなくなったり、イライラすることはありますか?

土屋:全然あります。そういうときは、大きい声で「あー!」って言って、キンキンのビールを2杯飲んで「あー、うまい!」って目をつぶる。それで「今、ここだけは私の空間」って心の中で思う。時間があれば海に潜ったり、ライブが近ければ歌って発散できるし、毎日している運動もストレス発散にはなるんですけどね。でも日常の中で一息つきたいときは、やっぱりうまいビールをうまいと思って飲むことかな。

ーーお酒もお好きとのことですが、スタイルを健康的にキープする秘訣は?

土屋:「細さを求めないこと」かな。「どんな体形でいるときに自分が生きやすいのか」を知ることが大切なので、数字にこだわらず、自分の体に聞くようにしています。「ここまで痩(や)せちゃうと、ちょっと元気が出ないかも」とか、ありますもんね。自分がラクに元気にいられるのが、一番ナイスな状態だと思う。

私は本当に好きなものを何でも食べますし、食べるのも早い。生クリームも大好き。でもどちらかと言うとストイックなタイプだから、プロテインを飲んで調整したり、日々食べた分の運動はしています。

だから、私にスタイルキープのコツとかを聞いてくれる方には「元気な体にしよう」という方向でいてもらいたいな、とは思います。誰かのマネをしても絶対に合わないから、自分がおいしいと思うものを食べて、食べ過ぎだと思ったら、自分に合う運動をして、「これならいいな」っていうところを見つけてほしいと思います。

ーーいつもパワフルでハツラツとしたイメージがありますが、メンタル面で健康でいるためにしていることは?

土屋:終わったことは考えないことかな。何かいろんな嫌なことがあっても、「オギャーッて生まれた生命力が私にはあるから、何でも乗り越えられる!」って自分に言い聞かせているかも。生まれたときに息をするかしないかは自分次第だけど、ちゃんと呼吸して、産声を上げて今があるんだから「あのパワーがあったら、何だってできんじゃん」って思うんです。

<JAF会員から3つの質問>

Q.毎日、出かけるまでのモーニングルーティンを教えてください。

A.モデルさんたちがYouTubeで投稿しているような素敵な感じのルーティンじゃなくて、リアルなほうでいいですか(笑)? 朝7時くらいに起きて、隣で寝たフリをするチビたち(5歳と3歳の娘)を3回ぐらい起こします。「私も起きたくないな~」って思うけど、自分を奮い立たせて朝ご飯を作り始める。高校生の長男の弁当も同時に作るし、洗濯機も回す。もう全部“ながら作業”ですね。みんなで朝ご飯を食べたら、8時前には家を出る上の2人(17歳と12歳の息子)を見送る。それから娘2人の保育園の準備。着替えるのも「イヤだイヤだ」ってなるけど、なんとか着替えさせて保育園へ。家に帰ってきて、立ったままコーヒー飲んで一息ついて、掃除機かけて洗濯物を干して……。残り20分ぐらいで自分の身支度を済ませて、家を出るって感じです。仕事の入り時間が遅いときは買い出しや、夕飯の準備を済ませることもあります。朝は家で座るってことがないですね。


Q.将来はどんなおばあちゃんになりたいですか?

A.シワシワだけど、ピンクのビキニを着て、テンション高くて、「あのばあちゃんヤバいね」って言われるようなタイプがいい(笑)。私のおばあちゃんは、家族のために常に台所に立っていて、いわゆる“昭和の良い妻”という感じの人。見ていて奇麗だなって思うんだけど、私とは人間的に全然違っていて。それも素敵だけど、私はどちらかというと、デヴィ夫人みたいに80歳を超えても「これやりたいわ」って言って何でもやっちゃうような人がいいな。「もう年だからできない」っていうのを、どんどん却下していきたいです。


Q.この夏やってみたいことは?

A.さっき思い付いたんですけど、海の生き物と一緒に写真をたくさん撮って、写真集を作りたいです。サワラとかをガッと持って、私の筋肉と一緒に超かっこよく撮りたい。あくまでも魚メインで、よく見たら「あれ? 一緒に写っているのアンナじゃね?」みたいな(笑)。

あとは、まだ一緒に泳いだことがない生き物と泳ぎたい! この間、奄美大島でクジラと一緒に泳いだんですけど、すごく良かったです。クジラの季節はもう終わっちゃったから、ハンマーヘッドシャークだったり、いろんな生き物の群れの中に入って行きたい。一番の夢はカジキマグロと泳ぐことなんだけど、めっちゃ速そうですよね。絶対負けないと思うけど。

JAF会員限定 土屋アンナさん直筆サインプレゼント

サインパネルを持つ土屋

土屋アンナさん直筆の「ドライブしない?」特製サイン色紙を、抽選で3名様にプレゼントします。
・プレゼント内容:土屋アンナさん直筆特製サイン色紙

応募期間は終了しました。

※オークションサイト、フリマアプリなどでの転売を禁止します。

土屋アンナ

つちや・あんな 1984年、東京都出身。1998年にモデルとしてデビュー。主な出演作に、映画『下妻物語』『さくらん』など。2002年に歌手デビュー。国内外のライブに参加し、安室奈美恵、布袋寅泰など数々の著名アーティストとのコラボにも参加。近年ではブルーノート東京に出演。スキンケアブランド「aniina me」のプロデュース、子育て真っ最中のママを応援するチャリティーライブ参加などマルチに活動。6月10日より出演作『ALIVE HOON(アライブフーン)』が全国公開中。

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