安東弘樹の運転履歴書

安東弘樹さんが2023年に選んだ日本カー・オブ・ザ・イヤー「今年の10台」

COTY 2023-2024 10ベストカー発表

安東弘樹
2023.12.04
2023.12.04
1年点検を受けると、だれにでもチャンス

日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員を務める安東弘樹さんが、2023年に発売されたクルマの中で「今年の10台」に選んだのは何でしょう? 無類のクルマ好きとして知られるフリーアナウンサー安東弘樹さんが、クルマにまつわるさまざまな出来事と自らの思いを伝えるエッセーです。

安東さんが司会も務めて「10ベストカー」が決定!

過日(2023年11月3日)、ジャパン・モビリティー・ショー(JMS)会場の特設ステージで、今回の日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)「10ベストカー」が発表されました。

今年2023年(2022年11月1日から2023年10月31日まで)に発表または発売になったクルマ、モデルチェンジされたクルマの中から、今年を代表する一台を決めるCOTYの前哨戦です。

私は、選考委員にして、その発表会の司会を任されたのですが、自分以外の選考委員の投票内容を知らないので、セレモニーの際にもドキドキして発表会に臨みました。

この日はノミネートされた34台のうちの10台(10ベストカー)が発表されたのですが、今回から、60人の選考委員が、どの10台を選んだか、公表する方式に変わりました。

発表のセレモニーの中で、一人ひとりの選考委員が選んだ10台が表になってモニターに映し出されます。選考委員によって、その個性が出ますので、見ていてさまざまな発見があります。

安東さんのクルマ選びは「安全とワクワク感」

今回は選んだクルマの他に、選考委員一人ひとりの選考基準も併記されていましたので、その透明性はこれまで以上に確保されたのではないでしょうか。

ちなみに私は「運転が楽しく安全で、所有してワクワクするクルマ」という選考基準を書きました。

その中でも多くの選考委員が投票したクルマ。逆に少数の選考委員しか投票しなかったクルマ。
いろいろとあります。実際に、会場にいらっしゃったお客様も、一人の選考委員の表が出るたびに、声を出したりうなずいたり、リアクションをされていました。

2023年の「10ベストカー」一挙紹介!

ここで今回選ばれた10ベストカーを紹介しましょう。

SUBARU クロストレック

SUBARU クロストレック

トヨタ アルファード/ヴェルファイア

トヨタ アルファード(左)/ヴェルファイア(右)

トヨタ プリウス

トヨタ プリウス

日産 セレナ

日産 セレナ

ホンダ ZR-V

ホンダ ZR-V

三菱 デリカミニ

三菱 デリカミニ

アバルト 500e

アバルト 500e

BMW X1

BMW X1

マセラティ グレカーレ

マセラティ グレカーレ

フォルクスワーゲン ID.4

フォルクスワーゲン ID.4

の10台です。

安東さんの勝敗は「5勝5敗」?!

ちなみに私が選んだ10台の中で、投票の結果選ばれたクルマは5台……。

選考委員は、自分が選んだ10台と実際に選ばれた10台を比較して「何勝何敗」という表現をするのですが、私は5勝5敗。

平均が7勝3敗くらい、だそうで私は、毎回、勝率が低いのが特徴です(笑)。

私にとってクルマの評価は、運転が楽しいか、すなわち、自分の運転にリアルに反応してくれるかどうかが大きなウェイトを占めます。さらに運転が楽しいと、安全にもつながる、というのが持論です。

その証拠に、運転が楽しい自分の所有車を運転しているときは、眠気にも襲われにくく、極論を言えば、休憩さえとれば、無限に運転していられます。

安東さんが綴る、当落それぞれのクルマへの想い

私が選んだベスト10の中で、今回、落選? したクルマは、BMW M2、同XM、プジョー408、BYDドルフィン、EQS SUVでした。

M2は恐らく最後のエンジン+MTのクルマで、実際に走ってみてパフォーマンスもすばらしかったので投票。XMは653psで巨大かつ重いのに、実質20km/Lの燃費も可能、という非現実感を評価。

プジョー408はデザインと実用性、PHEVモデルは燃費すら良いというマルチな魅力を評価。BYDドルフィンは価格に対して航続距離、パフォーマンス、装備、デザインが優れていたため。EQS SUVは、ブレーキのタッチに難はあるものの、このサイズ、このクラス唯一のBEV(純電気自動車)で、「そこまでするか!」と言いたくなるほど(笑)の完成度に対して、票を投じました。

今回の5勝分。私の選択と同じだった10ベストカーで見てみると、プリウスは、走りや燃費、インテリアなど、中身に関しては手放しで賛辞を贈れませんでしたが、エクステリアデザインに関しては、感服でした。

ミニバンでもセレナにはワクワクしました。まず、インパネが先進的で見ているだけでも所有感を満足させられます。ただ、プロパイロット2.0が一部のグレードにしか付かないのは残念です。

ZR-Vはプリウスと逆で、走り、燃費、インテリアの質感に関しては非の打ち所がありませんが、エクステリアデザインだけ、もう少しシャープにならなかったのか、個人的には、それさえ良ければ、満点です。

アバルト500eは首都高速のコーナーを走っているときに、BEVならではの低重心と、このサイズのBEVにして十分以上の動力性能にしびれました。価格にもしびれますが(笑)、BEVの一つの可能性を感じました。

BMW X1は日本でもちょうど良いサイズにして、室内は広くなり、特にディーゼルモデルの力強さと燃費の両立。さらにADAS等の運転支援、安全性能も抜かりなく、まさに、これ一台で幸せになれるクルマとして私も選んだ次第です。

12月7日にはついに「日本カー・オブ・ザ・イヤー」が決定!

前回は、日産サクラ・三菱eKクロスEVが、軽自動車で、またBEVで初めてのカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、またインポート・カー・オブ・ザ・イヤーもヒョンデIONIQ5とBEVが躍進しましたが、今年は、10ベストカーの段階で2車種だけ。

大きなガソリン輸入SUVが選ばれるなど、少し回帰した印象です。

さて12月7日には、いよいよ今年の一台、日本カー・オブ・ザ・イヤー2023-2024が発表されますが、何となく、「あのクルマ」になる予感はするものの、クルママニアとして楽しみです。

2023年のカー・オブ・ザ・イヤー、栄冠はどの一台に!?

今回の日本カー・オブ・ザ・イヤーの結果については、こちらの記事でチェック!

安東弘樹

あんどう・ひろき 1967年神奈川県生まれ。フリーアナウンサー。1991年にTBSテレビに入社後、さまざまなテレビ、ラジオの報道やバラエティなどの番組を担当。19歳の免許取得から現在までに、45台以上のクルマを乗り継ぐ経験と知識を生かし、活躍の場を広げている。現在はTBSラジオ「UP GARAGE presents GARAGE HERO’s~愛車のこだわり~」、TOKYO MX「バラいろダンディ」、テレビ東京 「ミライの歩き方」、bayfm78 「MOTIVE!!」など多くのテレビ、ラジオ番組で活躍。2017年より「日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」選考委員。

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