県道32号、45号祖谷渓道路(徳島県)。日本三大秘境を駆け抜ける、息をのむV字谷の絶景ドライブ ルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
徳島県三好市に位置する祖谷渓(いやけい)は、岐阜県の白川郷、宮崎県の椎葉村と並び、「日本三大秘境」の一つとして世界的に知られる。断崖絶壁の「V字形の渓谷」の上を走る道路からは、目がくらむような深緑や、秋には全山が赤や黄色に染まる日本屈指の紅葉を見下ろすことができる。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
手つかずの自然と山村文化が残る祖谷渓
徳島県三好市に位置する祖谷渓は、祖谷川が四国山地を切り裂いてできたV字形の深い渓谷で、日本三大秘境の一つとして知られる。手つかずの自然と独特の山村文化が残る地域で、清流と深い山々が織り成す景観は四季ごとに異なる美しさが楽しめる。今回は祖谷渓を走って蔓(つる)植物で編まれた吊り橋「祖谷のかずら橋」まで行くルートを紹介する。
写真2 祖谷街道の開設工事の中で、最も険しかった七曲(ななまがり)の断崖に立つ「小便小僧」。かつて地元の子供たちやここを通った旅人が、度胸試しをしたという逸話が残っている
阿波池田方面から吉野川に沿って南へ向かうと、県道32号の入口がある。橋を渡るとここからが祖谷渓道路となる。谷の断崖に沿って続く細く曲がりくねった道で、対向車とのすれ違いに注意が必要な区間もあるが、まさに秘境へ分け入っていくような感覚を味わえる。切り立った岩肌と深い山々が迫る景観は圧倒的で、春の新緑や夏の深い緑、秋の紅葉など清々しい眺めが楽しめる。
足すくむ峡谷を抜けて、伝説が残る風に揺れる植物の橋へ
写真3 シラクチカズラを編んで作られた、国指定重要有形民俗文化財「祖谷のかずら橋」。源平合戦に敗れ、この隠れ里に逃げ延びた平国盛の一行が、追手が迫った際にいつでも切り落とせるようにこの素材で架けたという、落人伝説の悲歴史が残る
パーキングのある展望所がいくつも用意されているので車を停めて眺めてみよう。有名な「小便小僧」の像が立つ展望所では、足がすくむほどの高さと谷の深さを実感できる。今回の終点である祖谷のかずら橋は平家の落人が追手から逃れるために架けたと伝えられ、足元の隙間から渓谷が見えるスリルと、素朴な造りが秘境らしい雰囲気を際立たせている。
県道32号、45号祖谷渓道路 データ
祖谷渓道路へのアクセスは、徳島自動車道・井川池田ICから国道32号で高地方面に南下し、県道45号へ。祖谷トンネルを経由し県道32号に入る。道幅は、すれ違いの難しい狭い旧道になっている。そのため、大歩危(おおぼけ)経由の県道45号からの道は、2車線道路になるためアプローチしやすい。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
県道32号、45号祖谷渓道路の近くの日本遺産は、こちらをチェック!
日本遺産
とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
県道32号、45号祖谷渓道路が走る徳島県にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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