わたしのドライブミュージック

KIRINJI 堀込高樹が息子とフェス参戦! 車中で聴いた最新ヒップホップ〈ケンドリック・ラマー / Alright〉

KIRINJIの堀込高樹さんを形作ったドライブミュージックを4曲紹介!

堀込高樹
2024.03.26

聞き手・構成=張江浩司 / 編集=赤井大祐 / イラスト=若林 萌

2024.03.26

聞き手・構成=張江浩司 / 編集=赤井大祐 / イラスト=若林 萌

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

KIRINJI 堀込高樹さんによる4曲目は、「ヒップホップの新王者」とも称され、グラミー賞を17回受賞する現代最高峰のラッパー、ケンドリック・ラマーによる「Alright」。堀込さんがミュージシャンとしてではなく、父親としてフェスを楽しんだ思い出を語ります。

音楽好きの著名人たちが、月替わりで自動車やドライブにまつわる音楽との思い出とともに至高のドライブミュージックを4曲紹介します。

4. ケンドリック・ラマー / Alright

会話が弾む車中だからこそ共有できる世代を超えた音楽体験

ふだん運転中はラジオを聴くんですけど、温泉なんかに行くときに山の中に入ると電波が入らなくなるじゃないですか。そういう時に、ケンドリック・ラマーの『To Pimp A Butterfly』というアルバムをかけてたら、長男がハマって、HIPHOPを聴くようになったんですよ。

子供たちは、ふだんスマホやタブレットで音楽を聴いているけれど、車に乗るときはCDで聴きたいみたいなんです。車で遠出するときのためにディスクユニオンでCDを買ってるんです。でも中古盤の概念もわからないから、同じ内容のCDなのに発売時期なんかによって値段が5倍も10倍も違うことも彼らにとっては謎ですよね。

その翌年、彼が「フジロックにケンドリックが来るから行きたいんだけど」と言い出したんですが、僕はそもそもフェスにはほとんど行ったことがなかったんですよね。自分で出演するときは演奏や音響のことで精神的な余裕がないし、出番が終わったらすぐ帰っちゃいますから。せっかくだからテント泊しようと思って、アウトドアのギアを一式揃えました。キャンプなんて中学生以来したことないから、ネットで全部調べて、「フジロックのオフィシャルな駐車場は埋まっていても民宿の駐車場は空いているらしい」みたいな情報も収集して。近所の公園でテントを張る練習までしたんですよ。もやい結びもサラッとできるようになりました。フジロック前の閑散とした苗場に下見にも行ったな。

当日はMINI CLUBMANにギリギリまでギアを詰め込んで行きました。結構小さいんですよね。現地についたら今度は風がすごくてまわりのテントはけっこう飛ばされてたんですけど、うちは大丈夫でした。練習の成果ですね(笑)。長男が夜中に杭(くい)を打ち直したり、いろいろ頑張ってくれてたみたいだし。彼は間近でケンドリック・ラマーのライブが観れて喜んでました。次男は当時小学4年生くらいで、洋楽には興味がないから辛かったみたいですけど。

自分が子供だったときを思い出すと、中学生くらいが一番父親と話さないと思うんですよ。それと比べると、今の子はよく喋るんだなと思いますね。家で仕事をすることが多いからふだんからよくコミュニケーションをとる家族ではありますけど、車で塾に送り迎えするときなんかは運転席と助手席に座って一対一になるから、いろんな情報を聞き出すチャンスですし、お互いの音楽体験を共有するいいタイミングになるんです。

KIRINJI 堀込高樹さんのプレイリスト

堀込高樹

ほりごめ・たかき
1996年実弟である堀込泰行と二人で「キリンジ」を結成。1998年メジャーデビュー。2013年堀込泰行がキリンジを脱退。同年に新メンバーを迎え6人編成バンド「KIRINJI」として再始動し、2021年からは堀込高樹のソロプロジェクトとして活動中。2023年9月にアルバム「Steppin' Out」を、新レーベル「syncokin」よりリリース。2024年5月25日に、メジャーデビュー25周年記念ライブ「KIRINJI 25th ANNIVERSARY LIVE」を東京・LINE CUBE SHIBUYAにて開催。
自身の作品のリリースやライブ活動のほか、さまざまなアーティストへの楽曲提供やドラマ・映画のBGM、テーマソング制作など、活動は多岐にわたる。音楽への深い造詣に裏打ちされたジャンルにとらわれない曲作り、アップデートし続けるサウンドプロダクション、ユニークな視点から繰り出される詞世界は、音楽ファンのみならず多くのミュージシャンや著名人からも支持を得続けている。

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