マイナ免許証と従来の運転免許証

マイナ免許証の普及率は約4%。便利でも「2枚持ち」が多い理由とは

オンライン講習などのメリットがある一方、券面に免許情報が出ない点を不安視する声も

マイナンバーカードと運転免許証を一体化した「マイナ免許証」の運用が2025年3月24日に始まってから約1年。更新時講習をオンラインで受けられることや、住所変更手続きの負担を減らせることなどがメリットとされるが、利用はまだ広がりきっていない。警察庁によると、マイナ免許証の保有者数は2026年4月末時点で315万4,980人。2024年末時点の運転免許保有者数8,174万2,303人と比べると、普及率は約3.9%にとどまる。導入から日が浅いこともあり、多くのドライバーが従来の運転免許証との違いや使い勝手を見極めている状況だ。

目次

持ち方は3種類。「マイナのみ」「免許証のみ」「2枚持ち」から選べる

マイナ免許証は、運転免許の情報をマイナンバーカードのICチップに記録し、運転免許証として利用できるようにしたものだ。免許の持ち方は、従来の運転免許証のみ、マイナ免許証のみ、両方を持つ「2枚持ち」の3種類から選べる。

マイナ免許証への切り替えは任意で、これまでどおり従来の運転免許証だけを持ち続けることも可能だ。運転時は運転免許証かマイナ免許証のいずれかを携帯していればよい。ただし、マイナ免許証を利用する場合は、スマートフォンではなくマイナンバーカード本体を持ち歩く必要がある。

保有者の約7割が「2枚持ち」。券面に免許情報が表示されないことも一因か

現状では「2枚持ち」を選択するドライバーが最も多い。2026年4月末時点のマイナ免許証保有者315万4,980人のうち、マイナ免許証のみを保有する人は89万9,193人。従来の運転免許証も残す2枚持ちは225万5,787人で、全体の約7割を占める。 2枚持ちが多い背景のひとつとみられるのが、従来の運転免許証の使い勝手だ。マイナ免許証では、免許の種類や有効期間などの情報がマイナンバーカードの券面に表示されない。確認するには、マイナポータルやアプリを使う必要がある。

日常的な運転で大きな支障が生じる場面は多くないが、レンタカーを借りるときや勤務先に免許証を提示するときなど、免許情報を相手に示す場面では従来の運転免許証のほうが分かりやすい場合がある。本人確認書類として利用する機会が多い人にとっても、券面で情報を確認できる従来の運転免許証には使いやすさがある。

海外で運転する場合も注意が必要だ。国によっては国外運転免許証に加えて有効な国内免許証の提示を求められる場合がある。マイナ免許証には免許の種類や有効期限などが券面に表示されない。このため警視庁は、国外で運転する予定がある人に対して、マイナ免許証と従来の運転免許証の2枚持ちを案内している。従来の運転免許証を残しておくことで、こうした場面にも対応しやすくなる。

更新講習はオンラインで受講可能。マイナ免許証のみなら更新手数料や住所変更でもメリット

マイナ免許証のメリットは、保有方法によって利用できる内容が異なる。更新時講習のオンライン受講は、マイナ免許証のみでも2枚持ちでも利用可能だ。対象は優良運転者と一般運転者で、自宅などからスマートフォンやパソコンを使って受講できる。ただし、更新手続き自体がオンラインで完結するわけではなく、手数料の支払いや視力検査などのため、運転免許センターや警察署などへ行く必要がある。

運転免許証の更新手数料も保有方法によって異なり、マイナ免許証のみを選択することで、更新時の費用を抑えられる。

保有状況 免許証のみ マイナ免許証のみ 2枚持ち
更新手数料 2,850円 2,100円 2,950円

更新時にかかる費用は、更新手数料だけではない。講習区分に応じて講習手数料も必要になる。マイナ免許証を保有している人は、優良運転者・一般運転者であればオンライン講習を選択でき、講習手数料は一律200円だ。

講習区分 優良 一般 違反・初回
会場で受講 500円 800円 1,400円
オンライン受講 200円 対象外

優良運転者がマイナ免許証のみを保有してオンライン講習を利用した場合、更新時には合計2,300円必要だ。免許証のみで会場講習を受ける場合の3,350円と比べると、1,050円安くなる計算だ。

住所変更などの手続きが簡略化される「ワンストップサービス」も、マイナ免許証のみを選ぶメリットだ。事前に署名用電子証明書と免許情報をひもづけ、マイナポータルと連携しておけば、住所変更時に警察で別途手続きをする必要がなくなる。2枚持ちでは利用できないため、引っ越しが多い人は確認しておきたい。

このほか、住所地以外の都道府県でも更新手続きができる「経由地更新」は2枚持ちでも利用可能で、マイナ免許証を持つ優良運転者・一般運転者は手続きがしやすくなる。こうしたサービスを利用するには、一体化の手続き時に署名用電子証明書を警察へ提出しておく必要がある。

「マイナのみ」は失効と更新引き継ぎに注意

マイナ免許証のみを利用する場合は、有効期限の確認を忘れないようにしたい。運転免許とマイナンバーカードは更新時期が異なるため、マイナ免許証の有効期間はカード券面に表示されない。ただし、更新時期が近づくと、従来どおり更新連絡はがきは送付される。さらに読み取りアプリの通知設定をオンにすれば、更新期間の末日が近づいた際にお知らせを受け取れる。マイナ免許証のみで運転する人は、はがきとアプリ通知の両方を確認しながら、有効期間を管理しておきたい。

マイナンバーカードを更新するときは、免許情報の引き継ぎにも注意したい。マイナンバーカードを更新する際は、オンライン申請時に免許情報を引き継ぐための手続きが必要になる。手続きでは「マイナ免許証等継続利用」を選択し、免許情報記録番号を入力する。紙の申請書や証明写真機から申請した場合、免許情報の引き継ぎはできない。

マイナ免許証のみで運転する人は、カード更新後に免許情報が引き継がれているか確認しておきたい。更新後すぐに運転する予定がある場合は、事前に申請方法を確認しておくと安心だ。

マイナ免許証を取得する際は、手続きの利便性を重視するのか、提示時のわかりやすさを重視するのかによって、自分の使い方に合った選択をしたい。

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