ブリヂストンが開発したパンクしないタイヤ「AirFree」が全国初の実用化||自動車交通トピックス
文=萩原文博

空気の充填不要でパンクもしない! ブリヂストンの「AirFree」が滋賀県で全国初の実用化

空気圧管理不要の次世代タイヤを搭載した自動運転車が滋賀県東近江市で運行開始

月面探査車用のタイヤにも採用されている空気を充填しない次世代タイヤ「AirFree(エアフリー)」。ブリヂストンの安心安全/サステナブルな技術のひとつだ。これまで東京都小平市や富山県などで実証実験が行われてきたが、2026年7月から滋賀県の東近江市で実用化された。

目次

パンクしないタイヤが滋賀県で全国初の実用化!

ブリヂストンが開発した次世代タイヤ「AirFree」

ジャパンモビリティショーにも出展されていた「AirFree」。月面探査用タイヤの技術が使われている

タイヤメーカーのブリヂストンが推進している、安心安全、サステナブルな技術のひとつが、空気の充填を不要にする次世代タイヤの「AirFree」だ。

通常、タイヤには空気が充填されている。これによりタイヤはクルマの重さを支えながら、路面の衝撃を吸収するといったバネのような働きも行う。そのためタイヤの空気圧が適切ではなくなるとパンクやバーストの原因となり、走行に支障をきたすことになる。

ブリヂストンの次世代タイヤ「AirFree」は、空気の代わりに側面の青色スポークで荷重を支えており、パンクなどの空気圧に起因する故障が発生しないことによる”移動を止めない”といった特徴のほか、青色スポークが日中から夕暮れ時の視認性を高めることによる”安心安全”も確保している。また、リトレッド(接地面に再びゴムを貼ることで、長期間使えるようにする)やリサイクルなどを行うことで”サステナビリティ”にも貢献する。

「AirFree」は、2008年から開発され、現在は第3世代まで進化。現世代では、より高度なシミュレーション技術や、多様な使用環境を想定した構造設計により、強くてしなやかな素材とひずみを適切に制御する構造へと進化させ、2024年3月より東京都小平市近郊の公道で実証実験が開始された。

そして、2026年7月8日、ブリヂストンと滋賀県東近江市は、東近江市が運営するグリーンスローモビリティ自動運転サービス「奥永源寺けい流カー」に、ブリヂストンの次世代タイヤ「AirFree」の全国初となる実用化を開始した。

運転手不要の自動運転車との組み合わせで、さらに便利に

全国で初めて実装化された出発式写真

2026年7月7日には初の社会実装に向けての出発式が開催された

奥永源寺けい流カーの発着地となるのは道の駅「奥永源寺渓流の里」

奥永源寺けい流カーは道の駅「奥永源寺渓流の里」を発着地として中山間地域における生活交通を確保する自動運転車両

東近江市の中山間地域の奥永源寺地区では、高齢化率が60%を超え、地域の移動を支える担い手不足が深刻化、移動手段の確保が社会課題となっていて、タイヤの空気圧管理が不要でパンクもしない「AirFree」を「奥永源寺けい流カー」に装着することで、「運行を止めない」、「メンテナンスの効率化」、「サステナビリティ」という社会課題解決への貢献を目指す。

「奥永源寺けい流カー」は、道の駅「奥永源寺渓流の里」を拠点として、2021年4月から運行を開始した自動運転サービスである。筆者は運行開始直後に取材をしている。

黄和田町・杠葉尾町の集落内、往復約4.4kmをヤマハ製のゴルフカートをベースとしたBEVが、地域住民の移動支援をはじめ、荷物の輸送支援、そして観光客の移動支援を目的に運行している。最高時速約12km(自動走行時)というヤマハ製の自動運転車両は、道路に埋設された電磁誘導線を辿って走行する。集落の道は勾配もきつく、しかも狭いためこのような特殊な車両が適している。

取材当時は空気を充填する普通のタイヤを装着していたが、7月からはパンクする心配のない「AirFree」を装着することで、運行休止のリスクが減り、サービス向上を目指す。

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