免許不要・年齢制限なし! 歩道を走れる「移動用小型車」の魅力を体験レポート|自動車交通トピックス
文=萩原文博

歩行者扱いの新モビリティ「e-SNEAKER」と「UNI-ONE」をジャパンモビリティショー2025で試乗!

免許不要・年齢制限なし! 歩道を走れる「移動用小型車」の魅力を体験レポート

2025年11月9日まで東京ビッグサイト(有明)にて開催されているジャパンモビリティショー2025。従来の東京モーターショーからジャパンモビリティショーへと改称され、さまざまな乗り物が次世代のモビリティとして出展されている。今回は10年後の東京をイメージした「Tokyo Future Tour 2035」で試乗した新たな歩行モビリティ「e-SNEAKER」と、モビリティロボット「UNI-ONE」を紹介しよう。

目次

年齢制限がなく、誰もが乗ることができる「移動用小型車」

2023年4月1日から施行された改正道路交通法によって、新設されたひとり乗りのパーソナルモビリティが「移動用小型車」だ。「移動用小型車」の車両要件は以下のように定められている。
●車体寸法は、全長120cm以下、全幅70cm以下、高さ120cm以下(ヘッドサポートを除いた部分の高さ)
●電動車であること(原動機はモーターに限定)
●最高速度は時速6km/h以下
●歩行者に危害を及ぼす鋭利な突起がないこと
●移動用小型車であることを証明する標識(シール)を貼付していること
●走行できるのは歩道および路側帯。歩車道の区分がない道路では右側通行

移動用小型車「ダイハツe-SNEAKER」のフロントスタイル写真

ダイハツe-SNEAKERのフロントスタイル。フロントのカゴはオプション

結論として「移動用小型車」は電動車椅子に準じており、道路交通法上では「歩行者」として扱われる。最高速度は歩行者の速歩程度とほぼ同じ時速6km/h以下となっており、歩道と車道の区分がある場所では歩道と路側帯のみ通行可能で、車道は通行できない。この「移動用小型車」の特徴は以下のとおりで、高齢者から子供まで乗ることができるモビリティとなっている。
●年齢制限なし
●運転免許証不要
●ヘルメットの着用義務なし
●ナンバープレート不要
●自賠責保険への加入不要

最新技術の搭載によるスムーズな動きは絶賛

まず試乗したのは、ダイハツが2025年8月から販売している「e-SNEAKER」。「胸張れる・軽快・安心モビリティ」をコンセプトに開発され、自由に外出を楽しみたいアクティブシニアをはじめ、近所への買い物や家族・友人との外出など散歩より「ちょっと先」を楽しめるモビリティだ。

「e-SNEAKER」に乗ると自転車とほぼ同じ目線となり、周囲から見下ろされているような感じがしないのが特徴。また身長や好みに応じてシートの高さは3段階に変更可能だ。8インチという大径のエアータイヤを採用することで、走行安定性も悪くない。
なかでも絶賛したいのが、カーブを曲がるとき。ハンドルを切ると減速抑制機能により、リアに2個搭載したモーターの駆動力が制御され、スムーズにカーブを曲がることができた。

移動用小型車「ダイハツe-SNEAKER」のリアスタイル写真

シート位置を高く設定し、自転車と同じ目線の高さを実現しているのが特徴

もうひとつの「移動小型車」がホンダの「UNI-ONE」だ。UNI-ONEは2025年に道路交通法上の「移動用小型車」として国家公安委員会の型式認定を取得している。UNI-ONEは「アシモ」で培った「人に寄り添うロボティクス技術」を活用し、座った姿勢でありながら、これまでにない自然な「歩く感覚」で移動できるモビリティロボットだ。

シート下に内蔵されたセンサーによって、乗員がどちらのほうに動かしたいのかを判断。ホンダ独自の車輪は、前後、左右、斜めなどあらゆる方向に自由自在に動くことができ、狭い空間でもその場で回転することが可能だ。

「ホンダUNI-ONE」に乗車している写真

UNI-ONEは自分の体を動かすだけで、思いのままに動かすことができる

UNI-ONEは自分が前に進みたければ、背筋を伸ばした体を前に傾けるだけ。またカーブを曲がる際には右や左に傾けるだけ。傾ける角度が深くなればなるほど速度は速くなるし、曲がり方も急になる。実際、乗ってすぐに誰でも自由自在に動かすことができるので、非常に楽しい。自分が進みたい方向をUNI-ONEが理解しているようにも感じた。
UNI-ONEに乗ると、アニメーションなどのロボットの操縦をレバーやペダルで行うのはナンセンスではないか、と考えてしまうほど画期的なシステムだと感じた。UNI-ONEは「Tokyo Future Tour 2035」だけでなく、お子さんはキッザニアでもテストドライバー体験ができるのも魅力だ。

ホンダUNI-ONEの外観写真

センターにあるステッカーが「移動用小型車」の目印

ブレーキなどの機能を操作するディスプレイ

画面のセンター部を上にフリックすると走行開始となる

ダイハツの「e-SNEAKER」そしてホンダの「UNI-ONE」。全く見た目は異なるが、どちらも「移動小型車」。ただ活躍の場は「e-SNEAKER」は屋外中心。「UNI-ONE」は空港や美術館といった屋内となりそう。どんな場所で使用したら高いパフォーマンスを発揮できるか。それを考える愉しさが電動パーソナルモビリティの特徴と言える。

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