夏用タイヤのまま雪道を走行すると法令違反で反則金6,000円!?
冬用タイヤへの交換や滑り止めの準備はOKですか?積雪路や凍結路を夏用タイヤで走行するのは危険なだけでなく、実は法令違反で反則金が科せられることを知っていますか? 降雪地域のドライバーは冬用タイヤに交換し積雪に備える習慣がありますが、普段雪が降らない地域に住んでいる人は夏用タイヤのまま冬を越すという人も多いため注意しましょう。
夏タイヤで積雪路や凍結路を走るのは法令違反!
2024年は、11月7日に統計開始から130年間で最も遅い富士山の初冠雪を記録しました。この初冠雪により、いよいよ本格的な冬の到来となる見込みです。降雪地ではすでにスタッドレスタイヤなどの冬用タイヤに交換済みという人も多いと思いますが、普段雪が降らない地域に住んでいる人はまだ夏用タイヤという人や、スタッドレスタイヤに交換する予定はないという人もいると思います。しかし雪が降るという予報が出ると、タイヤショップや量販店へタイヤ交換に訪れる人が殺到し時間がかかることもあり、スタッドレスタイヤへの交換は早めに行うのが得策です。
雪が降ると、夏用タイヤを装着したクルマが積雪路などで走行不能となっているニュースをよく見かけますが、積雪路や凍結した道路を夏タイヤで走行するとことは、実は法令違反となるのをご存じでしょうか? 都道府県道路交通法施行細則または道路交通規則では、積雪または凍結した路面での冬用タイヤの装着など、いわゆる防滑措置の義務が規定されています(沖縄県を除く)。これに違反すると、大型車7,000円、普通車・自動二輪6,000円、原付車5,000円の反則金が適用されます。
降雪時にスタッドレスタイヤやタイヤチェーンを装着せずに走行することは、危険なだけではなく法令違反となる。雪が降る前に早めにスタッドレスタイヤに交換を!
夏タイヤの制動距離はスタッドレスタイヤの1.5倍以上!
夏用タイヤで積雪面や凍結路を走行すると、ブレーキを踏んでから停止するまでの制動距離が長くなり、追突など事故のリスクが高まります。積雪路ではスタッドレスタイヤの制動距離を100とすると、夏用タイヤでは1.5倍以上の160となります。また、圧雪路や凍結路(氷盤路)で制動距離を比較したJAFユーザーテスト でも、圧雪路や凍結路ともにスタッドレスタイヤが最も短く、圧雪路では夏タイヤはスタッドレスタイヤの約1.7倍も長くなるという結果になりました。制動距離だけではなく、旋回性能などにも差がでますので注意しましょう。
積雪路や凍結路ではスタッドレスタイヤより夏用タイヤは1.5倍以上制動距離が長くなる(資料:一般社団法人日本自動車タイヤ協会)
スタッドレスタイヤの残り溝をチェックしておこう
スタッドレスタイヤを装着していても、新品時の溝深さが50%の位置にある「プラットフォーム」が出ていると、冬用タイヤとしての性能が十分に発揮できないため、装着前にチェックしておきましょう。また、高速道路での一般的なチェーン規制はスタッドレスタイヤを装着していれば走行可能ですが、積雪の多い山間部などでは全車両チェーン規制が行われることがあります。積雪地域で走行する際にはタイヤチェーンも携帯していると安心です。
降雪の予報がなくても、突然の大雪に見舞われることも考えられます。また、雪が降らなくても、気温が下がると路面が凍結することもあります。こうした状況に備えるためにも、早めにスタッドレスタイヤへの交換を検討することが重要です。
溝の深さが新品の50%になるとプラットフォームが出て、冬用タイヤとして使用できなくなるため、装着する前にしっかりと確認しておこう