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冬到来! みなさん、タイヤは替えましたか? 「冬のタイヤ事情」を調査

2022.11.03

漫画=いぢちひろゆき/図版=宮原雄太

2022.11.03

漫画=いぢちひろゆき/図版=宮原雄太

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交通事情から日常の小さなことまで。全国のJAF会員のアンケートから、世の中の潜在意識をちょっとだけ明らかにする「JAF Mate 総研」。今回は本格的な冬を前に「冬のタイヤ事情」について調査しました。粉塵(ふんじん)問題によるスパイクタイヤの原則禁止から約30年。みなさんのタイヤはどのように変わったのでしょうか?

マンガ前編

「雪は日常」の地域は
圧倒的にスタッドレス!

「あなたは、雪道に対してどのような対策をしていますか?」という質問に対し、全体では約4割がスタッドレスタイヤを使用しているという結果となったものの、地域による差は一目瞭然! 北海道をはじめ、降雪量の多い日本海側は圧倒的に「冬はスタッドレスタイヤにしっかりと履き替える」という意見が多数。理由についても「常識だから!」という声が多く上がりました。

全国のスタッドレスタイヤの使用率

全国のスタッドレスタイヤ使用率グラフ

  • 北海道の冬道は乾燥した道だけではなく、雪が解けて水たまりになったり、またアイスバーンになったり、夏タイヤにチェーンだけでは安心して車を運転できません! 冬はスタッドレスタイヤに履き替えて、チェーンを常備しています。(北海道・男性・70歳代)
  • 日常的に圧雪状態の道を走るので、冬季は毎年スタッドレスに交換している。(青森県・男性・60歳代)
  • 日本海側の冬は、積雪よりも冬の風による路面の凍結が多いため、チェーンはスリップと摩耗が心配で使用していません。スタッドレスタイヤは毎年その性能が上がってきて、買い替えるごとに凍結路面でのグリップ力が強くなっているのを感じてありがたく思います。タイヤは3年ぐらいで履き替えになるのですが、命を運んでくれているのだからしかたないです。(秋田県・男性・50歳代)
  • 雪が降る地域なので、チェーンを携行したりするよりも、冬の間はスタッドレスタイヤに交換してしまったほうが楽だから。(石川県・女性・20歳代)

と、スタッドレスに絶大な信頼が寄せられましたが、スタッドレスタイヤも正しく使ってこそ。スタッドレスタイヤは溝の深さが、新品の状態から50%未満になると積雪路・凍結路での性能は低下。一般的には3シーズンから5シーズンでの交換が目安とされています(クルマ何でも質問箱「スタッドレスタイヤの使用限度と正しい保管方法とは?」 )。こまめに溝をチェックし、安全のためには早めの交換を心がけましょう。

スタッドレスタイヤ礼賛の声が上がるなか、かつてスパイクタイヤが主流だった世代からは、

  • スパイクタイヤがOKだった時代には、好みのピンを好みの本数打ったタイヤで道北に出張していました。アイスバーンでは夏と同じ感覚で走れましたが、逆に雪がない道では滑って怖かった! なにせアスファルトと接地しているのがゴムではなく金属でしたから。後続車から「タイヤから火花が出てるよ」と言われましたっけ。(北海道・男性・60歳代)
  • 300本以上スパイクを打ったタイヤは重かったなぁ。(北海道・男性・60歳代)
  • 昔はスパイクタイヤだったため、毎年横断歩道が削れて春に再塗装をしていましたよね。(長野県・男性・60歳代)
  • スパイクタイヤの頃は、春先のアスファルトやコンクリートのダストがひどかった。最近では性能も上がったけれど、出たてのスタッドレスタイヤに慣れない頃は大変だった。雪道で轍(わだち)にはまって横転したとき、助手席に座っていた彼女のことが忘れられません。(岩手県・男性・50歳代)

と、当時を懐かしむ声も上がっていました。

「雪が降ったら車に乗らない」派は
年齢とともに増加

雪が日常でない九州・四国では「スタッドレスタイヤ」派と「夏タイヤ+チェーン携行」派がそれぞれ1〜2割前後で拮抗(きっこう)し、「雪が降ったら車に乗らない」派が半数を超える県も多数。宮崎県では46.9%、沖縄県では実に70.9%の方が「雪が降った日に走ったことがない」と回答しました。

  • 山間部へ行かない限り、夏タイヤで走れないほどの積雪があることはまれだから。(夏タイヤ+チェーン携行・大分県・男性・50歳代)
  • 長崎県は1年に1〜2回しか雪が積もらないのと、1年を通して雨が多い地域なので、もしもの時のために濡れた路面や雪道に強いオールシーズンタイヤを数年前から履くようにしています。(オールシーズンタイヤを履いている・長崎県・男性・40歳代)
  • 事故を起こす可能性が高いので、会社を休むか時間休を取得して、積雪状態が良くなってから出社する。休みの時は車に乗らないようにしている。(雪が降ったら車に乗らない・大分県・男性・60歳代)

全国的に見ると、「スタッドレスに履き替える」派と反比例するように、「雪が降ったら車に乗らない」派は年齢が上がるに連れて増えていくことも明らかに。また、「夏タイヤ+チェーン携行」派の割合も、わずかながら年齢が上がるにつれ増加していることがわかりました。

雪が降ったときの対策は?

雪が降った時の全国グラフ

  • かつてはスタッドレスタイヤで、チェーンもして走っていたが、後期高齢者となった現在は、安全運転を徹底。雪の日は運転しないことにしている。(神奈川県・男性・70歳代)
  • 若い頃は何度か雪道を走行したこともあったが、高齢になったので今は乗らないように決めている。(神奈川県・男性・80歳以上)

という「安全第一」の意見が多数。現在は雪の日の運転を控えている方のなかには、

  • 若かったときは、道中でチェーンを付けることもいとわずにスキーに行ったものです。今では考えられない。安全のため、雪が降ったら車には乗りません。(東京都・男性・70歳代)
  • 最近、通勤は電車だし、積雪の多い地域に車で出かける機会がない。若い頃はスキーにはまっていた時期があり、シーズン中10回くらいは車でスキー場まで行っていた。当時は4WDのスポーツカーに乗って、チェーンを巻いて雪道を走行していたけど、凍結した急勾配の山道に行くときはスパイクタイヤに履き替えていたなぁ。(埼玉県・男性・50歳代)

と、若き日のスキーブームを懐かしむ声も多く見受けられました。

スリップ、スタック、大回転!
雪の日の危機一髪事件簿

雪の日の体験談では、思わず背筋が寒くなるような危機一髪のエピソードも。特に、若葉マーク時代の雪道体験は忘れられない方が多いようです。

  • もう40年以上前の話になりますが、免許取り立てで姉の車を無断で運転。「俺、なかなか雪道運転うまいじゃん!」なんて思った矢先にスリップし、用水路脇の除雪した雪の壁に激突! もう少しで落ちそうになりました。幸い近くで工事をしていた人たちに助けてもらいなんとかなりましたが、この日以来雪道は絶対に無理しません。(新潟県・男性・60歳代)
  • 免許を取って間もない頃、運転の練習のためレンタカーを借りて、こともあろうに山越えのルートを選んでしまいました。南斜面のうちは良かったのですが、峠のトンネルを越えたらまさに「雪国」状態。幸いレンタカー屋さんにタイヤチェーンの携行を勧められていたのですが、吹きっさらしの寒風の中「ああでもない、こうでもない」と四苦八苦しながら取り付けたのは今でも鮮明に覚えています。(徳島県・男性・50歳代)

といった若き日の苦い思い出のほか、

  • スパイクタイヤが禁止になり、スタッドレスにまだ不慣れだった頃。雪道の轍からタイヤがずれた瞬間にスピン! ……が、きれいに360度のスピンだったので、元通りの轍にはまって何事もなかったかのように走り続けました。後続車も対向車もなかったのがなによりのラッキーだったかもしれません。(北海道・男性・50歳代)
  • 大雪で高速道路が全面通行止めのなか、静岡県から群馬県まで、夜通しルートを選びながら帰宅。無事到着したものの、自宅の3m手前でスタックした。(群馬県・男性・60歳代)
  • 若い頃にスキー場へ行く道中、初めてタイヤチェーンを装着。チェーンの余りが少しだったため、縛って固定せず無視して走行しました。帰宅後洗車してみると、フェンダーの塗装が余ったチェーンで削られてきれいになくなっていました……。(愛知県・男性・70歳代)

といったトホホ……なエピソードも。
雪道に対して苦手意識が強い方も多いことがわかった今回の調査でしたが、

  • タクシーの運転手さんから聞いた話。「大雪の日の運転、怖くないですか?」と尋ねたところ、「私は雪国育ちで、慣れてるんです。タイヤが路面にしっかり着くように、急ブレーキ、急ハンドル、急アクセルをしない。そうすれば、変に滑ったなんてことにはならないんです」とのことだった。凍結した道を通るたびにその言葉を思い出し、おっかなびっくりではあるが落ち着き、慌てずにアクセルをじわっと踏んでいく。おかげで今のところ事故はない。(京都府・男性・30歳代)

という、具体的な雪道走行テクニックのコツも寄せられました。みなさん、どうぞ安全を第一に。冬はお住まいの地域に適した装備で走行しましょう!


マンガ後編

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