【1968年6月10日】常識破りの高性能「ダイハツ・フェローSS」発売!|Today's memoriesあの日の記憶
文=津島 孝

軽スポーツ戦争の火付け役! ダイハツ「フェローSS」が示した32馬力の衝撃!

ツインキャブ×高圧縮で32PS! 0→400m加速21.2秒が軽スポーツ時代を動かした

ダイハツのフェローSSは、2サイクル2気筒を高圧縮+ツインキャブ化して32PSを実現。0→400m加速21.2秒とホンダ・N360を凌(しの)ぐほどの俊足で注目を集め、軽スポーツ戦争を加速させた歴史的モデルである!

【1968年6月10日】
常識破りの高性能「ダイハツ・フェローSS」発売!

初代のダイハツ・フェロー

フェローSSのベースとなった初代フェロー(写真)は1966年発売。FRレイアウトが採用され、どちらかといえば実用性が重視された。エンジンをチューニングしたフェローSSは、0→400m加速21.2秒、最高速115km/hを達成。控えめな外観に高性能を秘めた“羊の皮をかぶった狼”として人気を得た

「ダイハツ・フェローSS」は、軽乗用車フェローの高性能版として誕生したスポーツモデル。開発の背景には、ホンダ・N360の大ヒットがあった。高出力・低価格・FFレイアウトという“常識破り”のN360に対し、FRレイアウトのフェローは実用性重視の設計ゆえに若年層の支持を失いつつあった。そこでダイハツは、スポーティー志向のユーザーに応えるべく、専用チューニングを施したSSを投入したのである。

最大の特徴は、フェローのZM型356cc水冷2気筒エンジンを徹底的にチューニングした点だ。圧縮比を9.0から10.6に高め、吸気効率の良いツインキャブを採用。最高出力は32PSへと向上し、当時の軽自動車としてはトップクラスの性能を実現した。FRレイアウトによる素直なハンドリングと、締め上げられた足まわりが相まって、腕のあるドライバーほど性能を引き出せる“本格派”として評価された。

外観は控えめながら、専用グリルの赤いアクセントやスポーティーなホイールキャップが精悍(せいかん)さを演出。内装にはタコメーターや3本スポークステアリング、4速フロアシフトを備え、走りへのこだわりを明確に示していた。

フェローSSの登場は軽自動車市場に大きな刺激を与え、スズキ・フロンテSS、三菱・ミニカ70 GSS、スバル・ヤングSSなど、各社が続々と高性能モデルを投入。いわゆる軽スポーツのパワーウォーズが本格化し、軽自動車が単なる実用車から“走りを楽しむカテゴリー”へと進化する契機となった。

【L37 SS型 ダイハツ・フェローSS】
●全長×全幅×全高:2990×1285×1350mm ●ホイールベース:1990mm ●車両重量:515kg ●搭載エンジン:ZM型(356cc 水冷直列2気筒2サイクル)

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