知られざるフェアレディの進化とは!? ハードトップで快適性を高めた“もう一つの姿”
北米市場で支持された理由は固定式ルーフによる快適性と実用性の両立にあったハードトップ・フェアレディは、固定式ルーフ採用で剛性と静粛性を高めた実用派スポーツ。北米で人気を博したフェアレディの魅力を拡張し、高性能ユニットとともに高速巡航性能を向上させた。オープンスポーツ文化が成熟した時代に生まれた重要モデルである。
【1968年7月1日】
北米でも愛された日産「ハードトップ・フェアレディ」発売
ハードトップ仕様は1600㏄と2000㏄で設定。ラジオやヒーターを装備したハードトップのフェアレディ2000はソフトトップ車より5万円高く、店頭渡し価格が91万円(東京)だった。写真はダットサン・フェアレディ2000スポーツ(SRL311型)のソフトトップ
1968年7月1日、日産はフェアレディに新たなバリエーションとして「ハードトップ・フェアレディ」を追加した。従来のオープンボディーに固定式ルーフを組み合わせたモデルで、悪天候時の快適性向上や静粛性の改善を目的とした実用的な派生車である。
ハードトップ化によりボディー剛性が高まり、操縦安定性もアップした。1960年代後半は日本車の性能向上が著しく、スポーツモデルの強化が進められた時期でもある。ハードトップ仕様の追加は、オープンカーを敬遠するユーザーの取り込みも視野に入れていた。
搭載エンジンは、従来の2代目SP310型と同じ直列4気筒OHCユニット。ハードトップ仕様も基本性能は同等で、より高速巡航に適したキャラクターを持っていた。2000ccモデルに搭載されたU20 型エンジンソレックスツインキャブレターを装着して145PSを発揮し、日本車初の200km/hオーバーカーとなったことで知られる。
日本のスポーツカー文化が成熟し始めた時代に登場したハードトップ・フェアレディは、オープンスポーツの魅力に実用性を加えた“隠れた重要モデル”として位置づけられる。
【SRL311型 ダットサン・フェアレディ2000スポーツ(1968年式)
】
●全長×全幅×全高:3955×1495×1325mm ●ホイールベース:2280mm ●車両重量:960kg ●搭載エンジン:U20型(1982cc 水冷直列4気筒OHC/SUツインキャブ)
フェアレディとは、1960年に北米専売モデルとして開発されたオープンボディーのSPL212型に与えられた呼び名。その後継車として北米市場で人気を得たのが、1969年に登場した初代「フェアレディZ」(S30型/写真)である。2ドアのファストバックスタイル、ロングノーズ&ショートデッキの流麗なフォルムが印象的だった