トヨタ初の本格FF車が日本を変えた!初代ターセル/コルサが切り開いた新時代
省エネ時代に登場した初代ターセル/コルサは、その後の日本の小型車史を大きく変えた初代ターセル/コルサは、トヨタ初の本格FF方式を採用した新しい大衆車。コンパクトなボディーに広い室内空間を確保し、省エネ志向の時代に応えた。日本の小型車が“FFを前提とする時代”へ進む起点となったモデルである。
【1978年8月3日】
若者の人気も獲得した初代「ターセル/コルサ」発売!
落ち着いた色調の内装、丁寧なトリム処理、視認性の高いメーター類が組み合わされ、コンパクトカーながら“きちんとした小型乗用車”としての安心感を演出している初代コルサ3ドアGSLの内装。販売チャネルの違いを反映した、上品で大人向けの室内空間である
1978年8月3日に発売された初代ターセル/コルサ(AL10型)は、トヨタ初の本格的なFF(前輪駆動)方式を採用した大衆乗用車である。
大衆乗用車市場の新しい需要の動向に対応することを狙い、省資源・省エネルギー、排ガス規制対応、安全対策など、1970年代後半の社会的要請に応えるために開発された。最大の特徴は、縦置きエンジン+FF方式によってコンパクトなボディーに広い室内空間を確保し、都市生活に適した扱いやすさを実現したことである。
搭載エンジンは新開発の1A-U型(1.5L/80PS)。粘り強く、低速から高速まで安定した力を発揮し、軽量化と静粛性が向上した。さらにTGP方式(Turbulence Generating Pot /乱流生成ポット)による排ガス対策を施し、厳しい昭和53年度排出ガス規制に適合。燃費性能の向上は、オイルショック後の省エネ志向に合致し、ユーザーの支持を集めた。
スタイルは、2ボックスのファストバックタイプと3ボックスのノッチバックタイプを設定。用途に応じて2ドア、3ドア、4ドアを選べた。大きな室内空間をコンパクトなボディーの中に確保し、実用性と現代的デザインを両立させたことがわかる。外板色や内装色の組み合わせも豊富で、当時の“選べる楽しさ”を象徴するモデルとして若年層や女性ドライバーにも訴求した。
なお、ターセルはカローラ店、コルサはトヨペット店という販売チャネルの違いから、「軽快なターセル、落ち着いたコルサ」というキャラクター分けが行われたが、基本構造と性能は共通だった。
この2台の成功は、トヨタが本格的にFF化へ舵(かじ)を切る契機となり、のちのスターレットやカローラのFF化へとつながっていく。ターセル/コルサは、日本の大衆車が“FFを前提とする時代”へ移行する起点となった歴史的モデルである。
【AL10-ZGKNS型 トヨタ・ターセル ハイデラックス(ハッチバック)】
●全長×全幅×全高:3960×1555×1375mm ●ホイールベース:2500mm ●車両重量:795kg ●搭載エンジン:1A-U型(1452cc 水冷直列4気筒OHC)
初代コルサは、ターセルと基本構造を共有しつつ、より上質で落ち着いた雰囲気をまとうモデルとして仕立てられた。写真の3ドアGSLは端正な直線基調のスタイルに加え、控えめな装飾と落ち着いたカラーリングが特徴で、若々しいターセルとは異なる“上品な小型車”としての個性を強く打ち出している