マークⅡ/クレスタ/チェイサーが築いた新時代。1984年に生まれた「上質セダン」の価値観
1984年に登場したマークⅡ三兄弟は、後のハイソカーブームを支える土台を築いた5代目マークⅡと、兄弟車のクレスタ、チェイサーは、80年代後半の“ハイソカーブーム”の価値観を形づくった重要なモデル。それぞれの個性で市場を広げ、後に続く1988年モデルの大ヒットを支える原点となった。
【1984年 8月22日】
個性が光る新生セダン「マークⅡ/クレスタ/チェイサー」発売!
インパネ形状は三兄弟でほぼ共通。写真はマークⅡ・グランデ ツインカム24で、デジタルメーターやオートエアコンといった先進装備も用意され、“上質さ”を軸とした新しい高級感を提示する存在だった
1984年8月22日に登場した5代目マークⅡ(X70系)と、その兄弟車である2代目クレスタ、3代目チェイサーは、のちの“ハイソカーブーム”を支える価値観の基礎を築いた重要なモデルである。
直線基調の端正なスタイル、ワイド&ローのプロポーション、そして静粛性と質感を重視した設計は、上級セダンへの憧れが高まりつつあった時代の空気と見事に合致した。
シリーズの中心となるマークⅡは、1G系エンジンをはじめ、4輪独立懸架や独自の電子制御サスペンションTEMS(トヨタ・エレクトリック・モジュレーティッド・サスペンション)など、当時の最新技術を積極的に採用。静粛性・乗り心地・内装の質感を徹底的に磨き上げ、上級セダンとしての完成度を大きく引き上げた。
クレスタはよりフォーマルでラグジュアリーな方向性を強め、落ち着いた内外装で大人のユーザーに訴求。一方のチェイサーは、スポーティーなフロントマスクや足まわりの味付けにより、走りを重視する層に向けたキャラクターを明確にしていた。
同じ基本骨格を持ちながら、三者三様の個性を与える“三兄弟戦略”は、トヨタの販売網と顧客層に絶妙にフィットし、上級セダン市場を広くカバーすることに成功する。
こうして1984年モデルが作り上げた“上級車の新しい価値観”は、のちの市場に強い影響を与えた。1988年に登場するGX81系が社会現象的な人気を獲得できたのも、この世代のマークⅡ三兄弟が築いた基盤があったからこそといえるだろう。
【GX71-XTMGF型 トヨタ・マークⅡグランデ ツインカム24 2000EFI(ハードトップ)】
●全長×全幅×全高:4690×1690×1385mm ●ホイールベース:2660mm ●車両重量:1280kg ●搭載エンジン:1G-GEU型 (1988cc 水冷直列6気筒DOHC-EFI)
3代目チェイサーのボディータイプは、4ドアセダンをはずして4ドアハードトップだけになる。2L直列6気筒DOHCの1G-GEU型エンジンは、160PS/18.5kgmを発生し、スポーティーな印象を強めた。1985年10月にDOHCツインターボ(1G-GTEU型)を搭載した2000GTツインターボが加わる。写真のグレードはアバンテ ツインカム24
ピラードハードトップスタイルをやめ、一般的なウインドーサッシ(窓枠)付きドアを持つセダンに変更した2代目クレスタ。車高をハードトップ並みに低くし、初代から垂直フロントグリル、角形4灯式ヘッドライトを引き継ぎ、室内も三兄弟の中では最も高級に仕立てられた。写真のグレードはスーパールーセント