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文=津島 孝

なぜR32スカイラインは評価を一変させた? 901運動による走りの原点とGT-R復活の真実

1989年、日産はスカイラインをつくり直した。R32はなぜ“伝説の起点”になったのか?

1989年に発売された8代目スカイラインR32は、日産の901運動を背景に走りの性能を徹底追求したモデル。コンパクトなボディーと前後マルチリンクサスペンションが生む高い運動性能は評価を一変させ、スカイラインを再び“走りのブランド”として開花させた!

【1989年5月22日】
上質な走りで人気爆発! 8代目「スカイライン」発売

1989年5月に発売された8代目スカイライン(R32型)は、日産が再び「走りのスカイライン」を取り戻すために生み出したモデルである。

先代(R31型)で薄れつつあったスポーツイメージを再構築するべく、ボディーはコンパクト化され、サスペンションは前後ともマルチリンクへ刷新。日産が「1990年代までに技術で世界一になっている」ことを目標として掲げた901運動の思想を背景に、世界トップレベルの運動性能を目指すという明確な目標が掲げられていた。

R32の外観はシャープで無駄がなく、走りを重視したパッケージングが特徴だ。GTS-tをはじめとするFRモデルは軽快なハンドリングを実現し、日常域からスポーツ走行まで幅広く応える万能性を備えていた。R31から大きく変わったのは、単なる“豪華なツアラー”ではなく、再びドライバーズカーとしての本質を追求した点である。

そして、このR32の登場から約3か月後の1989年8月21日、高性能モデルを象徴する“赤バッジ”がついに復活する。16年ぶりのGT-R(BNR32)である。同じ4WDを採用したGTS-4も追加され、R32のラインアップはより多様な走りのニーズに応えるものとなった。FRの軽快さ、4WDの安定性、そしてGT-Rの圧倒的な速さ。R32はそれぞれの個性を明確に打ち出し、スカイラインというブランドの魅力を再び強く印象づけた。

スカイラインGTS-t タイプMのコックピット

スパルタンな3本ステアリングが印象的なスカイラインGTS-tタイプMのコクピット。着座位置を低く設定することにより、よりスポーティー感が強調されていた

【HCR32型 日産スカイライン 2ドアクーペ GTS-t タイプM】
●全長×全幅×全高:4530×1695×1325mm ●ホイールベース:2615mm ●車両重量:1260kg ●搭載エンジン:RB20DET型(1998cc 水冷直列6気筒4バルブDOHCターボ)

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