【1967年5月16日】世界を驚かせたトヨタ2000GTの実力|Today's memoriesあの日の記憶
写真=oliver0723-stock.adobe.com
文=津島 孝

なぜトヨタ2000GTは「国産スポーツカーの原点」なのか? 世界を驚かせた技術力

ヤマハとともに挑んだ異例の開発、量産車初の技術、そして映画『007は二度死ぬ』に登場するまで

トヨタ2000GTは、日本車の常識を覆した伝説のスポーツカーである。流麗なデザインと高性能エンジン、そして映画『007は二度死ぬ』への登場やレースでの活躍によって世界的評価を獲得。生産337台という希少性も相まって、今もファン垂涎(すいぜん)の的となっている。

【1967年5月16日】
国産スポーツカーの象徴「トヨタ2000GT」発売!

トヨタ2000GTは、日本の自動車史において特別な存在である。トヨタとヤマハ発動機(以下ヤマハ)が共同開発した本格GTカーであり、当時の国産車にはなかったロングノーズ・ショートデッキの流麗なスタイリングと、直列6気筒DOHCエンジンを搭載した高性能モデルとして誕生。販売期間は1967〜1970年で、生産台数はわずか337台という希少車だった。

2000GTの開発は、トヨタが世界水準のスポーツカーを作るという強い意志のもとで進められた。少数精鋭のチームがヤマハに常駐し、短期間で試作車を完成させたというエピソードは象徴的である。シャシーはX形バックボーンフレーム、ダブルウィッシュボーン/コイルの4輪独立懸架、4輪ディスクブレーキ、4輪マグネシウム合金製ホイールなど、日本の量産車としては初めて採用するものばかりだった。

1966年にはスピードトライアルで耐久性能と高速性能を証明し、国際的な評価を高める。また、映画『007は二度死ぬ』に特別仕様のオープンモデルが登場したことで、世界的な知名度を獲得した。

社会的影響も大きく、日本にも「世界と戦えるスポーツカーをつくる力がある」という象徴となった。その美しいデザインと高性能は半世紀以上たった現在でも高く評価され、オークションでは驚くほどの高値で取引されるなど、文化的アイコンとしての地位を確立している。

トヨタ2000GTのリアビュー写真

最高速度220㎞/h、0-400m加速15.9秒、0-100km/h加速8.6秒と、性能でも世界トップクラスを誇った名車。丸型テールランプと滑らかな曲線で構成されたリアビューには、流麗さと機能性が共存する独自の造形が際立つ(写真=oliver0723-stock.adobe.com)

トヨタ2000GTのコクピット

豪華な木目パネルに丸型メーターを並べ、木製ステアリングと黒革シートが調和する高級感あふれるコクピット。近年のクルマは樹脂製パネルが多いため、ウッドパネルの美しさが際立つ

富士モータースポーツミュージアムに展示されていたトヨタ2000GTスピードトライアル(レプリカ)

2000GTは発売までに、速度記録挑戦(3つの世界記録と13の国際新記録を樹立)や、日本国内だけでなくアメリカのレースにも挑戦して好成績を挙げた。写真は富士モータースポーツミュージアムに展示されたトヨタ2000GTスピードトライアルのレプリカ(写真=Sergio Yoneda-stock.adobe.com)

【MF10型 トヨタ2000GT】
●全長×全幅×全高:4175×1600×1160mm ●ホイールベース:2330mm ●車両重量:1120kg ●搭載エンジン:3M型(1988㏄ 水冷直列6気筒DOHC)

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